社名 | 株式会社倉式珈琲 |
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店舗レンジ | 51店舗以上 |
業種 | カフェ |
導入サービス | トレタスタンプ |
- 課題
- カフェのようなカジュアル業態では、来店いただくお客様を正確に分析することは難しかった
- 電子決済なども増え大きな財布を持ち歩く機会も減った今、紙のスタンプカードがお客さまの利便性を損ねている可能性
- スタンプカードの製作コスト
- 効果
- 2種類あった紙のスタンプカードをそのままトレタスタンプに移行!
- 新規登録者向けのデジタルクーポンで45%が再来店!
- 常連さんの真の属性が判明。顧客理解がデータで実現可能に!
デジタルスタンプカードについて、詳しく知りたい方はこちら
資料ダウンロード(無料)顧客の来店履歴を蓄積し、再来店促進にも活用できる「トレタスタンプ」。
インストール不要なブラウザ版スタンプのため、お客さま自身のスマホでQRコードを読み込むだけ。最短2ステップで会員登録ができ、紙のスタンプカードと同様に来店回数や飲食代などに応じて割引特典が提供できます。さらに、お客さまの会員情報や来店履歴が蓄積できるため、きめ細かい来店促進施策や販促活動をLINEやメールで行うことが可能に。
この記事は、その「トレタスタンプ」を利用して、顧客とのコミュニケーション施策の幅を広げ、客層の拡大に成功された、株式会社倉式珈琲さまの事例をご紹介します。
トレタスタンプ
お客様のこと、理解できていますか?
従来、カフェのようなカジュアル業態では、来店いただくお客様を正確に分析することは難しかった。会話や、卓上に置いたアンケートから情報を収拾する他に手段がなかったからだ。現在多くの業界で行われる、顧客分析に基づくマーケティング手法がなかなか展開しにくい業界だといえるだろう。
「どうすれば、もっとお客様のことを理解して、適切なサービスを展開できるだろう?」「どうしたら、そこから再来店の促進につなげられるだろう?」とお悩みの方も多いと思う。
しかしトレタスタンプを利用すれば、カジュアル業態でも、お客様のことを知ることができる。今回は、トレタスタンプを導入された倉式珈琲様の事例をご紹介しよう。
今回、お話をうかがったのは、株式会社倉式珈琲、企画本部WEB企画室の森本陽さんと、シエロ町田店店長の黒木昌弘さん。
企画本部WEB企画室の森本陽さん(右)と、シエロ町田店店長の黒木昌弘さん(左)
コーヒー好きにとって身近な憩いの場『倉式珈琲』
ご存知の方も多いと思うが、倉式珈琲店は、本社を岡山県岡山市に置く、サンマルクホールディングスの展開するカフェ。サンマルクホールディングスは、ベーカリーレストランサンマルクや、サンマルクカフェ、鎌倉パスタなどを経営する持ち株会社。
倉式珈琲店は、2014年に創業し、62店舗(2023年6月現在)を展開と、急成長しているカフェチェーンとして注目を浴びている。カフェチェーンとしてリーズナブルな価格を維持しつつ、こだわりの豆を挽き、サイフォンで淹れたコーヒーが魅力的。そのスタイルから、比較的年齢層の高いお客様が、ゆったりと時間を過ごしているのが印象的だ。今時のカフェチェーンでは、長時間ノートを開く学生さんや、ノートパソコンのキーボードを叩くオフィスワーカーを多く見かけるが、そういう姿より、落ち着いてコーヒーを楽しむ年齢層の方が多い印象を受ける。
シングルオリジンの挽き立てのコーヒーが飲める
それでいて、サイフォンで淹れた倉式ブレンドが490円。香り高いシングルオリジンがタンザニアAAキボー、エチオピアイルガチェフG-1、グァテマラSHBなど各種揃って520~590円と、価格帯的には非常にリーズナブルなのが嬉しい。
クオリティが高いのに、リーズナブルなのが人気の秘密
また、気に入ったコーヒーがあれば、豆を購入して帰れるのもいい。家で挽いて飲むという人も多いようだ。
まさに、コーヒー好きにとって『身近な憩いの場』だといえるだろう。
また、ホットサンドや、ハニーチーズトーストなど、お腹が減った時にコーヒーと合わせて頼んでも美味しいトースト類も充実している。
急速に店舗数を伸ばしているのもうなずける素敵なお店だ。
倉式珈琲店の特徴ともいえるスタンプカード
倉式珈琲店が急速に店舗数を伸ばした理由は、他にもある。それが、その特徴的なポイントカードだ。
スタンプカードには2種類あり、ひとつはドリンクを1杯飲むたびにスタンプを押してもらえるカード。スタンプが10個貯ると、440円相当のクーポンとして使用可能。毎朝飲みに行けば1週間半で貯る……と思える、具体的なメリットの大きさが特徴だ。
コーヒー豆を買うと、200gごとにスタンプが貯る
もうひとつはコーヒー豆スタンプカード。こちらは、コーヒー豆200g購入ごとにひとつスタンプがもらえて、5個貯ると珈琲豆、もしくはドリップパックが10%オフになる。5個で10%割引とは、あまりお得でないのでは? と思ったら、
「いっぱいになったスタンプカードを使うときには、2個でも、3個でも買っていただいていいんです」(森本さん)
とのこと。それは太っ腹だ……。だったら、スタンプカードを使う時には、ちょっと良い豆を多めに買い貯めしたくなる。もちろん、それは店にとっても嬉しいことだ。
豆は入れる直前に挽く。挽き立ての豆の香りが店内に漂う
ドリンクのスタンプカードは使わずにストックされている方もいるとのこと。毎回貯めたスタンプは、お店へのロイヤリティ(愛着)の証でもある。倉式珈琲店のファンが増えるのも納得の施策だ。
多くのファンを惹きつけた倉式珈琲のスタンプカード。デジタル化することで、このカードを持って歩く必要がなくなった
紙のカードか? デジタルか?
「しかし、時代の趨勢もあり紙のスタンプをデジタル化することになりました。電子決済なども増え、大きな財布を持ち歩く人が減りましたから、スタンプカードを持ち歩くのが煩わしいという意見もありました。そこでスマホを使ってデジタル化することになりました。」(森本さん)
岡山の本社にお勤めの森本さん
実は、スタンプカードの製作コストも問題だった。
ドリンクが10杯売れるごとに1枚……というだけではない。カードをお持ちにならなかった方にもスタンプを捺して1枚お渡しするし、スタンプの合算も受け付けていた。カードを持ち歩くのが面倒だからと、毎回新規のカードにスタンプを捺してもらって、そのカード10枚を持ってきて景品と交換ということも可能だった。カード1回のロットが数万円もかかっていたという。500円足らずの珈琲を売っているお店とっては大きな負担だ。カードをストックする場所もそれなりに課題だった。
そこで、トレタスタンプが導入されることになった。
デジタルスタンプの導入は、お客様の利便性の向上や紙代の削減が見込める。毎回使い捨てになる紙のスタンプという環境負荷を減らすことにも繋がる。さらにトレタスタンプでは複数のスタンプ帳を平行して発行できるため、2種類のスタンプ帳をそのままデジタルに移行することが可能だった。
最初に導入されたのは、東京都の国領店、赤羽店、埼玉県の川越店、兵庫県の尼崎店、そして岡山県の新倉敷の5店舗。2022年の10月のことだった。それぞれのお店は商業施設内や駅ビル内、ロードサイドなど立地も、顧客層も違い、さまざまな店でデータを取る狙いもあった。スタッフにもお客様にも好評だったので、2023年2月から全店舗で導入されることになった。
「『カードを持ち歩くのが面倒なので、デジタルスタンプの方が良い』と言って下さるお客様が多いですが、『紙の方が手軽』『紙のスタンプを貯めるのが楽しい』とおっしゃるお客様も一部いらっしゃいますので、紙での対応も当面続けていく予定です。」(黒木さん)
シエロ町田店店長の黒木さん
スタンプカードが一杯になった時に発行されるチケットはすでに2万枚が発行されており、そのうち1万枚が利用されている。デジタルであるがゆえに、まだ使われていないお客様にもリマインドができるため、今後も順調に消化されていくことが想定されている。
想定より、40~50歳代の女性が多かった
「トレタスタンプに移行して驚いたのは、お客様のことを正確に理解できるようになったことです。これまでは漠然としか理解できていなかった、お客様の来店時間の違いなどが明らかになりました」(森本さん)
トレタスタンプのトップ画面。アプリではなく、QRコード経由でブラウザを表示する仕組み
毎朝、早朝に来て、おそらくは出勤前のコーヒーを飲まれる方、朝食を食べられる方。ランチにいらっしゃる方。午後のひと時を過ごすためにいらっしゃる方。お友達と夕方にいらっしゃる方。これまで漠然としか分かっていなかったお客様のことが分かるようになった。
加えて、体感で想定されていたよりも40~50歳代の女性が多いことが分かった。この情報を利用して、特定のターゲット層に向けた戦略を立てることができる。すでに、40~50歳代の女性をターゲットにしたメニュー開発や、キャンペーンの検討も始まっている。
スタッフの方が淹れたてのコーヒーを運ぶと、良い香りが店内に漂う
近くのマンションから高齢の方がたくさんいらっしゃるお店もあれば、子育て世代の方がショッピングモールへの買い物ついでにいらっしゃるお店もある。そういったお店ごとの違いも明らかになった。
たとえば、従来コンビニなどではレジを打つ際に、来店者の年齢層、性別などを店員が判断して入力していた例もあった。しかし、それは不正確だし、見た目では年齢や性別が分からない場合もあるので、最近は廃止しているチェーンもあると聞く。対して、トレタスタンプはLINE側の属性情報や、個別で行った顧客アンケート結果などを反映し、かなり正確なデータを得ることができる。
このように、これまでカジュアル業態では来店者のことを知るのは難しかったが、トレタスタンプによってそれが可能になった。今や、ウェブサイトなどでは詳細な顧客データが取得され、それを活用することで、より顧客にフィットしたサービスを提供することが可能になっている。トレタスタンプにより、ようやくカジュアル業態でも、そういったことが可能になるのだ。
メニューと一緒に置いてあるシートのQRコードから、トレタスタンプにログインすることができる
クーポンで約45%が再来店
「トレタスタンプは絞り込んだお客様にLINEでメッセージをお送りすることができます。現在は毎週の新規登録者が1,500〜2,000名いらっしゃるのですが、再来店促進策として毎週新規登録者様に、ドリップバッグのプレゼントクーポンをお送りし、再来店の促進を図っています。来店履歴からの絞り込み配信はとても役に立っています」(森本さん)
このドリップバッグのクーポンはこれまで約1.5万枚発行され、約40%のお客様に利用いただいている。これはすなわち、40%以上の再来店を誘発していると言えるだろう。
会計時にQRコードを読み込むことで、スタンプを得ることができる
新規顧客をリピーターへと転換していくのは、ウェブでは当たり前のマーケティグ手法だが、それをカジュアル業態、カフェ業態で行うことができるメリットは大きい。新規顧客の獲得も大変だが、2度目、3度目の来店からリピーターになっていただくことはさらに大変で、店舗の経営は大きく改善されるものだ。
LINEの登録者数はすでに約4万5000人になっており、これは想定より非常に多いという。メールでの登録者は約5000人で、合わせると5万人のお客様にリーチすることが可能になっている。
デジタルスタンプなら、細かいクーポンの出し分けや、日本全国のいろんな店に行ってみるスタンプラリーを行ったりすることもできるかもしない。可能性は大きく広がる。
『デジタルが苦手』というお客様にどう向き合うか?
トレタスタンプはQRコードを読み込むことでスタンプが押されるようになっている。当然そういったアクションに不慣れな方もいるわけだが、そこは想定内だという。
「不慣れな方が手間取られる場合は、お客様とコミュニケーションするチャンスだと捉えています。実際、デジタルスタンプの導入により、常連客の方とのコミュニケーションが増えました」(黒木さん)
「私たちは会話を発生させたいと考えています。日ごろから、お客様にスッキリした元気な状態でお店を出ていただくことを目標としています。朝いらっしゃるお客様がお帰りの際には『いってらっしゃい』、夜いらっしゃるお客様には『お疲れ様』という気持ちで接しています。デジタルスタンプを読み取っている間に、そのようなコミュニケーションが増えています」(森本さん)
すぐにサービスできるように、多くのサイフォンが電熱器で温められている。
感謝とおもてなしの再来店施策
お客さまにとっても、スマホがあればスタンプを押せるので、カードを持ち歩く必要がなく便利だし、店頭でもQRコードを読み取るだけと操作も簡単。
店舗側にとっても、会話機会の創出が可能で、オペレーションの手間の増加も最低限。また、お客様の来店履歴に基づいて、LINE上でコミュニケーションが取れるようになったとのメリットも大きい。
倉式珈琲の成功理由のひとつでもあるスタンプカードの仕組みの上に、トレタスタンプを導入することで、お客様の来店動向の見える化と、それに基づくサービス向上、再来店促進が可能になった事例といえるだろう。