社名 | 株式会社ジリオン |
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店舗レンジ | 11店舗〜50店舗 |
業種 | 居酒屋 |
導入サービス | トレタ予約管理システム |
- 課題
- 顧客情報管理を重視。お客様の認識(リコグニション)を大事にしている
- グルメサイトの従量課金が大きな負担に
- Googleの検索結果から直接予約できる「Googleで予約」に着目
- 効果
- トレタとGoogle マイビジネスを使って従量課金の比率を減少
- デジタルツールは予約管理だけでなく顧客管理に活用しないともったいない
- どこかが凹んでも、どこかでカバーするような事業のポートフォリオを目指す
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資料ダウンロード(無料)「大衆ビストロ ジル」「大衆ビストロ 煮ジル」「酒場シナトラ」「GONZO」「東京和食りくう」などを展開する株式会社ジリオンは、予約管理よりも顧客管理を重視し、顧客の認識(リコグニション)を社内で強化するため、デジタル化を積極的に進めてきたそうです。自分たちにフィットするツールを探し求め、他社ツールも利用してきた彼らがトレタを選んだ理由とは何か、これからどんな方向を目指すのかなどをお聞きしました。
トレタ予約台帳
「Googleで予約」活用で従量課金の比率を下げたかった
―ジリオン様は、トレタをお使いいただく前にも、予約管理、顧客管理ができる他のサービスをお使いでした。そちらを導入されたきっかけ、そして乗り換えられたきっかけは何だったのでしょうか。
吉田 最初にデジタルへの移行を検討したのは、個人事業主時代に3店舗目をオープンしたあたりです。
最初の目標は「デジタルの顧客台帳を作ること」でした。もともと、予約満席率は全店70%までというルールを設け、予約をせずに常連さんが来られる余白を残したウォークイン比率の高いお店を目指していたので、僕らのテーマは予約管理よりも顧客管理。その時にいらっしゃったお客様の認識(リコグニション)を大事にしていました。
○○さんはいつも1杯目にビールを飲むから「いつものでいいですか?」とビールを1秒でも早く最高の状態で出すとか、オーダーの特徴や○○さんと名前を呼ぶか呼ばないか、何が心地よく感じるか把握したうえで接客する—-それまで個々の能力や習慣で、メモ等でやっていたものを、会社全体で全員ができる環境を作る必要がある、というところから話が始まりました。
デジタル導入当初は他社サービスを使っていました。特に大きな不満があったわけではないです。それでも乗り換えたのは、誰もがスマホで調べてすぐ予約する時代になったことで、従量課金の負担が重くなってきたことがきっかけでした。
グルメサイトからの予約にかかる1送客あたりの従量課金は、店舗全体では月額70〜80万円にもなっていました。大きな金額が知らぬ間に徴収されていくのは看過できないなと……。予約ならジリオンのホームページからもできるのに、なかなかそちらに流入してもらえず、グルメサイトの従量課金比率は悩ましかったですね。
菅原 そんな時、「Googleで予約」という、Googleの検索結果から直接予約できる機能が登場してきました。
しかし「Googleで予約」は、予約システム側が「Googleで予約」のパートナーにならなくてはいけません。当時使っていた予約台帳のサービスもパートナーとなってほしかったのですが、残念ながら実現に至りませんでした。
そのような中、トレタが「Googleで予約」のパートナーになったと聞き、トレタに移行することになったんです。
もちろんトレタにも毎月使用料は払いますが、予約ごとの従量課金はありません。トレタに移行することでグルメサイトの従量課金の値段がぐんと下がりました。これまで従量課金による予約とそうでないウェブ予約の割合が9対1だったり10対0だったりしたものが、5対5になるだけで大きな違い。年間で400〜500万円のコスト削減になりました。
吉田 僕らは、予約・顧客管理のIT化にかかるお金は家賃などと同じ「固定費」と捉えているので、トレタの料金も「固定費」なんです。従量課金は「変動費」のほうで、減らせる支出という考え。変動費が減るとコストダウンになり利益率のアップにつながります。それが大きいですね。
トレタの目指す方向に深く共感していた
―それでも、他サービスから乗り換えて全店舗に導入となると大変なはずです。トレタに対する印象はどうでしたか?
吉田 トレタの中村社長は、もともと尊敬する大好きな先輩経営者の一人です。豚組のTwitter集客の話も知っていますし、僕は、トレタ主催のFOODIT TOKYO(飲食店におけるテクノロジーの最新動向やノウハウをシェアするカンファレンス)でも一度講演させていただいたことがあります。それもまだ他社サービスを利用していた時代に。その際に、中村社長が掲げている飲食業界に対する危機意識と、トレタという会社が何を大切にして、どこを目指しているのかについてお話を聞くことができ、深く共感を覚えました。
菅原 全店舗に導入して1年半になりますが、我々はもともと他社サービスを利用していたので、操作性の違いに最初ちょっと戸惑っただけで。ガラケーからスマホに移行する時ほどのストレスはなく、AndroidからiPhoneに移行するぐらいのものでしたね。
トレタは、操作自体も簡単なんですよ。席にレイアウトしたら顧客台帳が出る、電話番号が出て、「吉田裕司」「代表」「ジリオン」「○○が好き」と項目ごとに入れるだけ。たったひと手間です。このたった30秒のオペレーションがやれないわけがない。やらなきゃいけないという意識があるかないか、ですよね。
僕らは、トレタの操作はスタッフ全員ができるように、研修項目の割と早い段階に入れています。本来、見えないお客様を相手にする電話応対は、直接応対よりもレベルの高いものが要求されますから、ある一定の知識とオペレーション能力のある人間以外には任せらせません。でもスタッフ全員がそれを出来るに越したことはないですよね。実際には、電話を取る=予約を取るオペレーションになるので、電話応対と同時に行うことになるトレタのオペレーションも研修に組み込み、早い段階で覚えてもらうようにしています。
現状をチャンスと捉え、店舗拡大も積極的に
―コロナ禍にある今、今後の計画に変化は生じましたか?
吉田 今後は、店舗を拡大していくとともに、事業のポートフォリオを増やしていくべきだろうと思っています。どこかが凹んでも、どこかでカバーするような展開を。その一つとして、飲食という事業ドメインの中で専門店を出すことと、システムの会社を作ることを考えています。
「GONZO目黒店」で初めて薪窯のピザ職人を導入したぐらいで「大衆ビストロ ジル」をはじめ、食べ物とお酒の総合店はあっても「食の専門店」がありませんでした。うどん屋やラーメン屋のような、景気が悪くなって一人客しか動かない時でも、お客さんが安いお店に流れていく潮目でも、その受け皿をジリオンの中に持つイメージで「食の専門店」を考えています。
菅原 コロナ禍でテイクアウトやデリバリーがだいぶ浸透しましたが、ジリオンではゴーストレストラン事業が始まりました。出店費用もかからず、売り上げの足しにもなるので、うどん業態とか、別ブランドを作って準備をしています。そこのフランチャイザーを開発していく新事業も間もなくスタート予定です。
吉田 さらに、コロナ禍を経て「地域」のポートフォリオも持たなければいけないな、という意識も出て来ましたね。コロナ前は売り上げが一番取れるはずだった、新宿、渋谷、東京駅などの一等地立地の店舗が、一番売り上げの回復が遅くてダメージを受けました。反対に、ドミナントでやっている(特定地域内に集中して店舗展開して経営効率を高める)目黒エリアと住宅街の自由が丘の店舗は、売り上げの回復がめざましく、コロナ禍であっても昨年売り上げ比120%もあったり。僕らのまわりの先輩経営者方も、西東京とか東京23区外、住宅街でやっているところはコロナ禍でも苦しんでいませんでした。
今後もテレワークが続いたり、都心部に住まずに移住する方々が増えたりするなら、そこのマーケットを自分たちで持っておくことと、そして飲食店以外のポートフォリオを持つことも必要だな、と思っています。事業のポートフォリオと地域のポートフォリオ、事業のポートフォリオの中の飲食業と飲食以外の業態を組み合わせた会社というのがジリオンの未来像、セカンドステージになるのかなと。
―最後に、今後トレタに期待することは何かを教えていただけますでしょうか。
吉田 飲食業界に精通しているIT企業の社長として、現場の声や、現場の過去・未来などを一番わかっていらっしゃるのはトレタの中村社長だと思っているので、中村さんがこれからの飲食業界に必要なものをきっと作り出してくれるであろうと確信しています。
トレタの魅力は、マネージメントの個々能力の問題を解決しつつ、ITやデジタルでサポートしてくれること。それによって、より高い生産性が発揮できるようになることです。トレタという会社が開発するサービスによって、飲食業界の生産性がどんな風に上がるのか、働いている人間の価値が上がるのか、実に楽しみです!
今は苦しい時代ですが、僕らは逆に「チャンスしかない!」と思っています。これからも、存在理由・存在価値がないお店が淘汰されて、「価値」を提供していくお店が生き残っていくだけだと思います。そして、その価値は「価格価値」ではないんです。
僕らは、飲食業は感情労働産業だと思っています。あえて人が人にアクションすることによって「おいしい」か「すごくおいしい」かが変わってきます。感覚や感情にアプローチすることで対価を多く得られるようになれば、「ここじゃなきゃいけない理由」がうまれ、きっと選ばれる、生き残っていける、そう思っています。