MEOとは、Google マップにおいて自店舗を検索結果の上位に表示させるための施策のことです。
飲食店・小売店・サービス業など、自店舗で販売やサービス提供をおこなうビジネスであれば、MEOを実施することで集客を増やせる可能性が十分にあります。
しかし、MEOはGoogle に評価されなければ検索結果で上位を取れないため、Google が何を基準として順位を決定するのかを理解し、その基準を満たせるような対策を講じる必要があります。
MEOは自分で対策しやすい施策であるため、正しいやり方を把握し、適切にGoogle ビジネス プロフィールの運用をおこなっていきましょう。
本記事では、MEOのメリットや検索順位が決まる仕組みから、MEOの具体的な対策まで詳しく解説しています。初心者でも取り組める内容となっていますので、これから取り組み始めるけれど、なにもわからないという方も、ぜひ参考にしてください。
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MEOとは「マップ検索エンジン最適化」のこと
冒頭でも解説しましたが、MEO(Map Engine Optimization)とは、Google マップにおいて、自店舗の「Google ビジネス プロフィール」を検索結果の上位に表示させるための施策のことです。日本語では、「マップ検索エンジン最適化」と言われます。
以下の緑の枠が検索結果として表示された店です。
この結果の上位に自店舗を表示させることで、ユーザーの目に留まりやすくし、来店促進に繋がります。
また、自店舗の営業時間などの詳細を掲載するだけでなく、最新情報の発信や予約ボタンの設置などもできるため、効果的な集客が可能になります。
SEOとMEOの違い
「検索結果で上位表示させる」という点では、SEOと似ていると感じた人もいるでしょう。しかし両者の目的が上位表示であっても、やり方はまったく異なるのです。
SEOは自然検索で自社のコンテンツを上位表示させるための施策であり、ユーザーにとって有益なコンテンツの作成や、見やすく使いやすいWebサイトの構築などをおこないます。
対してMEOは、Google マップで上位表示させるための施策であり、正しい情報を掲載する・情報やクーポンを発信する・口コミを増やすといった施策をおこないます。
実店舗を運営する企業がMEOをおこなうべき理由
実店舗がある店を運営しているのであれば、MEOに取り組むことをおすすめします。なぜなら近年、事前に店舗の情報を調べてから来店する消費者が増えているからです。
2021年に株式会社Patheeが調査した「実店舗来店前のネット利用に関する調査」によると、非日用品を店舗で購入する前に、8割近くの人が事前にインターネットで検索をおこなっていることがわかりました。
具体的に何を調べていたかは、以下の通りです。
引用:株式会社Pathee、実店舗来店前のネット利用に関する調査を実施
どの項目においても「必ず/概ね調べる」と回答した人は半数を超えており、上記の項目の多くはGoogle マップでも得られる情報です。
この調査は小売店を対象としていますが、株式会社エフェクチュアルのおこなった「Google マップ運用調査 2022」によると、Google マップでは小売店よりも飲食店を検索する人の方が多いこともわかっています。
また、飲食店の場合は小売店とは異なり、経路・写真・口コミが重視される傾向があり、店の場所と雰囲気を事前に確かめたい人が検索していることも推測できます。
このことから、店を事前に検索した結果、自店舗の情報がGoogle マップにほとんど情報が載っていなかったり、そもそも表示されなければ、ユーザーの候補から外されてしまう可能性が大いにあります。
そのため、実店舗を運営しているのであれば、MEOに取り組むべきなのです。
MEOを実施するメリット
MEOを実施するメリットは、以下の通りです。
- 自分で対策ができる
- 費用を抑えながら集客できる
- 中小店舗でも上位表示できる可能性がある
- Webの検索結果よりも上に表示されることがある
- 来店見込みが高いユーザーに訴求しやすい
では、これらについて詳しく解説していきます。
自分で対策ができる
SEO対策の場合は、コンテンツ作成やWebサイトの構築など、専門的な知識がなければ取り組んでも成果を得にくいという特徴があります。対してMEOは、正しいやり方を理解できていれば、誰でも取り組める施策です。
ただし、やり方を理解しないままおこなった場合は、対策をしても成果が得られない可能性があります。やり方は後述する「自分でできる6つのMEO対策」で詳しく解説していますので、何をすべきかは十分理解してから実施しましょう。
費用を抑えながら集客できる
MEO対策は、自分で実施する分には費用がかからず、無料で実施できます。そのため、必要となるコストはGoogle ビジネス プロフィールを運用するための人件費のみです。
また、外部に依頼した場合もSEO対策などに比べて費用は安い傾向にあります。
そのため、集客したいけれどコストはかけられないという店舗でも、気軽に取り組める施策だと言えるでしょう。
中小店舗でも上位表示できる可能性がある
SEO対策の場合、大手企業やポータルサイトが上位を占めているケースが多く、ドメインによっても影響されるため、上位表示が難しいケースが多くあります。
しかし、MEOの場合は自店舗がある地域の店舗のみが競合となるため、競合性が低く、中小店舗でも上位表示させることは十分に可能です。
Webの検索結果よりも上に表示されることがある
MEOはGoogle マップで上位表示される施策とお伝えしましたが、自然検索でも効果を得られます。
以下は、「池袋 歯医者」で検索した結果ですが、リスティング広告の下にGoogle マップと上位3位までのGoogle ビジネス プロフィールが表示されています。
つまりMEO対策によって上位表示されれば、Google マップを開かずGoogle 検索で店探しをしている人にも、店舗の情報をクリックしてもらえる可能性があるということです。
来店見込みが高いユーザーに訴求しやすい
Google マップでの検索や、地域名を含むキーワードでGoogle 検索をするのは、「今から行く店を探したい」「指定の地域にある店を探したい」といったニーズが多く、来店確率が高いユーザーです。
そのようなユーザーに店舗情報・写真・口コミなど見てもらえれば、来店や予約などのアクションに繋がりやすくなります。
MEOを実施するデメリット
Google ビジネス プロフィールの店舗情報には、「口コミ」もあります。口コミは第三者目線での店の評価がわかることから店選びにおいても重視されるため、増やすことは大切です。
しかし、口コミは必ずしもいいものだけでなく、「ネガティブな口コミ」をもらう可能性もあります。口コミが低評価なものばかりであれば、「行くのをやめよう」と考える人もいるかもしれません。
低評価をもらわないようなサービスを提供することが基本ですが、気を付けていても低評価を付けられてしまうことはあります。
口コミに対してはいいものも悪いものもすべて返信し、真摯に対応する姿勢を見せることが大切です。
Google マップで検索順位が決まる仕組み
Google マップで検索順位が決まる要素は、以下の3つです。
関連性 | ・ユーザーが検索したキーワードとビジネスプロフィールが合致する度合い ・ビジネス情報を充実させることで、プロフィールとキーワードの関連性を高められる |
距離 | ・キーワードで指定された場所から、検索結果のビジネス所在地までの距離 ・場所の指定がない場合は、ユーザーの位置情報に基づいて距離を計算 |
視認性の高さ | ・ビジネスがどれだけ広く知られているか(オフラインでの知名度も加味される) ・リンク、記事コンテンツ、店舗一覧などWeb上の情報も影響する ・Google での口コミ数とスコアも影響する |
参考:How to improve your local ranking on Google – Google Business Profile Help
これらを理解しておくと、この後解説するMEOの対策方法がなぜ必要なのかがわかります。Google の公式ページを一読しておきましょう。
MEO対策の事前準備!Google ビジネス プロフィールの登録方法
引用:Google ビジネス プロフィール – Google にビジネスを掲載
MEOに取り組む前に、まずは「ビジネスプロフィール登録」と「オーナー認証」をおこないます。ビジネスプロフィールの管理画面を開き、可能な限り詳細な情報を入力していきましょう。
特に以下の項目は、検索結果に大きく関連しますので、しっかりと入力してください。
- ビジネスカテゴリ
- 住所とピンの位置
- 営業時間
- 電話番号
- ウェブサイトのURL
- メニューやサービス
- 商品
ビジネスカテゴリには、非常に多くのカテゴリが用意されています。この中からメインカテゴリとサブカテゴリを併せて9つまで設定できますが、自店舗のビジネスとは関連性が低いものを選択した場合、評価がマイナスになる可能性もあるので、注意しましょう。
情報を入力していく中で、「オーナー確認」をおこないます。スキップもできますが、オーナー確認を終わらせないとGoogle から評価されにくくなってしまうため、完了させておきましょう。
自分でできる6つのMEO対策
ビジネスプロフィール登録が完了したら、MEOに取り組んでいきます。
やるべきことは、以下の6つです。
- NAP情報を正しく入力する
- 店舗情報を充実させる
- こまめに情報を発信し最新の状態を保つ
- 口コミを増やす
- 口コミに返信する
- 写真や動画での訴求を充実させる
では、1つずつ解説していきます。
NAP情報を正しく入力する
NAP情報とは「会社名・店舗名(Name)」「住所(Address)」「電話番号(Phone)」のことです。自店舗のWebサイトやSNSなどと、ビジネスプロフィールのNAP情報は、必ず統一させましょう。
なぜなら、前述した検索順位が決まる要素の1つである「知名度」にNAP情報が大きく影響するからです。
知名度を判断する際には、Web上でプロフィールに記載されたNAP情報がどれだけ扱われているかが確認されます。この時に、NAP情報が一致しないものは同一店舗とみなされません。
例えば、公式サイトでは「3丁目11番4 〇〇ビル2階」と記載し、ビジネスプロフィールでは「3‐11-4 2F」といったように記載するなど、記載方法が異なると別のビジネスと判断されてしまいます。そのため、知名度が実際よりも低いと判断されてしまう可能性があるのです。
NAP情報は公式サイト・自店舗を掲載しているサイト・SNSなど、表記ゆれがないように統一しましょう。
店舗情報を充実させる
ビジネスプロフィールにはNAP情報などの基本的な情報のほかに、投稿・写真・メニュー・商品といったさまざまな項目があります。これらはユーザーが得られる店舗の情報となるため、できる限り充実させましょう。
写真はどのような店構えなのか、店内の雰囲気はどうかがわかり、メニューや商品はユーザーが求めるものがあるかを判断できます。
どのような検索キーワードで上位表示されるべきかを考えながら、ビジネスプロフィールを充実させ、キーワードとの関連性も高めることが大切です。
こまめに情報を発信し最新の状態を保つ
ビジネスプロフィールは、ある程度情報を追加したら終わりではありません。こまめに情報を発信しつつ最新の情報を保ちましょう。なぜなら、Google はまったく更新されていないプロフィールを「信用性が低い」と判断する可能性があるからです。
更新のない間に営業時間などの情報が変わっていたり、そもそも閉業しているかもしれない情報は、ユーザーにとって有益ではないと考えられ、評価が低下する原因に繋がります。そのため、定期的な更新が必要なのです。
店内の写真やメニュー・商品を新しいものに更新したり、投稿を頻繁におこなうなどして、こまめに情報を更新していきましょう。
また、臨時休業や一時的に営業時間を変更する際もビジネスプロフィールに反映させておくと、ユーザーが来店したものの店がやっていないという、満足度が低下する事態を引き起こすリスクを減らすことができます。
口コミを増やす
口コミを積極的に増やすことも検索結果に影響するため、非常に大切です。Google は、好意的な口コミが多く書かれているビジネスを、知名度が高く人気のある店だと判断します。
口コミはユーザーが来店するかどうかの判断基準にもなりますので、いい口コミを書いてもらえるように接客など気を付けましょう。
また、来店してくれた顧客に対し、口コミを書いてもらえるように直接お願いしたり、店舗にQRコードを記載したPOPなどを掲示しておくなどしましょう。
口コミに返信する
口コミへの返信は検索順位には影響しませんが、集客に大きな影響を与えます。すべての口コミに目を通し、返信するようにしましょう。
好意的な口コミに返信があれば、丁寧に接客してくれそうな印象を与えられるでしょう。また、否定的な口コミにもきちんと返信することで、顧客の意見にしっかりと耳を傾ける店であることをアピールできます。
自店舗がどのような姿勢で顧客に対応するのかを示せる場でもあるので、丁寧に返信をおこないましょう。
写真や動画での訴求を充実させる
写真や動画を掲載する際には、いかに魅力的に見えるかを重視しましょう。写真は以下のような種類を掲載するのがおすすめです。
小売店 | ・店舗外観 ・店内風景 ・商品の写真 |
飲食店 | ・店舗外観 ・店内風景 ・席の種類ごとの写真 ・スタッフの写真 ・料理の写真 |
美容室などのサービス業 | ・店舗外観 ・店内風景 ・席の種類ごとの写真 ・スタッフの写真 ・サービス提供イメージ |
※あくまでも一例です
例えば飲食店の場合、外観がわかれば店にたどり着きやすくなり、店内写真で席の雰囲気が希望と一致するかを判断できます。また、料理はおいしそうか、スタッフは気持ちのいい接客をしてくれそうかといったことまで判断できれば、来店へのモチベーションを高められるでしょう。
どうしてもセンスがなく、魅力的な写真や動画が撮影できないという場合は、ビジネスプロフィール用の写真を撮ってくれる専門の業者もあります。そのような業者を活用するのもおすすめです。
MEOは自分で実施して効果が出るのか
MEOの対策方法について解説してきましたが、「自分でも対策できそうだ」と感じた方は多いのではないでしょうか。メリットでも紹介しましたが、MEOは知識がなくてもやり方さえわかれば対策しやすい施策です。
しかし、周囲に競合する店舗が多いと、上位表示させるのが難しいケースもあります。そのような場合は、MEOツールを活用して、より効果的に対策するのがおすすめです。
MEOツールでは、以下のようなことができます。
順位計測 | 検索結果の表示順位を計測 |
インサイト分析 | ・Google ビジネス プロフィールに登録した店舗の分析 ・キーワード、デバイス、プロフィール経由での架電回数などの情報を得られる |
口コミ管理/分析 | ・口コミの管理機能 ・口コミに自動返信できる機能があるツールもある |
レポート機能 | ・検索順位の変動、口コミの評価、競合の順位推移などをレポートで可視化 |
ツールによって搭載されている機能は異なりますが、ビジネスプロフィールの運用を効率化したり、データによる分析から改善点を洗い出したりといったことができるようになります。
自分でMEO対策をおこなっていくのであれば、ツールの導入を検討してみましょう。
まとめ|MEO対策でコストを抑えて効果的な集客をおこなおう
本記事では、MEOのメリットや対策方法について詳しく解説してきました。最後にまとめをご紹介します。
■MEOとは
Google マップにおいて、自店舗の「Google ビジネス プロフィール」を検索結果の上位に表示させるための施策のことです。日本語では、「マップ検索エンジン最適化」と言われます。
■MEOを実施するメリット・デメリット
メリット | ・自分で対策ができる ・費用を抑えながら集客できる ・中小店舗でも上位表示できる可能性がある ・Webの検索結果よりも上に表示されることがある ・来店見込みが高いユーザーに訴求しやすい |
デメリット | ネガティブな口コミを書かれる可能性がある |
■自分でできるMEO対策
- NAP情報を正しく入力する
- 店舗情報を充実させる
- こまめに情報を発信し最新の状態を保つ
- 口コミを増やす
- 口コミに返信する
- 写真や動画での訴求を充実させる
MEOを実施する際には、MEOツールの活用もおすすめです。まだGoogle ビジネス プロフィールの登録をおこなっていないのであれば、すぐにでも実施し、情報を充実させていきましょう。