リピーターは事業を継続していくために重要な存在です。
新規顧客の集客に成功してもリピートに繋がらなければ新たに集客し続けなければならず、コストと労力が膨大に発生します。
リピーターがいることで安定した経営が見込めるようになるのです。
今回は、リピーターを獲得するために効果的な10のアイディアを紹介します。また、なぜリピーターが重要なのか、施策に取り組む前に注意したいポイントなどもまとめて解説します。
事例も紹介!リピートにつながるデジタルスタンプ
- LINE公式アカウントの友だちづくりを自動化したい
- リピーターを増やして売上を安定させたい
- お客様に合わせた配信を簡単におこないたい
もしもこのようなお悩みがあるのであれば、LINEと連携できるアプリ登録不要のトレタスタンプを検討してみませんか。低コストでお客さまの来店データを活用し再来店促進に繋げます。
そもそもリピーターとは?
リピーターとは、商品の購入やサービスの利用を2回以上に渡っておこなってくれる顧客をいいます。利用回数が多くなると「常連客」「お得意様」として認識されます。
初めて利用する顧客は、新規顧客と呼ばれます。誰もが最初は新規顧客ですが、商品やサービスを通して価値を提供し、気に入ってもらうことでリピートに繋がります。
なぜこのリピーターの存在がビジネスにおいて重要と考えられているのでしょうか?
リピーターが重要な4つの理由
リピーターが重要と考えられている理由は主に下記の4つが挙げられます。
- 安定した売上を確保できる
- 集客コストが抑えられる
- 外的要因に左右されにくい
- 新規顧客を紹介してくれる
それぞれ解説します。
安定した売上を確保できる
新規顧客の売上は1回限りで終わってしまう可能性がありますが、リピーターの場合は継続的な売上に繋がります。
新規顧客ばかりだと顧客によって単価が上下したり、来店のタイミングにばらつきがでたりと売上の波が激しくなりがちです。
リピーターの多くは定期的に来店してくれるため、売上の安定性を保つことができます。
集客コストが抑えられる
マーケティング用語で「1:5の法則」という言葉があります。これは新規顧客はリピーターよりも5倍の集客コストが発生するという法則です。
新規顧客の集客方法を考えるとき、ターゲットとして「非認知層」が最も多い顧客層となります。非認知層はその商品やサービスを知らない層をいいます。まずは認知してもらうために広告を利用したり、積極的な情報発信を行うなど、コストと労力が多大に発生します。
逆にリピーターであれば、SNS上や獲得した連絡先で直接アプローチできたり、新商品などのお知らせをするだけで来店に繋がる可能性は高まります。リピーターはそもそもの来店動機が高く、少ない労力とコストで集客に繋げることができます。
外的要因に左右されにくい
リピーターは外的な要因にあまり影響されずに行動を起こします。
例えば、2020年以降に陥ったコロナ禍では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって外食の機会を制限されました。この状況下で、新規顧客が「新しいお店探しをしよう!」とはならないでしょう。しかし、リピーターは違います。
下記の図は、予約/顧客台帳「トレタ」導入の全国約10,000店舗における、2021年1月〜2022年3月の来店数のデータを、2019年(コロナ以前)の同じ週と比較した来店回数別のグラフです。横軸は日時、縦軸は2019年と比較して何%達成したかを表しています。
たとえば2022年の1月なら来店数が3回以上の顧客は約133%、2回目は約88%、1回目は約81%です。
(トレタ調べ)
コロナ禍では新規顧客が行動を抑制し、3回以上の来店履歴があるリピーターが飲食店の経営を支えていたことが分かります。
新規顧客は環境の変化に応じて行動変容が激しいのに対して、リピーターは定期的に安定して利用してくれる存在なのです。
新規顧客を紹介してくれる
リピーターは気に入った商品や店舗を友人などにSNSや口コミを通して拡散してくれます。時には知人や友人、会社の接待などで一緒に新規顧客と来店してくれることもあるでしょう。結果的に事業者側はコストをかけることなく新規顧客を獲得することができます。
リピーターからの紹介で集客できる新規顧客は、初めからその商品や店舗に抵抗感が低く、ポジティブな印象を持ってくれているため、リピーターになってくれる可能性も高いでしょう。
以上の4つがリピーターが重要な理由です。では、次になぜ新規顧客がリピートしないのか、その原因を考えていきましょう。
顧客がリピートしない6つの原因と対策
トレタが飲食業界を対象に「お店に行かなくなった理由」を調査した結果、「顧客自身の都合」「店舗側に何かしらの原因あり」と回答した人が約半々存在していました。
(トレタ調べ)
具体的にどのような理由なのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
お客様の都合
「自分の都合で行かなくなった」と回答した顧客の具体的な理由は下記の通りです。
(トレタ調べ)
以上の結果をまとめると、この3つがポイントとなります。
- 環境の変化
- 競合との競争
- 嗜好の変化
お店側の問題
次に、「店舗側に問題があって行かなくなった」と回答した内容を具体的に見てみましょう。
(トレタ調べ)
上記の結果からわかる主な原因をまとめると、この3点に集約できます。
- 料理
- 接客
- 価格
「料理」「接客」「価格」は飲食店の経営においては最も基本的な柱といえます。リピーターを獲得していくにあたってもこの3点について無視することはできないでしょう。
お客さま側の問題と合わせると、顧客がリピートしない理由としては下記のようにまとめることができます。
▼顧客がリピートしない理由
- 顧客に環境の変化があった
- 魅力的な競合店舗やサービスと出会った
- 顧客の嗜好が変わった
- 料理の味が変わった
- 接客が変わった
- 価格が見合わない
これらをテーマとして対策を考えることで、リピーターの獲得に繋げることができます。
リピートしない理由から考えられる対策とは?
事業者側にとって、環境の変化はどうにも対応できないかもしれませんが、その他の5つの原因についてそれぞれ対策を考えてみましょう。
競合に流れてしまった
競合に流れてしまう場合、競合他社の情報収集を踏まえてコンセプトや自社サービスの内容・価格の見直しなどが必要です。
顧客の嗜好が変わった
嗜好の変化に対しては、幅広い年齢層のニーズに対応できるようなメニューのラインアップを考えることでカバーできます。
料理の味が変わった
料理のクオリティを保つためには、全てレシピ化をして厨房内で共有し、定期的に試作会を行って味見するなどの対応が考えられます。メニューを変更したときなど、ホールスタッフに顧客の反応を見てもらうなどの連携も必要です。
接客が変わった
接客は、業務内容はもちろん、心地よい明るい雰囲気を作れているかどうか、ホスピタリティが欠けていないかのチェックをしましょう。定期的に責任者が評価するのもよいですが、朝礼や終礼で営業内で気づいた点をスタッフ間で共有するのも有効です。スタッフの退職や異動は対応しきれないかもしれませんが、全体の能力を下げないためにマニュアルを導入するのもひとつの手段です。
価格が見合わない
価格の変化にも注意しなければなりません。特に値上げする場合は、根拠をしっかりと示すこと。最近では食材や水光熱の価格が高騰しており、原価率が利益を圧迫するところも少なくないでしょう。事業継続のために必要な値上げであることを伝えれば、多くの方が納得してくれるはずです。
以上、飲食店を例にして顧客の本音からリピートしない理由を見てきましたが、どの業界にも置き換えて考えることができます。
基本的に面と向かって本音を言う顧客は多くありません。以上の5点に注意しながら常に顧客の反応に注意し、高い満足度を感じてもらえるために努力していくことが重要です。
リピーター獲得に特に重要な接客力
接客レベルを推し量るポイントは「対応の良さ」「お得かつ特別感のあるサービス」「お店の清潔感」の3点が重要です。反対に、好まれない接客方法は「対応の悪い接客」「オペレーションのミス・不備」の2点に集約されます。
今一度、自身のお店が上記のポイントに当てはまっていないかを確認したうえで、リピーターへの態度を見直してみましょう。
詳しくは関連記事「飲食店の接客|オペレーションの改善で売上を作れる秘訣とは」をご覧ください。
リピーター獲得を目指す前に注意すべき3つのこと
さて、リピーターを獲得するための具体的なアイディアを紹介する前に、注意したい点が3つあります。
- 新規とリピータの施策は別で考える
- リピーターに慣れすぎない接客
- 顧客は”忘れる”ことを認識しておく
それぞれ解説します。
新規とリピーターの施策は別で考える
新規顧客とリピーターの集客施策はそれぞれ別で考えた方が効果的です。
例えば、新規顧客に対してスタンプカードを訴求してもあまり魅力的に思われず、来店動機にはほぼ繋がりません。新規顧客であれば「初めてご利用の方は1000円引き」「新規特典あり」といった施策の方が集客に結びつきます。
逆にこれらはリピーターには全く響きません。来店する度に溜まっていくスタンプカードの方が効果的です。このように、集客の施策は新規顧客とリピーターは分けて考えることが大切です。
リピーターに慣れすぎない接客
リピーターの獲得を重要視しすぎてしまうと、常連客へのサービスに注力しすぎてしまうこともあります。そうすると新規顧客は不公平感を感じるなど距離感が生まれ、離れていきます。一定レベルのクオリティとサービスを顧客全員に提供していくことを心がけましょう。
顧客は”忘れる”ことを認識しておく
どれだけいい商品やサービスを提供しても選ばれないことはあります。要因はさまざまで、例えば顧客にとって選択肢は膨大にあることや、ただ忘れてしまう場合もあるでしょう。そのため、リピーターを獲得するためには、思い出してもらうための施策も効果的です。
リピーター獲得のアイディア10選
では最後にリピーターを獲得するために効果的なアイディアを10個紹介します。今までの話を踏まえた上で実践してみてください。
①特別感を演出する
リピーターに対して、特別感が感じられる商品やサービスを提供します。例えば前回の利用履歴を踏まえた上でよりよい商品の提案をすれば、「覚えてくれてる!」「前よりいい商品!」と顧客満足度の向上に繋がり、再び利用してくれる可能性が高まります。
特別感の演出は、氏名で呼ぶ、メニューには表記していない裏メニューを提案する、優先的にイベントの案内をするなどさまざまな方法が考えられます。
②新商品・新メニューを開発する
新商品や新メニューの開発は、以前来店した顧客が来店する動機に繋がります。
季節の変わり目、こどもの日やクリスマスなどイベントに見合った商品開発は行いやすく、情報発信もしやすいでしょう。顧客にとっても楽しみやすく、来店動機が高まります。
③ファンを作る接客力を身につける
3章の統計でも見てきた通り、接客は来店動機を左右する大きな要因です。そのため、顧客がファンになるような接客力を磨くこともリピーター獲得には有効です。
④定期的にSNSで情報を発信する
SNSで情報を発信する目的は、店舗の魅力を伝えることだけでなく、顧客の目に入ることで思い出してもらえる効果もあります。
先にもお伝えした通り、顧客はどんなにいい店舗や商品だとしても、月日がたてば忘れるものです。SNSを更新することで露出度が高まるため、顧客の目に入って思い出してもらえる可能性が高まります。また、コメントやメッセージなどで双方向のコミュニケーションもできるので、来店していなくても距離感を縮めることができ、結果的に来店や商品購入への動機を高めることができます。
⑤メールマガジンやDMを送る
以前利用してくれたことのある顧客にメールマガジンを発行したり、DMを送ると来店動機を高めることができます。
メールマガジンは商品・店舗の紹介だけでは営業感が強くなりあまり読まれなくなります。時事ネタを絡めたコラムや雑談なども交えるなど楽しく読んでもらう工夫が必要です。
DMはWEBで送る方法とチラシなど紙で送る方法があります。どちらも商品やイベントの告知や紹介が主な目的ですが、SNSと同様、思い出してもらうためにも有効的な手段です。ただ、あまり送りすぎると営業感が強く感じられてしまうため、頻度には注意しましょう。
⑥コミュニティ作り
顧客を集めてコミュニティを作るのもリピーター獲得には効果的です。
コミュニティとは、商品や店舗自体を気に入ってくれた方が集う場所。SNSなどを活用してグループを作成し、そこに登録してもらうことで顧客と繋がることができます。顧客同士の繋がりも広がるため、イベントを開催したときの集客や新商品の発表などで反響を得やすくなります。
⑦利用者の意見を参考にする
これまでの利用者に対して商品や店舗の感想を聞いてみることで現状の問題点や課題が明確になります。リピーター獲得のアイディアとしては直接的な効果は見込めませんが、戦略や施策を考える上では重要な情報となります。
利用後にアンケートを取ったり、SNSや専用のアンケートフォームなどウェブ上で意見を募れば意見を収集できます。
⑧スタンプ・ポイントカードを作る
スタンプカードやポイントカードはリピーターを獲得するための代表的な施策のひとつです。
顧客はスタンプやポイントを来店の度に貯めていくことで特典の商品がもらえたり割引が受けられるため、来店の動機に繋がります。ただ作るだけではなく、「欲しい!」と思ってもらえるような特典を考えることが大切です。
また、最近ではスタンプカードやポイントカードもデジタル化が進んでいます。顧客にとっても利便性が高まりますので検討してみるとよいでしょう。より詳しく知りたい方は「飲食店のスタンプカード | 紙・デジタルの選び方や活用のコツを紹介」を併せてご覧ください。
⑨広告を活用する(リターゲティング)
広告を活用するのもひとつの方法です。リピーター獲得に適した広告としては、リターゲティング広告が挙げられます。
リターゲティング広告とは、ECサイトなどで訪問してくれた人の画面上に再び自社の商品や広告が表示されるように設置する広告です。
元々リピーターはCV率が高いため、インターネット上で再び目に留まれば利用してくれる確率は高いといえます。
⑩魅力的な商品・サービス作り
リピーターを獲得するためには、顧客が魅力を感じる商品やサービスを提供すること。当たり前のようですが最も基本的かつ重要なことと言えます。
これまで解説してきたリピーター獲得のアイディアをどれだけ熱心に実践しようとも、この点が欠けていればリピートしてくれません。まずは顧客に満足してもらうための商品・サービス作りに徹底しましょう。
まとめ
今回はリピーターの獲得方法について解説しました。最後にポイントをまとめます。
第1章 そもそもリピーターとは?
・商品の購入やサービスの利用を2回以上に渡って行ってくれる顧客をリピーターという
第2章 リピーターが重要な4つの理由
- 安定した売上を確保できる
- 集客コストが抑えられる
- 外的要因に左右されにくい
- 新規顧客を紹介してくれる
第3章 リピートしない顧客の本音
・顧客がリピートしない理由は下記の通り
- 顧客に環境の変化
- 競合の存在
- 顧客の嗜好の変化
- 料理の質が悪化・変化
- 接客の質が悪化・変化
- 価格が見合わない
第4章 リピーター獲得に取り組む前に注意すべき3つのこと
- 新規とリピータの施策は別で考える
- リピーターに慣れすぎない接客
- 顧客は”忘れる”ことを認識しておく
第5章 リピーター獲得のアイディア10選
- 特別感を演出する
- 新商品・新メニューを開発する
- ファンを作る接客力を身につける
- 定期的にSNSで情報を発信する
- メールマガジンやDMを送る
- コミュニティ作り
- 利用者の意見を参考にする
- スタンプ・ポイントカードを作る
- 広告を活用する(リターゲティング)
- 魅力的な商品・サービス作り
リピーターを獲得していくためには、よりよい商品・店舗作りを実現していかなければなりません。何度も利用してもらうためには何が必要なのか?リピーター獲得というテーマへ挑むことで組織の成長にも繋がります。積極的に取り組んでいきましょう!