インターネット環境の向上や、スマートフォンが普及した影響もあり、飲食店の約8割がSNSを活用していると言われています。(下記記画像参照)
アンケート:貴店では現在、SNSを活用した集客を行っていますか?「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」
ただしSNSを通じた集客の効果を実感しているなど、SNS運用に成功している店舗はほんの一握りです。
なんとなくの流れからSNS運用を始めたものの、成果が上がらないと悩んでいるお店も多いのではないでしょうか。
飲食店のSNS運用で成功するには、目的を定め、その目的を達成するための手段としてSNSを活用する必要があります。
また、SNS運用を継続するためには環境作りも大切です。
デジタルツールやDXを取り入れ、業務を効率化することで、SNS運用に取り組む時間を確保しやすくなるでしょう。
本記事では、飲食店がSNSを活用することのメリット、また失敗しないために知っておきたい注意点などを紹介し、後半に運用方法について解説します。
集客アイデア10選
飲食店がSNSを活用するメリットやデメリット
日本国内で最も利用者数の多いLINEのアクティブユーザー数は9,400万人(2022年12月末時点)、Twitterが4,500万人(2017年10月時点)、Instagramが3,300万人(2019年6月時点)と、SNSを利用しているユーザーは国内に数多く存在しています。
飲食店のSNS運用は、上記のユーザーに対してSNSを通じてお店の魅力を発信し、集客やお客様との関係性構築などに生かすことが主な目的となります。
具体的なメリットやデメリットは下記のとおりです。
SNSを活用するメリット
- 費用をかけず、すぐに始められる
- ウェブ予約ボタンや予約フォームへのリンク設置で予約数の向上が見込める
- コメントや返信によりお客様との関係性を深められる
- より多くのお客様にお店の情報を届けられる
- 画像や動画で料理の魅力や美しさ、店内の様子をリアルタイムに近い状態で伝えられる
- 投稿から想像が膨らみやすく「食べてみたい」「行ってみたい」に直接繋げるきっかけがつくれる
費用をかけず、すぐに始められる
一部を除き、SNSは無料でアカウントの作成、運用がおこなえます。
アカウント作成にかかる時間はほんの数分程度で、すぐに投稿のできる環境が整うため、いつでもSNS運用を開始できます。
登録から運用開始まで、これほど短時間で取り組めるマーケティング施策はほかにないでしょう。
ウェブ予約ボタンや予約フォームへのリンク設置で予約数の向上が見込める
SNSの多くは、予約ボタンや予約フォームへのリンクが設置できる仕様になっています。
SNSの投稿内容に共感したり、興味を持ってもらえれば、その場で予約に繋がる可能性があります。
通常、ホームページよりSNSのほうが閲覧するユーザーが多いため、予約数増加が期待できるでしょう。
コメントや返信によりお客様との関係性を深められる
SNSではお店とユーザーで相互コミュニケーションが可能です。
「わざわざ電話で聞くほどでもない、ちょっとした疑問」など、SNSのコメント欄に書き込むユーザーは多く、そこからのやり取りが集客に繋がるケースは少なくありません。
また、既存の顧客とコメントやDMを通じてやり取りできるため、さらに関係性を深める効果も見込めます。
より多くのお客様にお店の情報を届けられる
SNSは非常に拡散性に優れているのが特徴で、とくに高い関心を引く投稿では「バズる」こともあり、そうなれば爆発的に情報が広がっていきます。
ホームページでは、どれほど積極的にSEOへ取り組んでいても、このように一気に情報が拡散されることはないため、SNS特有の現象と言えます。
無料でより多くのお客様に情報を届ける手段として、SNS運用は最適です。
画像や動画で料理の魅力や美しさ、店内の様子をリアルタイムに近い状態で伝えられる
スマートフォンさえあれば、気軽に撮影、SNSに投稿できるため、お店の様子をリアルタイムに近い状態で発信できます。
お客様が知りたがっている仕込みの様子や、その日だけの限定メニューなどを投稿すれば、即日来店するお客様もいるはずです。
また、アイドルタイムや閉店後の時間等に営業中の状態を擬似的に再現し、撮影、投稿することで店内の様子を知ってもらうといった方法は、高い集客効果が期待できます。
投稿から想像が膨らみやすく「食べてみたい」「行ってみたい」に直接繋げるきっかけがつくれる
ホームページの料理画像は、メニューの内容を伝えることを目的としていることが多く、ユーザーの行動を喚起するには、ややインパクトに欠ける傾向が見られます。
一方、SNSはユーザー目線での撮影や「食べないと損する」など、多少煽るようなコメントでユーザーの「見てるだけでなく、実際に食べたい」という気持ちを引き出しやすいといった違いがあります。
また、お客様が投稿した内容に反応して「自分も行ってみたい」と感じ、来店してくれる新規顧客も多いこともメリットのひとつです。
SNSを活用するデメリット
- 炎上するリスクがある
- 更新等運用の手間がかかる
炎上するリスクがある
SNS運用に炎上リスクはつきものです。
投稿内容が炎上すれば、誹謗中傷のコメントやDMなど山のように届き、悲惨な状況になることもあります。炎上を完全に回避することは難しいですが、下記の点に留意して、炎上しにくい投稿を心がけましょう。
炎上を予防する方法
- 炎上しやすい話題を避ける
- 誤った情報や捏造した情報を発信しない
- 複数人でSNSを運用する
- SNS運用のガイドラインを制定する
更新等運用の手間がかかる
SNSのタイムラインは次々と更新されるため、ユーザーの関心を引くには定期的に投稿をおこなう必要があります。
しかし毎日何回も投稿していると、ネタがなくなり、投稿内容を考えるだけでも相当の時間がかかってきます。
とはいえ、同じような内容の投稿を続けていると、ユーザーから避けられる可能性もあるため、手を抜くことはできません。
SNS運用は更新の手間に加え、投稿ネタ探しに苦労するといったデメリットがあります。
上記のメリット・デメリットをまとめると、「無料で取り組め集客に役立つ一方で、更新の手間があり炎上リスクに注意が必要」といったところでしょう。
つまりSNSの運用はリスクがあるものの、活用次第で費用対効果の高い集客ツールになりえると言えます。
成功しているSNSアカウントは目的がはっきりしている
SNSは「他店が取り組んでいるから」「なんとなく始めてみた」など、曖昧な動機で始めると更新の手間が面倒になり、成果を得られないまま挫折してしまうケースが大半です。
SNS運用を成功させるためには、まず目的を明確にしてからアカウントを作成する必要があります。
なぜなら目的を決めることで継続しやすくなるほか、SNSの選択や投稿内容が異なってくるためです。
SNS運用の目的
SNS運用の目的は主に下記の3つです。
- 集客
- 関係性構築
- 問い合わせ先
【集客】
SNS運用をおこなう理由でもっとも多いのが集客です。
SNSで知名度や認知度を上げつつ、来店の動機になるような情報を発信していきます。
SNSでの発信は、Twitterのようなテキスト形式で発信する場合は毎日の更新、InstagramやTikTokなど画像や動画形式ならインパクトを与えるようなものを意識すると効果的です。
【関係性構築】
SNSを通じ、お客様との関係性を構築する目的で運用します。
発信内容は、新メニューや限定メニュー、イベント告知、日々の出来事などを中心に投稿すると良いでしょう。
投稿に対してのコメントでやり取りしたり、DM機能を使用して直接メッセージを交わしたりなど、お客様と接点をもつことでファンを獲得できます。
テキストでのやり取りの利便性を考えると、LINEやTwitterが向いています。
【問い合わせ先】
お店のホームページを持っていない場合、問い合わせ用としてSNSを活用する方法もあります。
その場合、ホームぺージに記載されているような情報を最初に設定しましょう。
下記の情報は必ず入れておきたい項目です。
- お店の特徴やコンセプト
- お客様へのメッセージ
- 外観や内装、料理などの画像
- コースやメニューの内容
- 住所や電話番号、メールアドレス
- アクセス方法
- 駐車場の有無
相性の良いSNSは多くの情報を掲載しやすいfacebookやnoteでしょう。
noteは通常のSNSと違い、ブログに近いスタイルで人気上昇中のサービスです。
機能が多いためfacebookより導入のハードルは高いですが、ホームぺージのような運用もできます。
ただしnote単体では拡散力が低いため、ほかのSNSに投稿の周知をおこなうなど、複数のSNSと組み合わせる必要があります。
データから見るSNSアカウント
アンケート:集客を目的として貴店が今最も活用しているSNSをひとつ教えてください「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」
ここからはデータから見たSNSの種類・投稿内容・更新頻度や、SNS運用に成功しているアカウントの特徴について解説します。
上記の調査では、SNSのなかでも飲食店はInstagramを活用しているお店が多いことが分かります。
画像投稿がメインのInstagramは飲食店と相性が良いため、活用しやすいことが主な理由でしょう。
また下記の画像のように、1タップで予約フォームに遷移する「予約ボタン」を設置できるのも大きな魅力と言えます。
画像引用:株式会社ぐるなび
ただしInstagramに「予約ボタン」を設置するには、「食事の注文機能の提携パートナー」と契約している必要があります。
提携パートナーがグルメサイトの場合、送客手数料が発生するケースも多いため注意が必要です。
無料で運用したい場合は、送客手数料が発生しない提携パートナーと契約してから「予約ボタン」を設置しましょう。
また近年では他店との差別化を図るため、TikTokやYouTubeなど、新しいチャネルに挑戦し、20代を中心とした若年層の顧客獲得に力を入れるお店が増えてきました。
いずれにせよ、目的に応じて最適なSNSを選択し、継続して取り組むことが成功の秘訣と言えます。
下記の各SNSの特徴を参考に、自分のお店にあったSNSを探しましょう。
※トレタは「食事の注文機能の提携パートナー」に加盟しており、送客手数料などの手数料は無料です。
<飲食店が活用している主なSNSのメリット・デメリット>
SNSの種類 | メリット | デメリット |
・視覚的効果に優れている ・ハッシュタグをうまく活用すればPR効果が高い ・若年層〜中年層にユーザーが多い ・Instagramで飲食店を探すユーザーは多い | ・高齢層への効果が低い ・拡散力はそれほど高くない | |
・機能性に優れている ・登録に本人確認が必要なため信頼性が高い ・中年層に支持されている | ・若年層に情報が届きにくい ・拡散力はそれほど高くない | |
・拡散力が強い ・新しい顧客層の発掘ができる ・フォロワーとコミュニケーションがとりやすい ・若年層〜中年層にユーザーが多い | ・フォロワーが少ないと効果が薄い ・炎上リスクが高い | |
LINE公式アカウント | ・多くの情報を伝えられる ・「友だち」とコミュニケーションがとりやすい ・一般に公開したくない内容も配信しやすい・1対1のトークが可能 | ・「友だち」登録数獲得に時間がかかる ・「友だち」以外には情報が伝わらない |
TikTok・YouTube | ・動画で情報を伝えるためテキストより伝わりやすい ・ファンをつけやすい ・若年層へ与える影響が大きい | ・若年層以外に情報が届きにくい(特にTikTok) ・撮影に時間と手間がかかる |
投稿内容
SNSの投稿内容から、お客様がなにを求めているのかを探りましょう。
アンケート:SNSの活用で集客または売上の効果を実感するのは、どのような内容の投稿を行った場合が多いですか?「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」
上記の調査によると、もっとも反応の良い投稿は「新作またはおすすめメニュー」です。
次に多かったのが「イベントなどの告知」という結果が出ました。
この結果から、お店に来るための動機になる投稿の反応が良く、集客や売上向上に貢献していることが読み取れます。
またSNS運用において「日常のつぶやき」に関する投稿は興味を持たれにくいため、避けた方が良いと言われていますが、このデータを見る限り一定の効果は出ているようです。
とはいえ、よほど常連客の多いお店以外はプライベートな内容に偏りすぎないよう、注意したほうが良いでしょう。
更新頻度
定期的にSNSを更新しないと、お客様は興味を失ってしまう可能性があります。
上記の表はInstagramを運用している飲食店に対し、更新頻度についてトレタが独自に調査した結果です。
調査対象の約半数は週1回以上更新していることが分かります。
週1回以上更新している理由は、頻繁に更新するほうが集客や売上に効果があると肌で感じているためと推測できます。
更新は毎日できれば理想的ですが、現場の業務をこなしながらネタを考え、投稿するのは大変です。
無理して内容の薄いものを投稿するよりは、戦略に沿った内容で2〜3日に1回程度の更新を目指しましょう。
成功しているSNSアカウントの特徴
SNS運用の目的を明確にするのが大前提ですが、フォロワー数やいいねの数が増えると、ターゲット顧客に情報が届きやすくなります。
成功店から良いところを吸収し、お店のSNS運用に役立てましょう。
フォロワー数、いいね数が多いアカウントの特徴(※トレタ調べ)は下記のとおりです。
- フォロワー数の多さに対し、いいね数は比例する傾向にある
- 週1回以上の更新が見られる
- 自社公式ページ、トレタかんたんウェブ予約など、予約に繋がるリンクを掲載している
- アカウント内のプロフィールに「どのようなお店か」を記載している
- 画像素材はアカウントの色によって統一している(”映え”と呼ばれるもの等)※画像の色加工、画像の文字入れ、アングルなど
- 特に個店が運用するアカウントは、コメントへの返信などユーザーとのコミュニケーションを大切にしている
- ユーザー投稿への反応/利用(ユーザー投稿をリポスト、投稿にいいねなど)
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SNSの運用方法
飲食店のSNS運用方法を大きく分けると、自ら取り組むケースと運用代行会社に外注するケースがありますが、予算を抑えてSNSを運用する場合、自身のお店での運用が一般的です。
上の章でも触れていますが、SNS運用は目的を明確にすることからはじめ、運用計画を立ててから運用を開始します。
SNSをはじめるためのステップ
ここからはSNSを運用する方法を7つのステップで解説します。
STEP1:目的を明確にする
まずはなぜSNSを運用するのかを明確にします。
たとえば下記のような目的が挙げられるでしょう。
- お店の認知度を上げたい
- 集客に役立てたい
- お客様とコミュニケーションを取りたい
最初の段階で目的を決めておくと、後ほど戦略や計画を立てる際に一貫性が保てます。
STEP2:ターゲットを決める
SNS運用の目的設定と並ぶ重要な要素として、ターゲット選定が挙げられます。
ターゲットに応じてどのSNSを選択するのか、また発信内容や投稿時間、投稿頻度などが決まってくるため、具体的にターゲットを設定しましょう。
ターゲットを決めるにはペルソナ設定の活用が効果的です。
ペルソナ設定とは、マーケティングの際に使用される概念で、「ターゲットとなる架空の人物像を詳細にイメージしたもの」を指します。
ペルソナ設定では下記のような要素を埋めていきます。
ペルソナ設定に必要な要素の例
- 名前
- 性別
- 年齢
- 学歴・仕事(役職)
- 年収
- 家族構成
- 住宅・居住地
- 性格
- 好きな料理
- 使用しているSNS
- Webブラウジングに費やす時間
このように具体的な人物像を設定することでターゲットが明確になります。
ただし架空の人物とはいえ、思いつくまま決めてしまうと実際のターゲットからズレてしまうケースがあるため注意が必要です。
実際の常連客のなかから理想の顧客に近い方を選び、イメージを膨らませペルソナ設定に活用すると良いでしょう。
STEP3:SNSを選択する
次に運用するSNSを選択します。
目的やターゲット(ペルソナ)に応じてSNSを選択することは、成果を得る上で重要なポイントです。
テキスト形式が良いのか、または画像や動画形式が良いのかなどを加味して考えましょう。
STEP4:戦略を練る
どのようにSNSを運用していくか戦略を練ります。
目的(ゴール)を設定し、そこの辿り着くまでの過程を決めていく工程です。
投稿形式(テキスト・画像・動画など)や投稿内容、更新頻度、投稿時間などを決めましょう。
その際、エクセルやGoogle スプレッドシートなどで管理すると、内容の重複や漏れを防ぎやすくなります。
STEP5:運用計画を立てる
SNS運用を開始する前に、運用計画を立てる必要があります。
戦略に沿って、計画を立てていきましょう。
さらに無料で運用するのか、広告を出すのかを決め、予算の設定をおこないます。
また具体的にスケジュールを設定することで、挫折しにくくなるメリットも享受できます。
STEP6:運用を始める
目的設定から運用計画まで進めば準備は完了です。
これまで決めてきたことを実行に移していきます。
運用開始後に問題が生じた場合はしばらく様子を見て、原因が特定できてから問題解決に取り組みましょう。
ただし、間違った情報などはお客様に迷惑をかけるため、気づいた時点ですぐに訂正する必要があります。
STEP7 :投稿を分析し改善を繰り返す
SNS運用は投稿して終わりではありません。
投稿に対する反応を分析し、改善を繰り返すことで投稿の品質が上がり、成果に繋がります。
つまり目標を達成し続けるためには、「PDCAサイクル」を継続的に回すことが重要と言えるでしょう。
画像引用:リコーのマーケティング支援
※PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)のサイクルを繰り返すことで、業務品質の向上や効率を高めることを目的として手法のことです。
運用代行を活用する
自身のお店で、SNS運用に関わるすべての作業をおこなうことが難しい場合、SNSの運用代行を活用すると良いでしょう。
SNS運用を運用代行会社に外注すれば、運用にかかる時間の短縮や作業の手間を軽減できます。
またSNS運用のプロである代行会社の多くは、独自の運用ノウハウを持っていることもあり、目標達成への近道になるケースもあります。
SNS運用代行の費用は、依頼する内容によって大きく変動しますが、作業が投稿のみの場合は月額3万円〜10万円が相場です。
ただしコメント返信や投稿に対する分析、レポート作成などを入れると20万円〜となり、相場の費用が上がってきます。
予算が潤沢にあるケース以外は、投稿を依頼する程度に留めておき、コメントへの返信等は自身のお店でおこなうようにしましょう。
急なトラブルをカバーしたいときにもSNSは活用できる
SNSは集客や宣伝のためだけでなく、トラブルがあったときなど緊急のお知らせにも活用することができます。
例えば、店舗設備の不備や仕入れのトラブルなど予測できない事態によって閉店しなければならないとき、SNSを運用していれば事前にお知らせすることができます。
また、無断キャンセルにも有効です。特に団体客の無断キャンセルによってたくさんの空席ができてしまったとき、SNSを使って空席情報をお知らせすることで常連客やフォロワーに直接アプローチすることができます。
ちなみに無断キャンセルは「ノーショー」とも言われ、最近では悪質なノーショーが多発してニュースとして取り上げられるなど飲食業界の中で問題視されています。無断キャンセルは100%防ぐことは難しいですが、リマインドメールを送ったり、1ヶ月先までの予約のみ受け付けるなどして対策を行って発生する可能性を下げることは可能です。
より詳しく無断キャンセルについて知りたい方は「飲食店の無断キャンセル対策入門 | 現状や原因、顧客の声も紹介」を併せてご覧ください。
SNS上でも大切なのは接客力
SNSは基本的に写真やテキストなどインターネット上でのコミュニケーションとなりますが、対面よりも距離感が生まれやすいからこそ、イートインでのおもてなしと同じぐらいの丁寧な対応が大切ともいえます。
そもそも、飲食店の接客で大切なことは何でしょうか?それは顧客の声を見てみると答えが見えてきます。
トレタが行った「飲食店でされて嬉しかったこと」というアンケートでのベスト3は下記の通りです。
- お店の人から気持ちの良い挨拶があった 84.9%
- こちらが困ったとき、お店の人がサポートしてくれた 80.2%
- 「いつもありがとうございます」と言ってくれた 70.8%
引用:「飲食店でされて嬉しかったことランキング」トレタアンケートより
これらは主にイートインでの話ですが、SNS運用のヒントにもなります。
例えば、投稿の書き出しや書き込みに対して元気のよい表現を用いて挨拶する、質問があったら丁寧に回答する、最後に「いつもありがとうございます」と添える、などといった工夫は、イートインでの接客と共通します。
オンライン上でユーザーの興味や関心を惹き、炎上を防ぐには、オフラインのコミュニケーションと変わらないコミュニケーション意識することが大切です。
より詳しく接客について知りたい方は「飲食店の接客|オペレーションの改善で売上を作れる秘訣とは」を併せてご覧ください。
業務効率化によってSNSも手軽に運用できる環境を作ろう
毎日忙しい営業の中で、SNSの運用に手が回らない飲食店は少なくないでしょう。そこで大切なのが、業務効率化を図っていくこと。そしてこの業務効率化においてポイントのひとつとなるのが「デジタル化」です。
飲食店の業務は、会計や注文受付、予約の電話対応などひとつひとつ手作業で済ませなければならないアナログなシーンが多数あります。
ところが、近年ではデジタルツールが発達し、これらのシーンに導入することで大幅な効率化を実現できるようになっています。
デジタルツールを有効的に活用することで既存の作業時間が短縮されれば、新しく生まれた時間をSNS運用に充てられるようになるでしょう。
しかし、今までのやり方のままSNS運用の業務を増やせば、従業員にとっては大きな負担となりかねません。
新たな取り組みを行っていく上では、業務効率化もセットで考えていくことが大切です。
このように、業務効率化は今後の飲食店が成長していくために重要な課題のひとつと言えます。
より詳しく業務効率化について知りたい方は「飲食店の業務効率化|成功の秘訣はアナログからデジタルへの移行」を併せてご覧ください。
SNS運用以外の集客施策も考える
ここに至って今さらと感じるかもしれませんが、SNS運用に取り組んでも、すぐに成果が上がるものではありません。
SNSからの集客はある程度の期間を要するため、SNS運用と並行してほかの集客手段に取り組み、掛け合わせることで集客効果が高めていくのが正攻法です。
SNS運用以外の集客方法の例を挙げると、たとえばアナログ手法ではビラ配り、デジタル手法ではGoogle ビジネス プロフィール(旧称:Google マイビジネス)の活用など、費用を抑えて取り組める施策はいくつもあります。
このように、集客はさまざまな方法で取り組むことが大切であることを念頭においた上でSNS運用をおこないましょう。
飲食店の集客について詳しくは「飲食店の集客アイディア8つ!売上アップのコツや集客ツールを紹介」を併せてご覧ください。
まとめ|SNS運用は戦略や計画性が重要
飲食店のSNS運用について解説してきました。改めて本記事の結論をまとめてみます。
飲食店のSNSを活用するメリットやデメリット
メリット
- 費用をかけずに今すぐ始められる
- ウェブ予約ボタンや予約フォームへのリンクが設置できるため予約数の向上が見込める
- コメントや返信によりお客様との関係性を深められる
- より多くのお客様にお店の情報を届けられる
- 画像や動画で料理の魅力や美しさ、店内の様子をリアルタイムに近い状態で伝えられる
- 投稿から想像が膨らみやすく「食べてみたい」「行ってみたい」に直接繋げるきっかけがつくれる
デメリット
- 炎上するリスクがある
- 更新の手間がかかる
成功しているSNSアカウントは目的がはっきりしている
- 目的を決めることで、SNSの選択基準や投稿内容が異なってくる
- 主な目的は「集客」「関係性構築」「問い合わせ用」の3つ
飲食店が運用しているSNSについて
- Instagramが約60%と最も使用されている
- TikTokやYouTubeなど、新しいチャネルに挑戦するお店が増えてきた。
- 集客や売上に効果を実感する投稿内容は「新作またはおすすめメニュー」
- 更新頻度は週1回以上おこなう
成功しているSNSアカウントの特徴
- フォロワー数の多さに対し、いいね数は比例する傾向にある
- 週1回以上の更新が見られる
- 自社公式ページ、トレタかんたんウェブ予約など、予約に繋がるリンクを掲載している
- アカウント内のプロフィールに「どのようなお店か」を記載している
- 画像素材はアカウントの色によって統一している(”映え”と呼ばれるもの等)※画像の色加工、画像の文字入れ、アングルなど
- 特に個店が運用するアカウントは、コメントへの返信などユーザーとのコミュニケーションを大切にしている
- ユーザー投稿への反応/利用(ユーザー投稿をリポスト、投稿にいいねなど)
SNSの運用方法
下記のステップで取り組む
- 目的の設定
- ターゲットを選定
- SNSを選択
- 戦略を練る
- 運用計画
- 運用開始
- 分析・改善
運用代行を活用する場合
- SNS運用にかかる時間や手間が減る
- 運用代行会社のノウハウを享受できる
- SNS運用のプロからアドバイスを受けられる
- 費用は投稿のみで3万円〜10万円が相場
- コメント返しや分析を依頼すると20万円以上必要
- 費用を抑えるには投稿のみを依頼する
SNS運用以外の集客施策も考える
- 集客が目的の場合、ほかの施策と掛け合わせることが大切
SNS運用を、「他店が取り組んでいるから、なんとなく」といった動機で始めてしまうと、成果を待たずに挫折する可能性があります。SNSを楽しむだけでなく、集客などのビジネス用途で活用するなら、目的の設定や戦略は必須です。
計画性のあるSNS運用をおこない、効率よく目標を達成しましょう。