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飲食店経営で廃業に追い込まれないために|難しい理由と成功のカギ

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飲食店は毎年5〜8万件(※1)もの新規開業件数を誇る人気の業種である反面、廃業率が最も高い業種(※2)でもあります。
なぜ飲食店は廃業率が高いのか、どのような理由で廃業に至ったのかを理解し、対策を講じることが成功のカギとなるでしょう。
そこで本記事では飲食店の経営が難しい理由や廃業する原因を踏まえた上で、飲食店経営のメリットや始め方を解説します。

※1:タウンページデータベースから引用
※2:中小企業庁(第3節 開廃業の状況)から引用

安定した経営を目指すなら顧客情報を貯めることが重要

・長く続けられるお店を作りたい
・季節や天候の影響で客数を減らしたくない
・コロナ禍など外的要因に左右されにくいお店にしたい

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なぜ個人の飲食店経営は難しいと言われるのか

飲食店の経営が難しい、と言われるのはなぜなのでしょうか?それは、準備不足のまま開業する方が多いためと推測できます。

飲食店はほかの業種に比べ開業資金が少なく済むことや、お店を開くために必要な資格や専門知識の取得にそれほど期間がかからないなど、開業までのハードルが低い傾向にあります。
つまり「お金や経営に関する知識が不足していても起業できてしまう」わけです。

しかしお金や経営に関する知識は開業後に必要となってくるため、経営が難しいと言われているのでしょう。

さらに、下記のデータから分かるように、飲食店は他の業種に比べ最も廃業率が高く、開業から3年以内の廃業率は70%、5年で80%、10年では90%以上と言われているほど生き残るのが難しい業種です。

廃業率を考慮すると「飲食店は開業しやすいから」という動機で安易に開業するのは危険だということを認識する必要があります。

引用:中小企業庁|開廃業の状況

飲食店の廃業率が高い6つの理由

飲食店の廃業率が高い理由は多々ありますが、主な理由は以下の6つです。

  • 初期投資の費用が大きい
  • 運転資金の不足
  • 計画性に欠けた店舗経営
  • 集客に関する知識が浅い
  • 体力や気力がもたない
  • 人手不足に陥りやすい

初期投資の費用が大きい

冒頭でほかの業種より開業資金が少なくて済むと書きましたが、相応の開業資金は必要です。
個人で飲食店を開業する場合、10坪〜15坪の店舗で1,000万円ほどかかってきます。
居抜き物件やDIYで開業資金を抑えるやり方もありますが、それでも500万円ほどはかかってくるでしょう。

初期投資額は低いほど良いと頭では理解していても、理想のお店を作りたいという想いから、内装や家具、厨房機器などに費用をかけすぎるケースがよくあります。
初期投資額が大きくなると、それだけ費用の回収にかかる時間が長くなるため、それが足枷となり事業の継続が困難になることも。

いざお店を始めると、想定外の出費が必要になる可能性もあるため、初期投資の費用はできるだけ抑えるようにしましょう。

運転資金の不足

飲食店が廃業する大きな原因の一つが運転資金の不足によるものです。
貯蓄していたお金の大半を開業資金に当ててしまい、運転資金がショートして廃業に至るケースがよくあります。

飲食店を開業するには開業資金に加え、ある程度の運転資金が必要です。
開店してすぐにお店が軌道に乗ればよいのですが、来客の少なかった場合、家賃や人件費、仕入れ費用などを運転資金から捻出する必要があります。

運転資金の金額はお店の規模によって大きく変わるため、事業計画書に沿って計算しましょう。
一般的には6カ月〜8カ月分のオーナーの生活費とスタッフの給料は必要と言われています。
黒字になるまでの運転資金が用意できていれば、廃業のリスクは大幅に下がるでしょう。

スタッフの人数と給料 運転資金の目安
オーナー(30万円)+アルバイト2人(合計20万円)

1カ月50万円×6カ月=300万円

1ヵ月50万円×8カ月=400万円

計画性に欠けた店舗経営

「開業に必要な資金が貯まったから」「どの店より美味しい料理を作る自信があるから」など、勢いで開業するのは危険です。

たとえ料理の腕に自信があっても、美味しいだけでお店を繁盛させるのは難しいためです。
お店を継続させるためには、お客様のニーズを理解し価値のある商品を提供し続ける必要があります。
そのためには開業前に、参入を考えている業態や出店予定地のリサーチを行い、集客方法、メニュー内容、価格設定などを検討し、事業計画書を作成していきます。

自分のやりたいことを取り入れることは大切ですが、主張しすぎるとお客様に受け入れてもらえず、いつまでたっても黒字にならないということもあるため注意が必要です。
やりたいことがお客様のニーズに合っていない場合は、避けたほうが良いケースもあります。

集客に関する知識が浅い

調理師以外のキャリアを持たずに開業した事業主は比較的、集客に関しての知識が浅い傾向があります。
なぜなら調理の仕事をしているのは料理が好きだからという理由から、調理の知識や腕を身につけることにリソースを注ぎ込んでいるため、というのが主な理由です。

したがって、経営者目線ではなく、料理人目線での経営になりやすく「美味しい料理を作り続けていれば、自然とお客様が集まってくる」といった理想論にとらわれてしまうことも。
しかし多くの場合においてそういったやり方では、経営が軌道に乗るまで長い時間を要します。

お客様に「お店を知ってもらうためには集客の知識は重要」となんとなく理解はしていても、下積み時代に集客を教わらなかった方は、具体的な施策が思い付かず「なぜお客様が増えないのか」と悩んでしまうわけです。

体力や気力がもたない

飲食店の現場は1日中立ったままで慌ただしく動き回ったり、力のいる仕事も多くあります。
忙しい時間は休憩どころか、水を飲めないこともあるでしょう。

しかもオーナーには労働時間に制限がないため、休日なしで早朝から深夜まで仕事をする方も珍しくありません。
またスタッフが急に辞めたり、口コミやSNSに悪口を書かれたりと、想定が難しいストレスの要素もあるでしょう。
たとえ黒字経営でもこれらが原因で体や心にダメージを負い、廃業に至ることがあります。

開業したての頃は売上を上げるために必死なので難しいかもしれませんが、できるだけ早い段階でしっかりと休息の取れる環境を整えることも、事業を続ける上で重要なポイントと言えるでしょう。

人手不足に陥りやすい

他業界と比べて激務になりやすいのにもかかわらず賃金が低く、また研修期間が短いなどといった理由により従業員が離職してしまい、結果的に人手不足に陥りやすいことも主な廃業理由の1つです。

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査 」によれば、産業別の月給で最も高い業種は男性が「金融・保険業」で約48万円、女性は「情報通信業」で約32万円であり、「宿泊業・飲食サービス業」は男性が約28万円、女性は約21万円という結果になっていました。

コロナの影響により客足が遠のき、コロナ以前に比べて売上が大幅に落ちて人手を揃えられなくなった結果、廃業になるという店舗も少なくありません。今や飲食店ではさまざまなパターンによって人手不足が起こるため、人手不足に陥った場合の事前策や事後策を用意しておくことが必須といえるでしょう。

飲食店の人手不足の現状や人手不足に対する解決策については関連記事「飲食店が人手不足で閉店しないために!必要な5つの解決策を解説」で解説しているため、併せてご覧ください。

飲食店経営のメリット4つ

飲食店経営をするメリットは主に3つあります。

  • やりがいがある
  • 飲食店のニーズはなくなることがない
  • 飲食店経営者になると年収が上がりやすい
  • 事業に関する費用は経費にできる

やりがいがある

飲食店の経営は集客や企画立案、商品の開発、販売と多岐にわたるため、非常にやりがいがあります。
またお客様と接する機会が多く、「すごく美味しかった」「来てよかった」など直接お礼を言ってもらえるのもやりがいを強く感じる要素です。

飲食店経営は自分で考え、行動した結果が目に見えて現れるので、努力の形が成果につながりやすい仕事と言えます。

会社員は組織の一員として、会社の利益を向上させるために仕事をするのが一般的ですが、飲食店経営者は自分にしかできないことを、自分のために行えるためやりがいを感じることができるでしょう。

飲食店のニーズはなくなることがない

人間が食べ物を必要とする限り、飲食店のニーズがなくなることはありません。
コロナ禍の影響で多くの飲食店がダメージを受け、閉店に追い込まれましたが、一方でデリバリーやテイクアウトなと中食産業のニーズは飛躍的に伸びました。

また以下のようなシチュエーションでは、飲食店の役割は大きいと言えます。

  • 仕事の疲れをお店のスタッフとの会話で癒やしたい
  • おしゃれなお店で意中の相手と素敵な時間を過ごしたい
  • 記念日に思い出のお店で特別な料理を食べたい

時代や状況によって細やかなニーズは変化するものの、飲食店自体はこの先も必要とされるでしょう。

接客のおもてなし力を上げるためには?

接客力を上げるための第一のポイントは接客の基礎を学ぶことです。明るい姿勢や声のトーン、言葉遣いなどといった基礎をミナオシ、かつ「対応の良さ」「お得かつ特別感のあるサービス」「お店の清潔感」の3点が揃ったおもてなしが出来るようになるとお客様の満足度も上がります。

お客様の満足度が上がった結果、店舗を気に入ってくれた方がまた来店してくださることによって、リピーターの増加や売上アップにもつながります。接客力・おもてなし力の向上は、飲食店の売上を上げて経営をスムーズにするために最も重要な要素のひとつと言えるのです。

飲食店において従業員のおもてなし力を上げるために必要なことについて詳しく知りたい方は、関連記事「売上を呼ぶ飲食店の正しい接客方法!成功の秘訣を徹底解説」を併せてご覧ください。

飲食店経営者になると年収が上がりやすい

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令和3年分 民間給与実態統計調査|業種別の平均給与

上記表の国税庁調査によると、飲食店に勤務している方の平均年収は260万円と、他業種に比べ最も低い結果となりました。
最も年収の高い「電気・ガス・熱供給・水道業」の平均年収は766万円、全体の平均年収が443万円という結果を見ると、飲食店勤務の収入の低さは明白です。

一方、飲食店経営者の一般的な年収は、400万円〜600万円と言われています。
とはいえ、年収0円のまま廃業する経営者もいれば、年収1,000万円以上の経営者もいるなど、収入には個人差があります。

それを加味しても、飲食店に勤めているより経営者になった方が年収が上がるチャンスが広がると考えて良いでしょう。

事業に関する費用は経費にできる

企業に属してる頃は経費として認められなかったものを、お店の経費として計上できるケースがあります。
たとえば料理の勉強用に料理書を購入しても、企業に属していると自分のお金で購入するケースが一般的です。
しかし事業主になると書籍をはじめ、事業に必要なものは必要経費として計上できます。

ただし経費に当たるのは「事業で使用するもの」に限られていますので、家族との食事、旅行の代金などは経費として認められていません。
なかには生活費の一部を経費として計上する方もおられますが、脱税にあたる可能性が高いため注意が必要です。

経費の範囲について詳しくは、担当の税理士や税務署に確認してから判断するようにしましょう。

飲食店経営をするために必要な資格や知識

飲食店経営をするために必要な資格は以下の2つです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者(事業規模により必要)

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店ごとに1名の配置が義務付けされている資格であり、施設及び食品の扱いなどが、常に衛生的な状態で取り扱われているか管理する役割を持ちます。

手続きとして開業時に、担当の保健所へ食品衛生責任者の名前を書いた書類を提出する必要があります。
ただし調理師免許や栄養士免許を所持している場合は、すでに必要な知識を有していると認められるため、新たに食品衛生責任者の資格を取得する必要はありません。

食品衛生責任者になる方で資格等がない場合は、食品衛生責任者養成講習会を受講し、資格を取得しましょう。

食品衛生責任者の資格を取得するには、各自治体で開催される講習を受ける必要があります。
講習の内容は「衛生法規」「公衆衛生学」「食品衛生学」を中心に約6時間ほどなので、1日で取得できます。

講習の受講には事前予約をする必要があるため、早い段階で地域の担当部署に問い合わせしましょう。
問い合わせ先は、Googleなどの検索エンジンで「都市 食品衛生責任者 取得方法」で検索するとその地区の受付先が上位に表示されます。

またインターネットで講習を受けられる「eラーニング方式」を採用している自治体もあるので、自宅で講習を受けることも可能です。

<主要都市の問い合わせ先>

地域 受付先のウェブサイト
東京都 一般社団法人東京都食品衛生協会
神奈川県 公益社団法人 神奈川県食品衛生協会
愛知県 一般社団法人愛知県食品衛生協会
大阪府 公益社団法人大阪食品衛生協会
京都府 一般社団法人京都市食品衛生協会
兵庫県 一般社団法人兵庫県食品衛生協会

防火管理者

防火管理者とは、建物の防火管理に関する責任者のことを指します。
以下の説明文は一般社団法人日本防火・防災協会のウェブサイトから引用したものです。

防火管理者とは、多数の者が利用する建物などの「火災等による被害」を防止するため、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者を言います。

引用:一般社団法人日本防火・防災協会|防火管者とは

ただし防火管理者の資格はすべての飲食店に必要というわけではありません。
飲食店の場合は、スタッフを含め30人以上収容できるお店が対象となります。

防火管理講習は以下のいずれかにおいて行われ、講習修了資格は全国共通となっています。

  • 都道府県知事
  • 消防本部及び消防署を置く市町村の消防長
  • 総務大臣登録講習機関

またお店の延床面積によって、「甲種」と「乙種」と種類が異なるため、自分のお店に該当する資格を取得しましょう。

以下の表は一般社団法人日本防火・防災協会の情報をもとに、飲食店における防火管理者の基準などをまとめたものです。
ただし自治体により費用や基準が異なるケースもあるため、事前に地域の担当部署へ確認しましょう。

取得にかかる日数と時間 費用(目安) 基準
取得しなくて良い 不要 不要 お店の収容人数が30人未満(スタッフも含む)
甲種防火管理者 2日(約10時間) 8,000円 お店の延床面積300㎡以上
乙種防火管理者 1日(約5時間) 7,000円 収容人数が30人以上でお店の延床面積300㎡未満

問い合わせ先は食品衛生責任者のときと同様に「地域 防火管理者 取得方法」で検索すると上位に表示されます。

<主要都市の問い合わせ先>

地域 受付先のウェブサイト
東京都 東京消防庁
愛知県 名古屋市役所
大阪府 大阪市役所
神奈川県・京都府・兵庫県 一般社団法人日本防火・防災協会

飲食店を経営するために必要な知識

飲食店を経営するために絶対に必要という知識はありません。
ただし店を繁盛させるためには、経営やマーケティングの基礎知識を身につけたほうが成功する確率は上がります。

簿記

売上の管理には簿記の知識が役立ちます。

小規模店ならオーナーが帳簿を付け、確定申告を行うケースが一般的ですので、スタッフや税理士に帳簿付けを任せない場合は、簿記を学ぶと良いでしょう。ただし近ごろは簿記の知識がなくても使える便利な経理ソフトもあるため、簿記が苦手ならそういったツールを活用しましょう。

また先輩経営者の経験や思考は、経営の大きなヒントになる可能性が高いため、チャンスがあれば話を聞いたり、書籍を読んだりすることをおすすめします。

マーケティング関連の知識

飲食店の経営者であれば、マーケティングの基礎知識は必須です。「売れる」飲食店ではどこでもマーケティング施策を考え実行し、成功しているからです。また、コロナ禍を経てテイクアウトやフードデリバリーといった食べる場所のニーズが多様化しているため、従来通りの集客方法では通用しなくなっていることも理由といえます。

お客様のニーズを適切に捉え、経営に活かしていくためには、お店の状態やお客様の好みをよく理解することが大切になってきます。

現代ではアナログな手法だけではなく、ホームページやMEO、SNSといったデジタル手法も活用し、あらゆる方法でマーケティングを行えます。

飲食店が行うべきマーケティング手法について、詳しくは関連記事「売れる飲食店のマーケティングの特徴とは?手法5選と成功事例を解剖」を併せてご覧ください。

飲食店を開業するまでの流れ

飲食店を開業するまでの流れは以下の通りです。

  • お店のコンセプトを決める
  • 市場調査を行う
  • 事業計画書を作成する
  • 物件を探し始める
  • 資金の調達(借入先の確保)
  • メニュー開発
  • 店舗賃貸契約
  • 外装・内装工事施工
  • 資格取得・各種申請(税務署・保険所・消防署等)
  • 厨房設備・什器備品購入の上、搬入設置
  • スタッフ募集・採用・教育
  • プレオープン
  • グランドオープン(開業)

下記の図はおおまかなスケジュールです。

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これらにかかる期間は半年〜1年ほどのケースが一般的です。
ただし条件の合う物件にめぐり合わない場合、開業まで1年以上かかることもあります。

取り組む順番は多少前後しても問題ありませんが、コンセプトの検討と市場調査は事業の根幹に関わることなので、事業計画書を作成する前に行いましょう。

物件決めから始めるパターンもありますが、初めて飲食店を開業する場合はおすすめできません。
コンセプトや事業計画、工事など、すべてその物件にあわせて進めることになるため、経営の難易度が上がってしまいます。

コンセプトや市場調査に基づいて作成した事業計画書は、開業後もお店の目標や方向性を指し示してくれる重要なアイテムです。
長くお店を続けるためにも、着実に開業までのステップをこなしていきましょう。

飲食店の開業について、詳しくは関連記事「飲食店開業を成功させるには|開業の流れや繁盛のポイントを解説」を併せてご覧ください。

成功する飲食店に共通する3つの重要ポイント

飲食店開業において大切な要素はいくつもありますが、とくに重要なポイントは以下の3つです。

  • コンセプトを明確にする
  • お金の動きを把握する
  • 集客を実践する

1. コンセプトを明確にする

コンセプトは事業の根幹となる非常に重要な要素です。
お店のすべてはコンセプトによって決まると言っても過言ではありません。
下記は「コンセプトに応じて決めるもの」の一例です。

  • 外装・内装
  • 椅子やテーブル、調度品
  • 食器類
  • メニュー内容、料金
  • 食材、調理方法、味付け、盛り付け
  • 接客方法
  • 集客方法

しかしコンセプトが明確でないと、なにを目指しているお店なのかが分からなくなり、「どのようなシチュエーションに使えるお店なのか」が判断しにくくなるため、利用者が増えにくいです。

たとえば田舎で大衆居酒屋と看板を掲げているにも関わらず、高級な食器を使いかしこまった接客をすると、お客様は戸惑ってします。
土地柄と大衆居酒屋という看板から、「安くて美味しい気さくなお店」をお客様は想像し、期待して来店するためです。

もちろん、そのようなお店が低価格で飲食できるなら話題になるかもしれませんが、食器やスタッフにかかる人件費を考えるとかなり割高になるはずなので、リピーターを獲得するのは難しいでしょう。

またお客様の中には、お店のコンセプトに共感してリピーターになる方が数多くいます。
どのようなお店かと問われたときに、お客様がはっきり言えるような、明確なコンセプトを打ち出すことが重要です。

2. 飲食店の売上やコストを理解する

「これまで経営や経理に携わってこなかった」「おいしい料理を作ることにしか興味がない」など、お店の数字に関して分からない、興味がないと言う方もおられるでしょう。
しかし飲食店を経営するには、お金の動きに関してある程度把握する必要があります。

以下について理解し把握したうえで開業に踏み切るようにしましょう。

  • 開業時の自己資金と借入額の割合は妥当なのか
  • 初期投資の回収期間に関する計画を立てているか
  • 運転資金は確保できているか
  • FLコストや損益分岐点を把握しているか
  • 帳簿付けなど基本的な経理業務が行えるか

開業前に上記の項目をクリアすることで成功の確率は高まります。
また、開業後も重要となるのが「売上とコスト」についてです。
この2点を把握しておかないと、無事開業を果たし、客数が増えたとしても利益が出ないといった状況になりかねません。

飲食店の売上は『客単価×客数』の計算式で算出できます。
そして営業利益の計算方法は『売上−コスト』です。
つまり売上は多く、コストは抑えるのが理想的な経営方法と言えます。
しかし、一般的な飲食店でコスト(主にFLコスト)を抑えすぎると、お客様が来店しなくなる可能性が高いため、ある程度コストをかける必要があります。

繁盛店にするためには、目標の売上高を設定し、適切にコストをかけることは必須事項を言えるでしょう。
飲食店の売上をあげる方法については「飲食店が覚えておくべき売上の増やし方|客単価やリピーターの増やし方」を併せてご覧ください。

3. 集客を実践する

新規開店の場合、工事中の様子や近隣住民の口コミなどの影響で、オープン直後は大勢のお客様が来店することもあります。
とはいえしばらくすると落ち着いてしまい、ガラガラの状態になってしまうことも。

とくに郊外や住宅地のお店は、近隣のお客様が押し寄せてきたあと、そのような状態になる傾向がみられるため、集客の実践は必須です。

飲食店の集客とはお客様を呼び込む施策全般を指します。
具体的には、チラシや店頭のディスプレイ看板をはじめ、ホームページやGoogle ビジネスプロフィール、SNS、グルメサイトなどの活用が集客にあたります。

費用を押さえたい場合は、Google ビジネスプロフィールやSNSの活用が有効です。
Google ビジネスプロフィールには無料でホームページに掲載するのと同じくらいの情報が入力できます。
またInstagramなどを使い、店内や料理などの写真や動画を頻繁に投稿すれば、それを見て来店したお客様がさらに拡散してくれるケースもあります。

これらの施策に加え、費用が潤沢にある場合は、ホームページを作成しお店の情報を掲載した上で、予約フォームを設置しましょう。
予約フォームから予約が入ると、お客様の個人情報が入手できるため、リピーター施策に活用できます。

上記の例を含め、集客の方法はさまざまですが、お店に合った複数の方法を並行して行うことで集客効果が加速するでしょう。

飲食店の集客方法については「飲食店の集客|すぐに実践できる8つのアイディアと売上UPのコツ」を併せてご覧ください。

従業員の教育を効率化するマニュアルは必須

飲食店の経営で忘れてはならないのが、お店を支えてくれる従業員への教育についてです。
口頭や身振りだけで教えていては、覚えるまでに個人差がでてくるため、サービス品質の均一化は困難です。
加えて業務中に寄り添い、教え続ける行為は現実的ではないことから、新人スタッフの成長には長い時間が必要になってしまいます。

また教える人によって指導内容が異なることも多く、「先輩によって言ってることが違う」と新人スタッフの不満や混乱を誘発してしまうケースも。
マニュアルを用意すればそのような事態を避けながら、仕事内容を効率的に学べるため、短期間でのスキル向上が見込めます。

マニュアルの作成には手間がかかりますが、作ってしまえば頻繁に作り替える必要はありません。
お店の業務に沿って詳細なマニュアルを作成すれば、教育コストの削減や人手不足問題の解消につながるでしょう。

飲食店のマニュアル作成方法は「飲食店のオペレーションマニュアル|言葉遣いや業務フローまでを解説」を併せてご覧ください。

経営者が押さえておきたい飲食店DXの基本

多くの業種がDXに取り組み始めた流れもあり、飲食店にもDXの波がやってきています。
自店が取り組むかどうかはともかく、時代の流れを把握するためにも知識を身につけることは大切です。
ここでは飲食店DX初心者に向けて、基礎的な内容を紹介します。

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術でビジネスや働き方を変化させることです。

DXとデジタル化は同じように解釈されることがありますが、目的が異なります。
デジタル化がアナログ手法からデジタル技術への置き換えに対して、DXはビジネス全体の変革を指すと解釈しましょう。

飲食店DXで得られる主なメリットは下記の7つです。

  • 人手不足を解消できる/人件費を削減できる
  • 顧客情報を取得・蓄積できる
  • 顧客満足度を向上できる
  • ヒューマンエラーを軽減できる
  • 集客力を向上できる
  • 再来店を促進できる
  • 非接触でサービスを提供できる

そのほか飲食店の推進方法や注意点などは「飲食店のDX推進に必要なこと | デジタル化のコツや注意点などを解説」を併せてご覧ください。

まとめ|飲食店の経営は難しいがやりがいはある

飲食店の経営や開業について解説してきました。改めて本記事の結論をまとめてみます。

なぜ飲食店の経営は難しいと言われるのか

  • お金や経営の知識を身に着けずに開業しているため
  • 高い廃業率が経営の難しさを示している

飲食店の廃業率が高い4つの理由

  • 初期投資の費用が大きい
  • 運転資金の不足
  • 計画性に欠けた店舗経営
  • 体力や気力がもたない

飲食店経営をするために必要な資格や知識

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者(事業規模により必要)

飲食店を経営すために必要な知識

必須のものはないが、経営やマーケティング、経理の知識を身に着けたほうが良い

飲食店を開業するまでの手順

  • お店のコンセプトを決める
  • 市場調査を行う
  • 事業計画書を作成する
  • 物件を探し始める
  • 資金の調達(借入先の確保)
  • メニュー開発
  • 店舗賃貸契約
  • 外装・内装工事施工
  • 資格取得・各種申請(税務署・保険所・消防署等)
  • 厨房設備・什器備品購入の上、搬入設置
  • スタッフ募集・採用・教育
  • プレオープン
  • グランドオープン(開業)

飲食店開業の失敗を避けるために押さえておきたい注意点

  • コンセプトを明確にする
  • お金の動きを把握する
  • 集客を実践する

補助金や給付金を活用すれば経費が削減できる

  • 補助金などのサポート制度を上手に活用し、経費を抑えて利益を確保する

飲食店の開業、経営へ携わる際にお役に立ててください。

安定した経営を目指すなら顧客情報を貯めることが重要

・長く続けられるお店を作りたい
・季節や天候の影響で客数を減らしたくない
・コロナ禍など外的要因に左右されにくいお店にしたい

もしもこのような想いがあるなら、顧客台帳としても使えるトレタの予約台帳を検討してみませんか。来店履歴の"見える化"で接客や集客の強化に繋がります。

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・長く続けられるお店を作りたい
・季節や天候の影響で客数を減らしたくない
・コロナ禍など外的要因に左右されにくいお店にしたい

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