飲食店の無断キャンセル問題を解決する「デポジット決済」導入の現場をレポート

2017年10月31日

トレタでは2017年の夏に2カ月限定で営業されていた中目黒の「summer supper」というレストランに、無断キャンセルの防止につながるサービス「デポジット決済」を提供しました。「summer supper」でどのようにデポジット決済が利用されていたのか、またその効果について紹介します。

※この記事はトレタブログに掲載した【トレタ スペシャルプロジェクト】summer supper 「NoShowを撲滅したい!」期間限定レストランに「デポジット決済」を導入してもらいましたを再編集したものです。

期間限定レストラン「summer supper」とは

「summer supper」の企画・プロデュースを手がけたのは、田中開さん。田中さんは、新宿ゴールデン街にあるレモンサワー専門店「The open book」のオーナーで、”レモンサワー王子”として有名です。

企画・プロデュースを手掛けた田中開さん

シェフを務める吉野勝二さんは、フランスのさまざまな名店で修業を積んだ新進気鋭の若手シェフ。帰国後、麻布十番の「ビストラン・エレネスク」で腕をふるって、広く注目を集めている方です。

シェフの吉野勝二さん

そんな吉野さんと田中さんが、ふたりで日本全国に食材探しの旅に出て、地方地方で出会った郷土料理にヒントを得たオリジナルのフレンチが提供される、というのがsummer supperの最大の呼び物。わずか2カ月間という特別感とメニューのスペシャル感が相まって、連日、予約でいっぱいになりました。

お店のオープンは7月6日。たった8席の小さなお店ながら、当初から「トレタ」を利用して、ウェブで予約をとっていました。

電話なし、予約はウェブのみで受付

田中さんによると、

「店に電話がないんですよ。期間限定っていうこともあって。だから、予約はウェブだけで受け付けることにしたんです。ただ、知り合いや友人たちからの予約は、個人ケータイで受けたりしてましたけどね」

とのこと。ちなみにウェブ経由での予約は全体の約75%で、残りは友人・知人関係の予約だそうです。もちろん、開放している席は、ほぼ100%予約で埋まるので、予約なしでの来店客はゼロ。

ただし、リスクがなかったというわけではなかったようで。

「いちばん怖かったのは、No Show(無断キャンセル)。じつは、オープンしてすぐに2件あったんです。この店の規模だと打撃がハンパなくて」

何しろ、素材から調理方法まで徹底的にこだわり抜いた料理を提供しているだけに、平均客単価が高め。「だいたい13,000〜15,000円前後」というから、たしかにNo Showは結構なダメージです。せっかく各地から集めてきた新鮮な素材もムダになってしまいます。

無断キャンセルの抑止力に「デポジット予約」を提案

そこでトレタから「トレタペイメント」というサービスを提案させて頂きました。これは、クレジットカード決済機能を「トレタ」にプラスしようというもので、現在のところ、予約と同時に前受金(保証金)を預かることができるという「デポジット機能」が提供されています。

予約時に一定額のデポジットを預かることは、NoShowの「抑止力」になるはずですし、万一のドタキャンのときにはデポジットをそのままキャンセル料金として受け取って、ダメージを軽くすることだってできます。

「ぼくたちヨーロッパのほうにも旅に出かけたんですけど、あちらのレストランだとデポジットって当たり前なんですよね。だから、そういう仕組みがあるんならぜひ!って」(田中さん)

デポジットを利用した新しい予約の提案

デポジット予約を導入するにあたって、トレタからはどのようにご来店いただくお客さまにお伝えしていけばいいか提案しました。

「デポジット予約は、たとえばクリスマスやイベントの時だけを対象にしたり、日付がだいぶ先の予約や人数が多い予約だけを対象にしたり、細かく設定することができるんですよ」

「デポジットでお預かりする金額は自由に設定できます。実際にキャンセルがあった場合、事前にご連絡があった場合は返金することができますし、NoShowの場合は全額徴収することができます」

このように、デポジット予約に対応する期間や、お預かりした金額をどのようにするかなど、細かく検討することが可能なので、お店とお客さまの関係性を考慮しながらご予約の提案をしていくことができます。

実際のウェブ予約画面

summer supperが公開していた実際のウェブ予約画面(お客さまが予約をする画面)がこちらです。

特定の日にちだけデポジットをお預かりする設定をされていました。

デポジット料金は、一人分9,000円。料理コースの料金の全額です(写真は2人分で予約する場合の例なので18,000円と表示されています)。

「料理の分だけ先にいただいて、当日は飲み物代だけをいただくようにしました。そのほうがわかりやすいし、やっぱり料理には相当なコストがかかってますから」

と、田中さんはいいます。

もちろん、仮に無断キャンセルになっても、料理の分の料金だけでも徴収できれば、食材はムダになってしまうかも知れませんが、営業上の損害は防げるというわけです。

お客さまのデポジットに対しての反応は?

summer supperがデポジット決済を設定していたのは、8月後半から9月の閉店までのおよそ20日間。その間に、12組28人のデポジット予約を受け付けたということです。

「デポジット予約にしてから、No Showはまったくありませんでしたよ」

と田中さん。吉野さんも、

「ドタキャンがなくなって、全員ちゃんと来られてましたね」

と口を揃えます。

事前にキャンセルの連絡が入るというケースはあったそうですが「デポジットのうち3,000円をキャンセル料としていただきました」とのことです。

こうしたデポジット予約を開始して、お客さまの反響はどうだったのでしょうか。事前に予約金が必要なレストランって、それほど多くないわけで。お客さまの側の抵抗感のようなものは感じられなかったでしょうか。

「それは全然なかったと思いますよ。むしろ『飲み物代を払うだけで済むから楽』っていうふうにおっしゃる方が多かったぐらいですね」(田中さん)

「デポジットをやっているということだけで好印象を持ってくださる方が多かったような気がしますね。ある人が、お店の感想をFacebookに投稿してたんですけど、それを見るとほんとに好意的なんですよね」(吉野さん)

Facebookにはこんな感想が投稿されていました。

今が旬な、クリエイティブな世代が繰り出す店のコンセプトやディレクションもクールで(中略)ウェブ予約でデポジット制にして昨今のドタキャン問題もサラリと解決しちゃったり、とにかく軽やかで柔軟なのが印象的。

いわゆる「ドタキャン問題」が世間を賑わしているなか、心ある消費者のみなさんには、飲食店の抱える苦悩が十分に伝わっているわけで。そのぶん、デポジット予約に対して好意的な人が多いと考えていいのかもしれません。

とはいえ、デポジット予約を実施している飲食店は、日本中を見渡しても、まだそれほど多くはないのが現状です。

「みんな使ったらいいと思いますよ。というか、なぜ使わないのかがよくわからない(笑)」(田中さん)

「ヨーロッパの飲食店では、ある意味でデポジット予約がスタンダードなんですよね。ほとんどのレストランが予約なしには入れないですから、自然にデポジット制が普及していったんじゃないかと思います」(吉野さん)

ということは、インバウンド対策としてもデポジット予約は効果があるといえそうです。

2020年の東京オリンピック開催に合わせて、日本の飲食店に外国人旅行者が押し寄せると予想されています。
そのとき、飲食店を予約する際に「デポジットがあるのが普通」な外国人旅行者のためにも、デポジット予約をはじめておくとよいのかも知れません。

「それに、キャンセル防止という意味でもデポジット予約をはじめておいたほうが安全ですよね。間違いなくドタキャンが減りますから。これはもう、絶対におすすめです」

と、田中さん。

期間限定レストラン・summer supperは好評のうちに幕を閉じましたが、今後もしまた同じようなレストランを開くとしたら「今度は、オープンのときからデポジット予約をはじめておきたいですね」ということでした。

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