売上アップは事業者であれば誰もが頭を悩ませる課題のひとつではないでしょうか。
売上は事業を継続していくために最低限必要なものです。しかし、簡単にアップできるものではなく、売上を獲得していくためにさまざまなアイディアを実践し、成功や失敗を繰り返すというのが現実です。
確実に売上アップできる方法というのはありません。だからこそ、さまざまなアイディアを実践していくことが大切です。
今回は、売上アップのために効果的な14のアイデアを紹介します。また、売上に関する基礎知識や注意点、成功事例なども紹介いたします。売上アップにお悩みの方はぜひご参考ください。
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売上アップの集客アイデア集
お店の売上に大きく影響する”集客”は、やみくもにおこなってもコストや時間だけがかかり、期待する効果を得ることが難しい場合があります。
集客で大切なことは「ターゲット顧客を明確にすること」です。
今回は飲食店のオーナー監修の元、売上につながる効果的な集客方法をまとめた資料を用意しました。集客がいまいちうまくいかない、もっと効果を発揮したい、という方はぜひ読んでみてください。
そもそも売上とは?
売上は商品やサービスなどの販売によって得られる対価です。例えば洋服屋であれば洋服を販売して売上をあげ、飲食店であれば料理やドリンクを販売して売上を得ます。
一般的に売上とは以下の3つの要素が大きく関わると言われています。
- 顧客数
- 成約率
- 顧客単価
それぞれ解説します。
顧客数
顧客数とは、その名の通り来店した顧客の数です。ECサイトなどインターネットのウェブサイトではサイトに訪問してくれた数をいいます。
極端な話ですが、集客数がゼロであれば売上はゼロです。まずは、いかに集客していくかが売上を上げる上で第一歩となります。
成約率
成約率とは、顧客数に対して購入が成立した件数の割合です。
例えば小売店や書店では、顧客が来店したとしても商品を必ず購入してくれるとは限りません。来店した顧客にいかに購入してもらえるかで売上は大きく変わります。つまり、成約率が高い=売上が得やすい状態であるといえます。
成約率の高い業態としては、飲食店が挙げられます。飲食店の場合、来店した顧客が何も飲食をせずに帰るというケースは稀です。成約率をあまり気にしなくてよい珍しい業態のひとつです。
顧客単価
顧客単価とは、1人の顧客が商品をいくら購入しているのかを表す数値です。
顧客単価の算出方法は「売上÷顧客数」で計算することができます。顧客単価が高ければ少ない顧客数でも売上は上がり、顧客単価が低ければ、ある程度の集客がなければ売上が上がりません。顧客単価を上げていければ、少ない顧客数で効率的に売上をアップすることができます。
3つの要素に対してどこに注力すればよいか?
これら3つの要素は売上に大きく関わっていますが、自分たちにとってどの要素を上げていくべきか見極めることが大切です。全てアップしようとするのは逆に失敗してしまう可能性が高まり、得策ではありません。
どの要素を選ぶべきかは、店舗によって異なります。例えば成約率が高いのなら顧客数か顧客単価に着目すべきですし、顧客数が多いなら成約率や顧客単価を上げていくための対策をすれば売上アップに繋がります。
これは店舗のコンセプトや特徴にもよるでしょう。例えば高価格の商品を扱っている店舗であれば成約率や顧客単価を、商品価格が安く顧客単価に限界がある業態なら顧客数や成約率を高める、といった考え方ができます。
同じ売上100万円だとしても以下のようにさまざまな形があります。適切な要素を選ぶことで売上アップの方法が考えやすくなります。
▼3要素の選び方の例
例)売上目標100万円
=顧客数100人×成約率50%×顧客単価2万円→成約率アップを考える
=顧客数50人×成約率100%×顧客単価2万円→顧客数アップを考える
=顧客数200人×成約率50%×顧客単価1万円→成約率または単価アップを考える
まずここから!売上アップのために確認すべき3つのこと
売上をアップしたいとき、すぐ具体的なアイデアに取り組みがちですが、着実に成功するためにはまず確認しておきたいことがあります。それは、以下の3点です。
- 現状を把握する
- 市場や競合をリサーチする
- ブランディングやマーケティングを学ぶ
それぞれ解説します。
自分たちの現状を把握する
まずは自分たちの現状がどのような状況なのかを把握しておくことが重要です。
具体的には、前章で解説した3要素はもちろん、売上や営業利益、顧客の属性、人気商品、これまで行ってきた集客の施策などをまとめます。データをまとめることで課題が見え、どのような対策をしていけばいいかが明確になります。
従業員の離職率や平均勤続年数、配置状況なども把握しておくと、従業員の満足度向上を考える上で役立ちます。売上アップについて考えていると顧客満足度に意識が向きがちですが、従業員の満足度も売上に大きな影響を与える要素です。
市場や競合をリサーチする
次に、改めて市場や競合について調査しましょう。自分たちの携わっている業界の市場規模や現在の経済状況、地域の人気商品・人気店舗などを把握しておくことでニーズに沿った販売戦略を立てることができます。
情報はインターネットを活用しながら、実際に同エリア内の競合を見て回るのもよいでしょう。PEST分析やSWOT分析などさまざまなフレームワークを活用すると情報を整理しやすくなります。
ブランディングやマーケティングなどを学ぶ
ブランディングやマーケティングを学ぶと、売上アップの戦略を考えるための思考力を養うことができます。
ブランディングとは、自社ブランドの価値を磨き育てていく活動全般をいいます。ブランディングを理解することで、自社の魅力を再認識することができ、他社との差別化を図るために何が大切なのか、提供できる価値はどのようなことなのか、といった視点を持てるようになります。結果的にブランド力の向上が実現すれば、自ずと売上アップにも繋がるでしょう。
一方マーケティングとは、商品を販売するための仕組みを構築していく活動全般をいいます。よい商品を開発するためには顧客のニーズを把握しなければなりません。また、良い商品を開発できたとしてもそれを知ってもらわなければ売上は上がりません。マーケティングを学ぶことで販売するための全体的な流れをイメージできるようになり、売上アップに何が必要なのかを今までよりも深い視点で考えられるようになります。
こうしたビジネススキルを磨いていくことも売上アップを実現していくためには大切です。
売上アップに必要な6つのアプローチ
売上をアップするためには、さまざまな側面からのアプローチが可能です。具体的にどのような側面からのアプローチできるのか、以下の6つに分けて解説します。
- 新規顧客を獲得する
- リピーターを増やす
- 顧客単価を上げる
- 価格を再設定する
- 販売チャネルを増やす
- 店舗の魅力を伝える
新規顧客を獲得する
売上アップを実現するために多くの人がまず考えるのは、新規顧客の獲得ではないでしょうか?新規顧客は、ターゲット層として最も数が多くアプローチしやすい顧客層といえます。
ただ、新規顧客といっても、商品や店舗を認知してくれている層なのか、全く知らない層なのかで施策は変わります。新規顧客の中でどのような層にアプローチしていくのかを見極めることで、タイプやニーズに沿った施策に取り組めるようになります。
顧客層についてより詳しく知りたい方は「効果的な集客方法23選!ターゲットや失敗しないポイントも解説」も併せてご覧ください。
リピーターを増やす
リピーターは売上を安定・向上するために重要な顧客層です。新規顧客の集客に成功したとしてもリピーターに繋がらなければ常に新規顧客を集客していかなければなりません。
リピーターは既に店舗の魅力を体感しているため、新規顧客よりも来店動機を高めやすく、効率的に集客できます。また、集客コストも抑えることができます。
リピーターを増やすためには、新規顧客からリピーター化するための施策と何度も来店してくれているリピーターの満足度を向上する施策のそれぞれを考えて実践することが大切です。
顧客単価を上げる
1章でもお伝えしましたが、顧客単価を上げることができれば売上の大幅アップが期待できます。
まずは目標となる顧客単価の額を定めましょう。
理想的な顧客単価の設定は、店舗のコンセプトや商品の販売価格などによっても変わります。例えば低価格帯のレストランが高い顧客単価をめざすのは現実的ではありません。その場合はコンセプト自体を見つめ直す必要があります。
顧客単価を今より上げるためには、メインとなる商品と一緒に追加で注文したくなるようなメニューをラインナップに入れたり、顧客のニーズに合った提案をするなど満足度を上げる方法などがあります。
価格を再設定する
価格を上げれば売上はアップします。ただ、適切な価格設定をしなければ顧客に不満を与えたり、利益を圧迫してしまう場合もあります。
適切な価格設定とはどういうことでしょうか。例えば飲食店であれば、高級食材を仕入れているのに商品価格を低価格に設定してしまうと利益が少なくなり、多くの顧客を集客しなければ売上が上がらないという状態に陥ります。価格は食材の仕入れ値や人件費などかかっているコストに見合った設定にしなければなりません。
為替や経済状況によっても仕入れ値や原価は変動します。商品作りにかかっているコストを一度振り返り、適切な価格設定を改めて行ってみましょう。
販売チャネルを増やす
売上アップのためには新しい販売チャネルを追加するのも有効です。イートインの飲食店であれば、テイクアウトやデリバリー、調味料や食器のECサイトの立ち上げなどが考えられます。
新しい販売チャネルを立ち上げれば、そこから新たな売上が生まれます。当然、経費や人員などコストや労力も併せて発生しますので、それぞれを天秤にかけながら判断する必要があります。
店舗や商品の魅力を伝える
どれだけ良い商品やサービスを持っていても、顧客に認知してもらえないと集客には結びつかず、売上アップも難しくなります。
今は無料で情報発信できるSNSなどもあり、積極的に活用したいところです。情報発信をすることで魅力が伝わるだけでなく、顧客の目に入る回数も増やすことができます。結果的に集客に結びつく可能性が高まります。
SNSへの投稿は、つい購入したくなるような写真や文章など見せ方の工夫も大切です。自社商品の魅力がどこにあるのか、またどのようなニーズがあるのかを踏まえた上で発信するようにしましょう。
実践向き!売上アップに効果的なアイデア14選
それでは実際に売上アップのために効果的なアイデアに取り組んでいきましょう。ここで紹介するのは14のアイデアです。
- クーポンを発行する
- キャンペーンを行う
- ポイントカードを導入する
- イベントを開催する
- コラボでシナジーを生む
- ECサイトを始める
- デリバリー・テイクアウトを始める
- 新商品・新メニューを開発する
- 期間限定商品・メニューを作る
- SNSを活用する
- アップセル・クロスセルを導入する
- スタッフを教育する
- インバウンド対策に注力する
- 売上アップのインセンティブを与える
それぞれ解説します。
クーポンを発行する
クーポンは割引券や優待券として発行されるチケットです。「1,000円券」などお得なクーポンを発行することで、新規顧客やリピーターなど幅広い顧客層にアプローチできます。
「ティータイム2割引クーポン」「4名様で料理1皿プレゼント」など時間帯や内容を限定的にすると、特定の顧客層に向けて訴求することもできます。どのような顧客層を集客したいかによって内容を変えてみるとよいでしょう。
キャンペーンを行う
キャンペーンも売上アップには効果的です。「初冬のあったかキャンペーン 31日まで20%オフ」「海の日限定!ドリンクバー無料キャンペーン」など季節やイベントに合った内容で展開すると、より集客効果が見込めます。
また、クーポン同様に「父の日記念!パパにビールをプレゼント」「9月限定!朝8時まで珈琲100円」など、集客したい顧客層に合わせた内容でキャンペーンを行うのも効果的です。
ポイントカードを導入する
ポイントカードは、来店・利用回数に応じて特典をプレゼントするツールです。主にリピーターに対しての施策ですが、特典が魅力的であれば新規顧客の来店動機を高めることができ、リピーターに繋がる可能性も高まります。
イベントを開催する
イベントの開催は通常営業とは違う特別感を演出することができ、普段以上の売上を獲得する場合もあります。イベントは店舗内で開催するだけでなく、外部のイベントに出展する方法もあります。外部の大きなイベントであれば集客を見込むことができますが、高額な出展料が発生したり、屋外の場合は天候不良のリスクもあります。それらも考慮した上で、参加の判断を行いましょう。
コラボでシナジーを生む
他社とのコラボは顧客にインパクトを与え、心を動かします。キャラクター×お土産スイーツ、飲食店×ホテル、化粧品×健康食品など異業態でのコラボはもちろん、同じ飲食店でもイタリアン×和食など異なるジャンルのコラボなども考えられます。自分たちの商品ならどんな業態・ジャンルとコラボすると新しいシナジーを生むことができるのか、考えてみましょう。
ECサイトを始める
ECサイトは全国誰でも商品を購入できるようになるため、今まで以上に商圏が広がります。対象となる顧客層も広がって売上を大幅にアップできる可能性があります。
ただ、ECサイトを立ち上げるためには一定のITスキル・リテラシーや専任のスタッフが必要など高額なコストや労力が発生することも考慮しなければなりません。また、立ち上げればすぐに売上が見込めるわけではなく、WEBマーケティング力や販促スキルも求められます。
デリバリー・テイクアウトを始める
デリバリー・テイクアウトは、新たな販売チャネルとして手軽にスタートしやすい方法のひとつです。
デリバリーはUberEatsなど専用のサービスに登録しなければ集客が難しく、登録する場合は高額な手数料が発生します。テイクアウトも専用の容器を用意したり、テイクアウト後の衛生面も配慮した梱包やメニューを考えなければなりません。
ただ、既存のメニューを活用でき在籍スタッフで対応が可能なため、通常営業の延長線上として取り組むことができます。低コスト・低リスクかつスピーディにスタートできるのは店舗にとって大きなメリットではないでしょうか。
新商品・新メニューを開発する
新商品や新メニューの開発は顧客の来店動機を高められます。商品開発は労力がかかりますが、定期的に新商品を開発していくことができればリピーターを飽きさせることがなくなり、来店の頻度を維持することができます。
また、情報発信のネタにもなるため、しっかりと告知をすれば顧客の目に触れる機会も増えます。新規顧客に対しても「来月新メニューやります!」と伝えることでリピートしてくれる可能性を高めることができます。
期間限定商品・メニューを作る
期間限定販売のメニュー開発も集客に繋がりやすい施策です。「今だけ!」という限定感は、新規・リピーター共に来店動機を高められます。
また、季節や旬のイベントに合わせた商品も限定感を演出することができ、瞬発的に大きな売上を生む可能性があります。
SNSを活用する
SNSは情報発信、顧客とのコミュニケーションなどに役立ちます。直接的な売上アップには繋がらないかもしれませんが、新商品やキャンペーンの開催時など新しい取り組みを行う度に情報発信すれば多くの人に認知してもらうことができ、集客に繋げることができます。
アップセル・クロスセルを導入する
アップセルやクロスセルなどのセールス手法を取り入れると売上アップに繋がります。
アップセルとは、顧客が注文しようとした内容からさらに高価格の商品を提案することをいいます。クロスセルは、セット商品などの関連メニューを提案して注文してもらうことで単価をアップさせる手法です。アップセルとクロスセルは状況に合わせて活用することで売上アップを見込むことができます。
ただ、売上アップのために無理やり高額商品の提案や追加の注文を促すと顧客に嫌がられ、逆効果になる場合もあります。あくまで顧客のニーズに沿った提案が必要です。
スタッフを教育する
アップセル・クロスセルの話からも分かる通り、売上アップのためには顧客とのコミュニケーション、つまり接客力が重要なポイントとなります。顧客が心地よく過ごせるような快い接客をしながらニーズに沿った提案ができれば、商品の購入に繋がりやすくなります。
接客力を磨くためには、商品の勉強会を開いたり効果的なセールストークを共有するなどさまざまな方法が考えられます。商品のクオリティを向上するのと併せて、接客力にも着目して教育にも注力していきましょう。
接客力を磨く方法を詳しく知りたい方は「飲食店で実施すべき接客力の磨き方!好印象でリピータを獲得する方法」を併せてご覧ください。
インバウンド対策に注力する
インバウンド対策とは、外国人が日本人と同程度のサービスが受けられるような環境や設備を整える取り組み全般のことです。
コロナ禍が収束した2023年以降訪日外国人が急増しており、インバウンド対策の重要性が高まっています。海外の需要を取り込むことに成功すれば、大幅な売上アップにも期待できます。
具体的な対策としては、外国語のメニューを用意したりキャッシュレス決済を可能にするなどさまざまな方法が考えられます。環境が整ったらそのことを自社ホームページに掲載したり、SNSで発信することも大切です。
より詳しくインバウンド対策について知りたい方は「インバウンド対策|効果的な対策と売上UPに繋げる施策を紹介」を併せてご覧ください。
売上アップのインセンティブを与える
現場スタッフのモチベーションを向上させるため、売上アップを実現したときにインセンティブを与えるというのもひとつの方法です。
ただ、スタッフがインセンティブばかりを狙って接客するようになってしまうと、顧客のニーズにそぐわない提案やサービスをしてしまい、逆効果となってしまう場合もあります。売上アップを目指す前に顧客満足度の向上を大切にするという点をしっかりと共有するようにしましょう。
他社に学ぶ!売上アップの成功事例
売上アップを実現した店舗は、実際どのような方法で成功させたのでしょうか?
ここでは飲食店の成功事例を2つ紹介します。
テイクアウト開始でコロナ禍でも売上アップ!
2020年以降のコロナ禍。国による外食規制がかかった影響を受けて、テイクアウトやデリバリーを始めた飲食店は多く存在します。しかし、全ての店舗が順調に売上を伸ばしたわけではないでしょう。
そんな厳しい状況の中で千葉の我孫子市にある本格焼肉店「肉の大山」はテイクアウトを始めて、前年比越えの売上を記録しました。
肉の大山では、テイクアウトをただスタートしただけではなく、大きく2つの工夫を施しました。それはまず告知の際にターゲットを予め絞ったこと、そしてDMはSMSを活用してセールスライティングを駆使した文面を送ったという点です。
ターゲットはスタッフの声も収集しながら誰に送るかを厳選しています。そして、メッセージは「お家で大山始めました」と一目見てどのような内容なのかを連想できるようなセールスライティングを実践。
お知らせのメールは1通ずつ送ると手間やコストが発生するため、予約管理システムを活用して効率的に送信しました。
その結果、コロナ禍前よりも売上アップという結果に。ターゲットの選定や効率的なメッセージ送信の方法、セールスライティングの徹底などの点で参考にしたい成功事例です。
より詳しく当事例を知りたい方は「ターゲットを絞り込んだテイクアウト告知が大成功コロナ禍でも売上は前年超えに」をご参照ください。
ワンオペでもデジタル化で売上20%アップ!
東新宿の「サンラサー」は5席と小さいながら連日満席となる人気のカレー店です。
オーナーの有澤さん自らワンオペで営業していましたが、予約対応のストレスに悩まされていました。予約の取りこぼしもあったため、それまで手書きの台帳での管理から予約管理システム「トレタ」の導入を決意。
「予約受付をデジタルにしたことで新規顧客が増えた」と有澤さんはいいます。顧客はウェブ上で予約の空き状況がひと目でわかるため、空いた枠に予約を取りやすくなりました。結果的に売上は以前よりも20%アップ。
また、顧客情報も蓄積できたことで「「意識していなかったけど、この人も常連だったのか」と、データを見て気づくこともありました。」と有澤さんは話します。
予約受付に関する課題に関してデジタルツールを導入して解決し、売上アップを実現したという好事例です。
より詳しくこの事例を見たい方は「抵抗のあったデジタル化に踏み切って予約を効率化!トレタ導入で毎日の売上高は20%増に!」をご覧ください。
売上に捉われすぎない!注意したい2つのこと
ここまで売上アップのために何をすべきか、お伝えしてきました。しかし、売上アップだけに捉われすぎてしまうと事業を継続していく上で大切なことを見失ってしまう恐れもあります。
そこで最後に売上アップを目指す上で最低限注意しておきたい2つのことについて解説します。
コスト削減にも気を配る
事業を運営していく上で売上をあげることは大切ですが、本当に重要なのは利益です。売上がどれだけ高くても、そのためにかかるコストが売上と同じぐらい発生すれば利益は生まれず、事業の継続は厳しくなっていくでしょう。売上アップの施策だけでなく、コストの削減も一緒に考えていくことで、より大きな利益を生むことができます。
コストの削減は、食材費や備品などの卸値が少しでも安い業者を探したり、業務効率を行って人件費を削減したりとさまざまな方法が考えられます。まずは毎月どのぐらいの経費を必要としているのか、現状を把握してから戦略を立てるようにしましょう。
顧客・従業員満足を忘れない
事業を継続していくためには、顧客そして従業員満足を満たしていかなければなりません。高額な商品が売れて大きな売上が得られたとしても、顧客の満足度が低ければ相応の評価は得られず、リピーターにもなりません。むしろネガティブな口コミを書かれてしまう可能性もあります。
従業員にとっても、厳しくて働きづらい労働環境であればすぐに辞めてしまうでしょう。また、そんな中で顧客に気持ちの良い対応はできるはずもありません。印象の悪い接客をされれば、顧客もその店舗に魅力を感じず、足が遠のいていくでしょう。
まずは顧客・従業員満足を満たしていくこと。そして売上は顧客・従業員満足の上に得られるものだということを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は売上アップについて解説しました。最後にポイントをまとめます。
- 売上は「顧客数」「成約率」「顧客単価」の3要素が大きく関わる
- 3要素の内、どの要素に注力すればよいかは店舗の状況やコンセプトによって変わる
▼売上アップの施策に取り組む前に確認しておきたいこと
- 現状を把握する
- 市場や競合をリサーチする
- ブランディングやマーケティングを学ぶ
▼売上アップは6つの側面からアプローチが可能
- 新規顧客を獲得する
- リピーターを増やす
- 顧客単価を上げる
- 価格を再設定する
- 販売チャネルを増やす
- 店舗の魅力を伝える
▼売上アップに効果的なアイディア14選
- クーポンを発行する
- キャンペーンを行う
- ポイントカードを導入する
- イベントを開催する
- コラボでシナジーを生む
- ECサイトを始める
- デリバリー・テイクアウトを始める
- 新商品・新メニューを開発する
- 期間限定商品・メニューを作る
- SNSを活用する
- アップセル・クロスセルを導入する
- スタッフを教育する
- インバウンド対策に注力する
- 売上アップのインセンティブを与える
▼成功事例から学ぶ
- DMはターゲットの選定を行い、文面を工夫すれば効果的
- 厳しい経済状況でも工夫次第で売上は上げられる
- 予約管理をデジタルにすることで新規顧客の集客に繋がる
- ワンオペだからこそデジタルツールを活用して効率化を図る
▼売上アップを考える上で気をつけたいこと
- コスト削減にも気を配る
- 顧客・従業員満足を忘れない
売上は事業を継続していくために最低限必要なものです。この記事が売上について改めて考えるきっかけとなり、皆さんにとってどのような方法で売上アップを実現していけばいいのか、そのヒントになれば幸いです。