新型コロナウイルスの影響がいまだ収まらない状況が続いている中、一方でお店を存続すべく、できる限りコストをかけずに「お店の宣伝」「集客」「売上向上」をおこなうために、様々な取り組みを模索している飲食店様も多くいらっしゃるかと思います。
そうした中で、コストをかけずに運用できる方法の一つとして、SNSの活用で成果を出す飲食店様が見受けられるようになってきました。
今回は、飲食店が運用するにあたって成果が出しやすいとされる”InstagramとFacebook”に焦点をあて、飲食業界のSNS利用率やどのようなアカウントが成果に繋がりやすいのかなどを、実例と共にご紹介してきます。
集客アイデア10選
①SNS運用が成功している飲食店
SNSの運用が成功している、という定義を「フォロワー数が多い」「いいね数が多い」といった点に置き、実際の数字で見ていきます。
Instagramフォロワー数が多いアカウント(2020年11月時点)
※トレタ調べ、敬称略
Facebookフォロワー数が多いアカウント(2020年11月現在)
※トレタ調べ、敬称略
フォロワー数、いいね数が多いアカウントの特徴
フォロワー数やいいね数が多いアカウントには以下のような共通の傾向が見られることが分かりました。
- フォロワー数の多さに対し、いいね数は比例する傾向にある
- 週1回以上の更新が見られる
- 自社公式ページ、トレタかんたんウェブ予約など、予約に繋がるリンクを掲載している
- アカウント内のプロフィールに「どんなお店か」を記載している
- 画像素材はアカウントの色によって統一している(”映え”と呼ばれるもの等)※画像の色加工、画像の文字入れ、アングルなど
- 特に個店が運用するアカウントは、コメントへの返信などユーザーとのコミュニケーションを大切にしている
- ユーザー投稿への反応/利用(ユーザー投稿をリポスト、投稿にいいねなど)
まずはきちんとアカウント上で「お店のこと」を説明する文章を記載しましょう。所在地、営業時間、おすすめメニューなどを書いておくことで、検索に引っかかりやすくしたり、お客様にイメージしてもらいやすくしておきます。
プロフィールへのアカウントの説明や予約リンクを掲載している例
【鮨にしち 様】
加えて、継続的な更新はもちろんですが、その中でもお店の特色に合わせた画像の加工や写真の撮り方を工夫するなどし、”お店らしさ”を意識しながら運用することが重要になりそうです。
画像素材をアカウントの色やイメージによって統一している例
【SCHMATZ 様】
また、日々の業務で忙しい中で難しい部分ではありますが、お客様の投稿を見つけてシェアしたり、いただいたコメントに一言でも返信をするといった、お客様とのコミュニケーションもSNSのアカウントを運用するにあたって大切にしたいポイントの一つです。
さらに、実際に投稿されているお客様の声を拾ってシェア(リポスト等)することは、コミュニケーション面でのメリットだけでなく、お店側が発信する情報よりも親近感や信憑性が増し、お店への関心度が高まりやすくなるため、新しいお客様の呼び込みにつなげることが期待できます。
ユーザー投稿を積極的に拾っている(ユーザー投稿のリポスト)例
【Eggs ‘n Things 様】
②飲食店がSNSを運用するメリットとは
日本国内におけるSNSの利用ユーザーは右肩上がりで増加。SNSの利用ユーザーは7,975万人(普及率 80%)、2022年末に8,241万人へ拡大する見込みで、利用者は1ヶ月平均で約16万人の増加を続けています。
※株式会社ICT総研(東京都千代田区)調査データ参照
また、10・20代は、グルメ情報やファッション情報をInstagramの”ハッシュタグ検索”を利用して探すことが主になり、Google 検索よりもハッシュタグ検索の方が利用率が高いとの結果もあります。
“映え”という言葉もあるように、画像や動画でどれだけ表現できるかというのもSNSの使い方の1つです。
このように、SNSを利用することが”当たり前”となってきている今、情報の多くはSNSから得られていると考えられます。
以上のことを踏まえ、飲食店がSNSを運用するメリットは下記の3点が挙げられます。
- SNS利用者増加に伴い、より多くのお客様にお店の情報を届けることができる
- 画像や動画で料理の美味しさや美しさ、店内の様子をリアルタイムに近い鮮度で伝えられる
- 投稿から想像が膨らみやすく「食べてみたい」「行ってみたい」に直接繋げるきっかけをつくることができる
③飲食店のSNS利用傾向
では、実際に飲食店が利用しているSNSはどういったものが多いのか、またどのような成果があがっているのか、更新頻度はどのくらいなのか、という点をグラフで見ていきます。(※トレタ調べ)
SNS利用店舗率(上から、Instagram、Facebook、Twitter)
飲食店ではInstagramとFacebookの利用率が6割を超え、高いことがわかります。Twitterの利用率は3割を切っており、かなり利用率は低い傾向が見られます。
Instagramに関しては、画像や動画を投稿するSNSであるため、それぞれの飲食店が”美味しさ”や”お洒落さ”などお店の個性をそのまま表現できることも要因の1つとして考えられます。
また、Facebookは各投稿に予約導線をリンクとして掲載できるので、画像とリンクを合わせて投稿することで、直接予約へ繋げられることも大きいでしょう。逆にTwitterはテキスト文化が大きくあり、かつ文字数制限もあるため、運用の優先順位を下げている飲食店が多いのかもしれません。
フォロワー数といいね数の分布について
<フォロワー数/いいね数>
Instagram
どのSNSもフォロワー数は0〜999が8割前後と大多数を占め、いいね数は50以下が過半数を占める結果となりました。Twitterに関してはいいね数0が過半数を超しています。
Facebookと比較するとInstagramはいいね数が比較的つきやすいことがわかります。これは、Facebookのフィードを最新順ではなくランダム表示にしているユーザーが多く投稿が届きにくいことや、Instagramであれば投稿に対していいねしやすい文化も影響していると考えられます。
Twitterのフォロワー数、いいね数がほかSNSと比較して少ないのは”アカウントを開設したが運用していない”ものや”グルメメディアと連携していて、グルメアカウントの更新情報だけ掲載される”ものも含まれることが原因となっています。
上記を踏まえると、各SNSの数値からInstagramが最も効果を出しやすい可能性のあるSNSであると考えられます。
更新頻度について
Instagramは週1以上更新しているアカウントが半数を占めています。
Facebookは月1以上の更新が6割。月1以下または更新していないアカウントは4割程と多い結果となっています。Twitterに関しては月1以下または更新停止しているアカウントが半数程度でした。
週1以上更新しているアカウントがFacebookが30%程度なのに対しInstagramは50%程度にのぼっており、また月1以下または更新停止しているアカウントがFacebookのほうが15%多いことから、FacebookとInstagramで比較すると、Instagramの方が力を入れて運用しているアカウントが多いことが伺えます。
予約導線について
※あり(toreta)について
トレタのウェブ予約機能「トレタかんたんウェブ予約」への導線を指します。
どのSNSも自社公式HPのリンクを掲載しているアカウントが多い結果となっています。その中で、10〜15%程度のアカウントに予約に繋がる導線が無いことがわかりました。
予約に繋がる導線を一つは掲載しておくとユーザーに対して親切でもあり、来店促進にも繋がります。
素材(写真など)について
※加工あり・高品質は、「色補正(色の統一感を出す等)」「構図(投稿写真の統一感をだす等)」「背景ぼかし(写真の雰囲気を統一する等)」などを指す(Instagram/Facebook/Twitter共通)
どのSNSも加工等をあまりせず、撮影したままの状態で写真を投稿するアカウントが多く目立ちます。Twitterに関してはテキスト文化というのもあり、テキストのみで素材なしのアカウントが大多数を占めています。
無料で始められるSNS、まずはすぐにできることからはじめましょう!
改めて飲食店がどのようにSNSを活用していくべきか、についてまとめます。
- 画像文化のあるInstagram、投稿に予約動線につながるリンクも貼れるFacebookが飲食店のSNS運用に向いている
- アカウント内に予約につながるリンクや公式ページへのリンクを貼ること、店舗情報を記載することが重要
- 週1回以上の定期的な投稿することが大切
- 画像素材の見せ方を定めて、アカウント全体で来店意欲をもたせる
あれもこれも同時に改善するというのは日々の業務が忙しい中ではなかなか難しいかもしれません。まずは、”どこにある何のお店か”などの「アカウントの説明の記載」をすることや、その上で”お店の予約につながる”ような「URLの掲載」などの整備を始めていくことからスタートしてみましょう!
SNSの運用に成功しているアカウントを参考にしつつ、アカウントの開設やすでに運用をされている方は、今一度運用方法を改善してみてはいかがでしょうか。
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