売上アップするメニューブック

飲食店にとって、メニューは売上を左右する重要な要素のひとつです。
メニューをうまく活用し、お客様の期待感を高めることができれば、注文数の増加や単価アップが見込めます。

本記事ではメニューの作り方を主軸に、売上向上が見込めるメニューにするためのポイントについて解説します。
これからメニューを作る方や、メニューの刷新を考えている方はぜひ参考にしてください。

飲食店はシズル感が命!売上・顧客体験をアップさせるメニューブック「トレタO/X」

飲食店のメニューブックは、ただ注文するための道具ではなく、料理や飲み物の魅力をお客様に届け購買意欲や注文体験を高めたり、お店のブランディングイメージをつくるなど、飲食店経営にとってとても重要な存在です。

中でも「シズル感」の演出はメニューブックを作成する際に欠かせない存在といえます。どのように顧客へと伝えるのか、でその後の売上が左右される、といっても過言ではありません。

そこでおすすめしたいのが、注文からお会計までお客さまのスマホひとつで完結する、映えるモバイルメニューブック「トレタO/X」です。

現在、メニュー作成やメニューの見せ方について課題感をお持ちの方はぜひ一度詳細をご覧ください。

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飲食店にとってのメニューの役割と効果

飲食店のメニューを「料理の名称をわかりやすく箇条書きにしたもの」と考えているなら、メニュー本来の役割が果たせていない可能性があります。
メニューは店舗の外装や内装などと同様に、お店のコンセプトを反映する大切なアイテムです。
メニューを見てからどのようなお店なのかを知るお客様も多いため、メニューの書き方によってお店の印象が決まるケースもあります。

また、売上向上の観点において料理の内容を伝わりやすいよう工夫することは重要な意味を持ちます。

たとえばイタリア料理店のメニューに「saltimbocca (サルティンボッカ)2,000円」とだけ記載されていたとします。
するとイタリア料理に馴染みのないお客様は料理のイメージが湧かないため、見た目や味などの特徴をサービススタッフに質問するはずです。

では、上記の左画像のようにお皿に盛り付けた写真をメニューに付け足すとどうでしょうか?
写真があればどのような料理なのかを視覚情報から、ある程度判断できるようになります。

しかし、はじめてサルティンボッカを見たお客様にはこれだけでは情報不足です。
そこで仔牛肉の薄切りに生ハムとセージ(ハーブ)をのせ、たっぷりのバターで焼き上げました」などの説明文を加えてみます。

するとサルティンボッカが「仔牛肉を使用した温かい肉料理」であることや「生ハムとバターの組み合わせはコクがありそう」など、料理全体の想像がつきやすくなります。

ここまで料理のことを理解してもらえれば、お客様は自身で考え注文を検討することが多くなり、下記のようなメリットを享受できるでしょう。

  • メニュー決定までの時間が短縮され回転率が上がる
  • 味やボリュームなど料理の想像がつきやすくなり、注文への意欲が増す
  • スタッフへの質問が減るため、スタッフの負担軽減や人件費削減につながる

メニュー作りの重要ポイント

限られた人数のスタッフで売上の最大化させるには、下記のポイントを意識してメニューを作成しましょう。

  • 料理名を工夫する
  • 補足説明やコメントを入れる
  • 料理の魅力が伝わるような画像を入れる
  • 売りたい商品を目立つようにする
  • リピーターを飽きさせないメニューを入れる
  • アレルギーやハラールに対応について明記する
  • 多言語対応を検討する

それぞれ個別に解説していきます。

料理名を工夫する

お客様の大半が最初に視線を向けるのは料理名です。
料理名をそのまま記載しても良いのですが独自性を出すと、お客様の反応がよくなるケースがあります。

とくにお店が力を入れている看板メニューは、インパクトのある名前をつけることでお客様の印象に残りやすく、SNSで拡散される可能性が高まります。

下記の例のような言葉を料理名を組み合わせると、オリジナリティのある料理名がつけやすくなるでしょう。

要素(手法)
五感に響くフレーズを付け加える・ふっくら
・たっぷり
・〜香る
・ジューシー
・もちもち
・トロトロ
・サクサク
・しっとり
・あっさり
・こってり
・濃厚
産地や生産者を明記する・北海道産から直送のジャガイモ
・魚沼産コシヒカリの新米を使用
・焼津港で水揚げされた天然マグロ
・〇〇さんが手塩にかけて育てた大粒いちご
限定感を出す・今季限定
・限定10食
・なくなり次第終了
・1グループにつき1回のみ注文可能
・当店でしか食べられない

補足説明やコメントを入れる

海外の料理や専門的な料理の場合、料理名では内容がわかりにくいケースがあります。
またスタッフやシェフのコメントを入れると、親近感を抱いてもらいやすくなり注文数が増加する可能性もあります。

具体的には下記の表を参考にしてください。

<補足説明やコメントの例>

メニュー名補足メニューやコメントの例
バーニャカウダ10種類のお野菜を「バーニャカウダポット」で温めたソースにつけて召し上がりください
ピッツァ マリナーラチーズを使用しないトマトソースと、にんにくの超シンプルなピッツァ。オレガノの風味が食欲をそそります!

料理の魅力が伝わるような画像を入れる

メニューに掲載する画像は料理の説明に加え、お客様の食欲を刺激するような画像にしましょう。
たとえ美味しい料理でも魅力のない画像では、お客様に料理の素晴らしさを伝えるのは困難です。

お客様の反応をよくするには、一目で「美味しそう!」と感じてもらえるようなシズル感のある画像を入れると高い効果が期待できます。
シズル感を出すには、炭火や湯気で熱々の状態を表現したり、流水や氷などを用い、よく冷えた状態を表現するやり方など、さまざまな手法があります。

売りたい商品を目立つようにする

メニューの中にはコストや手間などの理由から、「売りたい商品」と「売れなくてもよい商品」が混在しているはずです。
売りたい商品の注文率を上げるには、メニューの中で目立つように工夫しましょう。

たとえば大きい画像を設置する、コメントで「おすすめ」とアピールするなどの方法は、シンプルですが有効な手段です。
お客様の多くは、お店のイチオシを食べたいと考えているため、おすすめ料理を強調することはお客様にとってもメリットがあります。

ただし顧客満足度が低いと推測できるような商品をおすすめすると、悪評に繋がる恐れがあるため、看板メニューなどお店が力を入れている商品をアピールするようにしましょう。

リピーターを飽きさせないメニューを入れる

リピーター(常連客)を増やしたり、既存のリピーターの来店頻度が上がると、売上が安定し、繁盛店になるためのチャンスが広がります。
しかし、メニューに魅力や選ぶ楽しみがないと1度の来店で満足してしまい、再来店につながらないことも。
再来店を促すなら、「次に来たときに注文してみよう」と感じてもらえるような工夫が必要です。

たとえば、日替わりや週替わりで旬の食材を使用したメニューを設定すれば、メニューが変わるたびに来店してくれるリピーターも現れるでしょう。
ただし、レギュラーメニューを楽しみにしているリピーターも一定数はいるため、新しいメニューがすべてのリピーターに受け入れてもらえるわけではありません。
新しいメニューの代わりに外すメニューがある場合は、そのあたりを念頭に置いた上で調整しましょう。

リピーターの重要性や獲得方法については「飲食店のリピーター獲得6選|プロが教える繁盛店を作るコツとは」を併せてご覧ください。

アレルギーやハラル対応に取り組みメニューに明記する

2023年6月現在、飲食店にアレルギー表示の義務はありません。
しかしアレルギーのあるお客様が来店した場合のことを考えて対応を明記したほうが、対象のお客様が来店した際、慌てずにすみます。

アレルギーに対応するメニューをおすすめするのか、アレルギーの原因となる食材などを避けて調理するのかなどを決め、メニューに明記しましょう。

またハラル(ハラール)についても対策を講じると、外国人客の一定数を占めるイスラム教徒の集客が可能になります。
日本ではハラル対応がそれほど浸透していないため、率先して取り組めば、まわりのお店より集客が有利です。

ハラル対応には大きく分けて3段階あり、導入の難易度が異なるため、お店のスタイルに応じて取り入れましょう。

<ハラール対応の3段階>

  • 難易度低:ムスリムフレンドリー
  • 難易度中:国内流通向けハラル認証・ローカルハラル認証
  • 難易度高:輸出向けハラル認証

画像引用:一般社団法人ムスリム・プロフェッショナル・ジャパン協会

アレルギーやハラル対応をおこなうにあたり、注意するポイントとして表記方法が挙げられます。
文字が小さかったり、見えにくいところに記載していたりすると、お客様が見落としてしまう可能性があるためです。
したがってアレルギー等の対応に関して分かりやすく明記する必要があるのですが、お店のスタイルによっては、そういった対応を前面に出したくないケースもあるでしょう。

セルフオーダーシステムを使えば、「一般メニュー」と「アレルギーやハラル対応メニュー」の切り替えが容易にできるため、それぞれのお客様にとって最適なメニュー表示が可能です。
また、セルフオーダーシステムを導入すれば、次の章で出てくる多言語対応にも活用できるといったメリットも享受できます。

セルフオーダーシステムの導入方法については「飲食店におけるセルフオーダー|5つの効果と導入に最適なお店とは」を併せてご覧ください。

多言語対応を検討する

出典:「訪日外客数(2022 年 12 月および年間推計値)」日本政府観光局(JNTO)

上記の表はコロナ禍以前の2019年と、コロナ感染者の多かった2022年の訪日外国人客数を比較したデータです。
2022年の後半から訪日外国人が増加傾向にあり、インバウンド需要が戻りつつあることが見て取れます。
2023年に入ると、観光地で外国人旅行客が急増し、地域によってはコロナ禍以前のように賑わっているほどです。

これらのデータから、訪日外国人客の集客はコロナ禍によって減少した売上を挽回するチャンスと言えるでしょう。
そのためには、接客やメニューの多言語対応をはじめ、日本の土地や文化を感じさせるようなメニューを入れるなど、訪日外国人のニーズに応える必要があります。]

画像引用:国土交通省 観光庁|「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」結果

しかし上記のグラフを見てわかるとおり、多くの外国人客は飲食店でコミュニケーションが取れず困ってるのが現状です。
そういった外国人客を取り込むためにも、多言語メニューの導入を検討しましょう。

メニューを多言語化が難しい場合は、自治体や日本政策金融公庫などから無料でダウンロードできる「指差しコミュニケーションツール」の活用もおすすめです。
指差しコミュニケーションツールを活用すれば食事に必要な最低限のやり取りができるため、機会損失が防げます。

飲食店のインバウンド対策についての詳細は「飲食店が行うべきコロナ後のインバウンド対策 | 課題や対策を解説」を併せてご覧ください。

メニューの作成方法を8ステップで解説

ここからはメニューの作成方法を具体的に解説します。
下記のステップどおりに進めていくことで、スムーズに取り組めるでしょう。

  1. パソコンか手書き、どちらで作るか決める
  2. メニュー表の種類を決める
  3. 使用するサービス(ツール)を選ぶ
  4. テンプレートからデザインを決める
  5. 画像を用意する
  6. レイアウトを決める
  7. レイアウトに沿って画像や文字を入れる
  8. 印刷する

それぞれのステップごとに、詳しく解説していきます。

本記事ではパソコンでの作成について解説しますが、共通するポイントは多くあるため、手書きでメニューを作成する場合も参考にしてください。

STEP1: パソコンか手書き、どちらで作るか決める

メニュー作りは、メニューをパソコンで作成するのか、手書きで作成するのかを決めるところから始めます。
どちらもメリットやデメリットはありますが、デジタルでは表現できない個性を出したいと考えるお店以外は、パソコンでの作成をおすすめします。
なぜなら手書きメニューの作成は難易度が高い上、手間と時間がかかるからです。

メニュー作成をパソコンで作成する場合と手書きで作成する場合のメリットやデメリットは、下記の表のとおりです。

メリットデメリット
パソコンで作成する場合・誰が作っても品質が変わりにくい
・短時間で作成できる
・何度でも同じものを印刷できる
・大量に印刷できる(チラシに転用なども可能)
・画像やイラストを簡単に挿入できる
・手書きに比べると個性を表現しにくい
・印刷できる紙が限定される
・パソコンとプリンターが必要になる
手書きで作成する場合・書き手の個性を表現しやすい
・高品質な紙を使えば高級感を演出できる
・パソコンやプリンターがなくても作成できる
・書き手の能力により品質に差がでやすい
・統一感をだすためには同じ人が書き続ける必要がある
・作成に時間がかかる
・画像を入れる場合は工夫が必要(写真を糊で貼るなど)

また、この段階でメニューをラミネートした簡易なタイプにするのか、ハードカバーのついたファイルタイプにするのかなど、完成形を決めておきましょう。

STEP2:メニュー表の種類を決める

飲食店のメニュー表には価格のほか、写真や説明、コメントなど、お店によって掲載する内容はさまざまです。
掲載する内容によってどのようなメニュー表にするのか下記の「飲食店で一般的に使用されているメニュー表」を参考に検討しましょう。

飲食店で一般的に使用されているメニュー表

  • 1枚タイプ
  • ブックタイプ
  • 折りたたみタイプ
  • 黒板や張り紙タイプ
  • モバイルタイプ
  • タブレットタイプなど

STEP3:使用するサービス(ツール)を選ぶ

パソコンでメニューを作成するために、使用するサービスやツールを選択します。
パソコン初心者であっても、オンラインで使えるグラフィックデザインツールCanva(キャンバ)などを利用すれば、クオリティの高いメニューが作成できます。

ほかにも簡単にメニュー作成をおこなえるサービスがいくつもあるので、予算やパソコンスキルに応じて活用しましょう。

ここではパソコンの扱いに慣れていなくても、簡単にメニュー作成がおこなえる無料サービスを3つ紹介します。

  • 1.Canva
  • 2.FOODS CHANNEL
  • 3.エクセルで作る飲食店メニュー
  • パンポン
  • Menu Express

Canva

画像引用:Canva

Canvaは数千点ものテンプレート(一部有料プラン)が用意されているデザイン作成ツールです。
メニューやチラシ、名刺などの作成や動画編集など、多機能にもかかわらず多くの機能が無料で利用できます。

直感的な操作ができるため、パソコンの扱いに慣れていなくても扱いやすいツールです。

FOODS CHANNEL

画像引用:FOODS CHANNEL

飲食関連のポータルサイトFOODS CHANNELでは、飲食業に役立つテンプレートが230点以上用意されており、無料でダウンロードできます。
テンプレートの文字や金額、画像を変更すればオリジナルメニューの完成です。

デザインを考える必要がないため、手軽にメニューを作成したいと考える人に向いています。

エクセルで作る飲食店メニュー

画像引用:エクセルで作る飲食店メニュー

エクセルで作る飲食店メニューは、シンプルなメニューのテンプレートが無料でダウンロードできるサイトです。
エクセル初心者でもテンプレートを編集できるように、丁寧な解説が明記されています。

しかし独自性を出すためには、ある程度エクセルの知識が必要になってくるため、エクセルが得意な人向けのツールと言えるでしょう。

パワポン

画像引用:パワポン

パワポンは、アスクルが運営する無料のデザインテンプレートサイトです。
その名の通り、パワーポイントでのデザイン作成に特化しており、テンプレートのデータはすべてパワーポイントのpptx形式で用意されています。

パワポンを利用するには、パワーポイントが使える環境は必要ですが、パワーポイントに関して詳しくても大丈夫です。
テンプレートをダウンロードし、必要な箇所だけ変更すれば完成するため、パワーポイント初心者でも簡単にメニュー表を作成できるでしょう。

画像引用:Menu Express

Menu Expresは、飲食店のメニューが作成できる無料アプリです。
プロがデザインした600種類以上のテンプレートからお店にあったデザインを選択し、スマートフォンで撮影した写真や文字を入力するだけで、本格的なメニューが作成できます。

スマートフォンでデザインから印刷依頼まで完結させたいという方に最適なサービスと言えるでしょう。

また、SNSへシェアする機能も搭載しているので、SNS運用に役立てることも可能です。

STEP4:テンプレートからデザインを決める

Canvaなどのデザインツールには、多くのテンプレートが用意されています。
テンプレートはお店の雰囲気や料理のイメージに近いデザインやカラーのものを選択します。

またテンプレートを選択する際、メニューを何枚で構成するのかなど、完成形のイメージを膨らませておきましょう。

<無料テンプレート例>

画像引用:Canva

STEP5:画像を用意する

メニューに挿入する画像を撮影します。
業種にもよりますが、すべての画像を挿入するとメニューのボリュームが大きくなりすぎるため、イチオシの料理を中心に、カテゴリーごとに数枚ほど用意すると良いでしょう。
ただし後から画像を増やす際に改めて撮影するのは大変なので、多めに撮っておいたほうが無難です。

撮影は天候の良い日に窓から入る陽の光を利用すると、明るく自然な写真に仕上がります。
下記の左側の画像は、午前中に陽の光が入る窓際の席で撮影し、右画像は日が暮れてから同じ場所で撮影したものです。(iPhone13Proで撮影)

午前中に撮影した左の画像の方が影は薄く、全体がはっきりと写っているのがわかります。

陽の光が入らない場所や夜に撮影する場合は、デスクライトなどの照明や、光をコントロールするレフ板を使用すると、被写体がきれいに映りやすいです。
メニューの統一感を出すには、同じ場所、同じ構図で撮影するようにしましょう。

STEP6:レイアウトを決める

メニューのデザインや画像など、素材が準備できたら次はレイアウトを決めていきます。
まずは縦書きや横書き、何枚で構成するのかなどメニューの構成を考えましょう。

レイアウトを決める際、意識したいのはお客様の視線の動きです。
多くの人は文字を読む際、縦型の文章は右上から読み、次に左上に視線を移します。
横書きの場合は左上から右端へ、次に左下に視線を移すため、重要な情報はその視線の流れに合わせて記載すると認知されやすいでしょう。

たとえば、視線が集中しやすい位置に文字を入れ、視線が外れやすい位置は画像やイラストを入れると読みやすいメニューになります。

STEP7:レイアウトに沿って画像や文字を入れる

レイアウトが決まったら、決めた配置どおりに画像や文字を入れていきます。
レイアウトが崩れたり、想像していたものと違ったりする場合は文字の大きさや配置を変えるなど調整しましょう。

必要な情報がまとめられなかった場合は、レイアウトを決めるところからやり直します。
デザインに凝りすぎるより、わかりやすさを優先して仕上げていきましょう。

STEP8:印刷する

メニューのデータが完成したら、残りの作業は印刷のみです。
印刷は自宅やお店のプリンター、もしくは印刷業者に依頼します。
文字だけのメニューでよければ、一般家庭用のプリンターでも作成可能です。

しかし写真を入れる場合、仕上がりのクオリティに大きな差があるため、印刷業者に依頼したほうが良いでしょう。
プリントパック」や「ベストプリント」などのネット印刷会社なら、低コストかつ小ロットで注文できます。

ただし、印刷業者によって入稿データの形式が決まっているケースもあるため、作成したデータがそのまま使えるのかを確認してから依頼するようにしましょう。

実際に作成したデモメニューをご紹介

先ほど紹介したデザイン作成ツール「Canva」の無料で使える機能だけでデモメニューを作成しました。
画像は元々用意されているテンプレートを利用し、一部のメニュー名称のみ変更しています。

作業時間は初めてCanvaを利用する方でも「フォントはそのまま」に「文字内容の変更だけ」でしたら10分〜20分ほどで完了です。
とはいえ実際お店で使用する場合は画像の入れ替えが必要ですが、レイアウトやサイズを変更しなければ、テンプレートの画像と入れ替えるだけでオリジナルメニューが完成するため、操作に慣れれば30分ほどで完成するでしょう。

デザインしたメニューはそのままCanvaを通じてベストプリントで印刷することも可能です。

デモメニュー1.カフェ

デモメニュー 2.食堂(定食屋)

デモメニュー3. 和食中心のレストラン

デモメニュー4. ウエディングパーティー

メニューの分析・改善で売上を向上させる

メニューは作成したあと、しばらくデータをとって分析・改善をおこなうことで「売れているメニュー」と「人気のない(売れていない)メニューが可視化できます。

メニューを分析する方法はABC分析を用いるとよいでしょう。
ABC分析とは、売上高や粗利率などからメニューをABCという3つの優先度にランク分けし、店舗の販促や利益率を改善するための分析手法です。

具体的にはメニューをAの主力メニュー、Bのサブメニュー、Cの人気のないメニューに振り分け、Aのメニュー関連を強化し、お店の強みを押し出していきます。
また、CやBのメニューを削除、またはAのメニューに寄せていくような改善をおこなうことで、食品ロスなどの無駄が削減され、売上向上が見込めるでしょう。

ABC分析の詳しいやり方などは「飲食店にとってのデータとは?活用のメリットや活用事例などを解説」を併せてご覧ください。

売上を向上させるためにはモバイルオーダーの選択肢も

前章までメニューの作り方や分析について解説してきましたが、「注文数を増やし売上を伸ばす」という根本的な課題を解決するためには、モバイルオーダーの導入もおすすめです。
以前のモバイルオーダーは、業務の効率化には有効であってもサービス品質の低下につながる可能性が高いというイメージがありました。

しかしトレタが提供するモバイルオーダーサービス「トレタO/X」は、モバイルオーダーに対するマイナスイメージを払拭すべく顧客満足度の向上に力を入れています。
動画対応を始めとした「映え」を引き出すデザインは、紙のメニューに比べシズル感が大幅に伝わりやすいです。

さらにデジタルの強みを発揮し、お店のこだわりを深いところまで伝えることもができることから、ファンの獲得や客単価アップが期待できます。

またモバイルオーダーを導入によって、会計業務は大幅な省人化が可能になります。
つまり売上向上と人件費削減が同時に実現できる可能性があるため、メニューを作成する際にモバイルオーダーという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ|メニューはお店の魅力を伝え売上を向上させる重要ツール

飲食店のメニュー作成について解説してきました。改めて本記事の結論をまとめてみます。

飲食店にとってのメニューの役割と効果

  • メニューはお店のコンセプトを反映する大切なアイテム
  • メニューを見てからどのようなお店なのかを知るお客様も多い
  • 料理の内容を伝わりやすいよう工夫することで、サービススタッフによる説明の手間が省ける
  • オーダーが早く通るようになれば、回転率の向上が期待できる

メニューの作成方法7ステップ

  1. パソコンか手書き、どちらで作るか決める(パソコンがおすすめ)
  2. 使用するサービス(ツール)を選ぶ
  3. テンプレートからデザインを決める
  4. 画像を用意する
  5. レイアウトを決める
  6. レイアウトに沿って画像や文字を入れる
  7. 印刷する

メニュー作りの重要ポイント

  • 料理名を工夫する
  • 補足説明やコメントを入れる
  • 料理の魅力が伝わるような画像を入れる
  • 売りたい商品を目立つようにする
  • アレルギーやハラル対応に取り組みメニューに明記する
  • 多言語対応を検討する

飲食店のメニュー作成に役立つ無料サービス

  • 1.Canva
  • 2.FOODS CHANNEL
  • 3.エクセルで作る飲食店メニュー

モバイルオーダーを導入するメリット

  • モバイルオーダーは動画で料理の魅力を伝えられる
  • 多くの情報をわかりやすく伝えられる
  • 料理のシズル感を伝えやすいため、注文数の増加が期待できる
  • 会計業務が減少するため省人化が実現できる
  • 売上向上と人件費削減に繋がる

パソコンの普及や、ツールの発展により、個人でのメニュー作成は容易になりました。
本気記事で紹介したような無料ツールを活用すれば、低コストでプロ並みのメニューが作成できます。

とはいえ見栄えが良いだけでは、注文数の大幅な増加は困難です。
売上を向上させるには、いかにわかりやすく料理の魅力を伝えられるのかが重要なポイントとなるでしょう。