社名 もつ鍋 一藤・いちたか(株式会社Willing hands)
店舗レンジ 1〜10店舗
業種 もつ鍋
導入サービス トレタ予約管理システム
課題
  • よりよい接客の実現
  • 無断キャンセルへの対応
効果
  • 予約台帳システム導入でグルメサイトの従量課金分のコスト削減に成功
  • 得られた顧客情報を活用してリピーターに一歩近づく挨拶が可能に
  • キャンセルプロテクションの導入で1日5〜10件発生していた無断キャンセルが9割減

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トレタがリリースした新サービスのひとつ、キャンセルプロテクション。顧客が予約時にクレジットカード情報を登録することで、キャンセル料を徴収できるウェブ予約システムです。

初期費用や月額費用は発生せず、キャンセル料を徴収する際の手数料のみで導入が可能です。

近年、飲食業界で問題視されている無断キャンセル(ノーショー)。それを抑止するべく開発されたサービスですが、実はトレタ代表の中村に「デポジット制度を導入してほしい」と直談判した飲食店様がいらっしゃいます。

それが今回ご紹介する株式会社Willing hands様です。福岡で運営されている人気もつ鍋店ですが、インバウンドが多い故に日常的に多発していたドタキャンや無断キャンセルに悩まされていました。

こうした無断キャンセルの発生を”仕方ない”で済ませてはならない!という思いはトレタに直接届き、キャンセルプロテクションのリリースへの後押しとなったのです。

今回はそのキャンセルプロテクションを活用して無断キャンセルを激減させたWilling hands様の成功事例を紹介します。また、Willing hands様が重要視されている接客力の向上に役立った予約台帳システムの活用事例も併せてお伝えします。

「100年続くもつ鍋」を目指す『一藤』『いちたか』

「一藤」は「100年続くもつ鍋」を目指すもつ鍋店で、2008年に福岡今泉にて創業。現在は福岡の繁華街を中心に3店舗で展開しており、ワンランク上の食空間が楽しめる「いちたか」も博多に出店している。

グルメの街でもある福岡で人気を集める一藤のもつ鍋は、黒毛和牛の柔らかなモツや九州産の甘味ある野菜など厳選の食材を使用。一番人気の味噌モツ鍋は、手作りでブレンドしたコクのある味噌と国産のにんにくおろしの相性が抜群で、高評価な口コミが並ぶ。

店内は上品な和の雰囲気が漂い、ラグジュアリー感のあるインテリアながら顧客単価は4〜5,000円程度で、ファミリー層からビジネスパーソンまで幅広い顧客層から高い支持を集めている。

最近では福岡という日本を代表する観光地という土地柄もあり、インバウンドのお客様もかなり増えてきていると現場責任者の甲斐さんは話してくれた。

そんな海外の人たちからも好評なもつ鍋を提供されている一藤だが、大きく2つの課題を抱えていた。

それが、「よりよい接客の実現」と「無断キャンセルへの対応」だ。

顧客情報を活用して、よりよい接客をめざしたい

「接客に関しては課題感というわけではないのですが・・・日々たくさんのお客様が来てくれていたので、さらによりよい接客を実現するためにできることをやっていきたいなという思いでした。その中で顧客情報は、何か活用できる部分があるのではと感じていました」

そう語るのは、一藤の創業から社長と共に歩んできた合谷さん。

一藤では「人類みなお客様」を理念とし、ホスピタリティ精神溢れる接客を大切にしている。実際にもつ鍋などの料理だけでなく「接客サービスがいい!」という高評価のレビューも多い。

「他人は他人であって他人ではない。通りすがりの他人が自身のお客様かもしれない。そんな事を考えると人は人に親切になれる。」

そんな大嶋社長の言葉が一藤の基本的な接客姿勢を表しているといえるだろう。

合谷さんたちが顧客情報に着目したきっかけは、コロナ禍で立ち上げた通販事業。通販サイトでは購入者の情報を取得することができるため「顧客情報があれば、よりよい接客に活かせるのでは?」と考えるようになったという。

元々、一藤ではグルメサイトの無料サービス(従量課金制)でもあったウェブ上の予約台帳システムを利用していた。

「なので、お金をかけて予約台帳システムを導入するという発想がそもそも無かったところからのスタートでした」(合谷さん)

それでも、よりよい接客を目指す気持ちを最優先に考え、予約台帳システムの本格導入へと舵を切ることになる。

今、予約台帳システムのサービスはトレタを含めて数多くある。一藤は複数のサービスにコンタクトを取り、デモ画面を実際に触るなど比較しながら検討を進めた。

「毎日忙しい営業の中で、カスタマイズ性の高さよりも、使いやすくて必要な情報がパッと出てくることが大切だと考えていました」(甲斐さん)

自分たちに最適な予約台帳システムを見つけるため、綿密に議論すること約1年。トレタの導入に至った。

トレタを選んだ理由は、「工数が少なくてシンプルで操作性が高かったこと」「各サービスの中間にあるようなバランス感」「同業の方々の意見も参考にしました」と合谷さんと甲斐さんは口をそろえて話してくれた。

予約台帳システムを導入して”一歩近づく接客”を実現

予約台帳システムの本格導入にあたっては、現場への負担が気になるところだが、実際にはどうだったのだろうか?

「教育の手間や現場への負担は、それほど大きくかかりませんでした」(甲斐さん)

無料のサービスとはいえ予約システムに触れていた経験もあって、導入はスムーズに進んだようだ。

さらに合谷さんは「まだ顧客情報を100%活かしきれているわけではないのですが・・・」と前置きしつつ「VIPマークを活用したり、画面に来店回数や来店時期、利用店舗が表示されるので、「いつもありがとうございます」と自然に言えるようになりましたね」と明るい表情で語ってくれた。

そんな自然な声がけには「えっ」と一瞬驚かれるお客様もいるという。リピートしてくれたことに対してのお礼の言葉は、ささやかなようで双方に笑顔を生み、壁を壊してくれるもの。飲食店だからこそ生み出すことができる温かな一コマだ。

また、コスト面でも良い影響が生まれた。それまでグルメサイトなど従量課金制による予約システムではたくさん集客するほどコストが発生していたが、トレタ経由での予約が2〜3割増え、その遷移できた分の集客コストが削減できていることになる。

こうして予約台帳システムの利用にはさまざまなメリットがあるものの、当然デメリットもある。そもそも一藤ではウェブの予約受付に関しては大きな課題を感じていた。

それが、近年業界全体でも問題視されているドタキャンや無断キャンセルの多さだ。

「キャンセル料が徴収できる仕組みを!」トレタ代表に直談判

一藤・いちたかでは、ドタキャン・無断キャンセルが各店舗で毎日5〜6件、多いときは1店舗だけで10件を超えるときもあった。

「あからさまにわかりきった理由でドタキャンされたり・・・無断キャンセルの場合でも、ご予約のお客様が来ないからといって他のお客様をご案内するわけにもいかないので」

40席程度の店内で5〜6組がキャンセルとなると大きな損害だ。

「飛行機や高級レストランならこんなことは起きないですよね。自分たちは4〜5000円程度のカジュアルな飲食店でお客様優位の立場にあることは理解しています。でも、そんな自分たちでも予約に対する意識を変えていきたい」

「そのためにも、キャンセル料が徴収できる予約システムが必要だと思っていました」

合谷さんは笑顔ながらも、芯のある口調で語ってくれた。

そんな熱い思いは言葉だけに留まらず、トレタ代表中村に対しての直談判というダイレクトな行動に繋がった。

「数年前にこうした制度はありませんでしたが、今は私も飲食店の予約をする際にキャンセル料が徴収されるようなシステムを見かけます。だんだん社会に馴染んできているのではと感じています」(合谷さん)

時代の潮流、そして飲食業界全体が抱える無断キャンセルへの問題意識の高まりも相まって、トレタはキャンセルプロテクションをリリース。そして一藤でも導入が決まった。

キャンセルプロテクションを導入し、無断キャンセル9割減を実現

無断キャンセルの多くはインバウンドのお客様だったため、まずはその流入が多かったGoogle ビジネス プロフィールの予約窓口に実装した。

「福岡は距離が近いせいか、韓国人のお客様が特に多いです。外国人のお客様は通年通して見ても、たくさん来ていただいてますね」(甲斐さん)

先にも記述した通り、一藤・いちたかでは4店舗合計で日々の営業で20〜40件のドタキャン・無断キャンセルが発生していた。

そんな状況が、キャンセルプロテクションによって大きく変わった。

「キャンセルプロテクション経由の予約だと、ほぼ来店してくれますね。無断キャンセルに関しては9割減りました」(甲斐さん)

無断キャンセルに対する抑止力は、クレジットカードの情報登録だけが要因ではない。

以前、Googleは簡易的な予約窓口として活用していたが、キャンセルプロテクションを導入して実装したことで、遷移画面の中でキャンセルポリシーを掲載できるようになった。

そこで、一藤でもしっかりと規定したキャンセルポリシーを明示。キャンセルへの意識を高めることができている。こうした店舗努力も今回の結果に繋がった要因だろう。

一方で、自社サイトの予約窓口にはまだキャンセルプロテクションを実装していない。今後についての展望を甲斐さんが語ってくれた。

「日本国内では、クレジットカード情報の入力にまだ抵抗を持つ人が多いのでは?と感じていました。でも最近はこうしたキャンセル料が徴収できる予約システムを利用している飲食店が増えてきていると思うし、お客様も抵抗感がなくなってきているように感じます」

「第一段階の検証は終わったので、それを踏まえて次のステップに進みたい」と自社サイトへの実装も視野に入ってきたという。

そして合谷さんもトレタに対する要望も含めて、熱い思いを述べてくれた。

「キャンセルプロテクションを利用している飲食店の方がまだ珍しいと感じるので、こうしたシステムを使うことが当たり前になってほしい。業界を上げて無断キャンセルを抑止していく雰囲気や流れを作ってほしいですね」

よりよい接客の実現とキャンセルプロテクション実装範囲の拡大へ

ウェブ上での予約はお客様にとって便利な分、キャンセルへの抵抗感が低くなってしまい、無断キャンセルやドタキャンが発生しやすくなる。インバウンドの多い店舗だとその数は多くなる傾向がある。

ただ、店舗は予約台帳システムを活用することで顧客情報を蓄積することができ、一藤・いちたかのようにお客様に一歩近づく言葉がけができるようになったり、ニーズに沿った料理やドリンクの提案などよりよい接客・サービスも実現可能になる。

無断キャンセルの発生率をキャンセルプロテクションのような仕組みで防げるようになれば、予約台帳システムもより活用しやすくなるだろう。

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