料理提供や食器の下膳などの際に活躍してくれる、配膳ロボット。最近では、導入した大手レストランチェーンがニュースに取り上げられるなど、話題にもなりました。
配膳ロボットは設定をすれば自動で稼働してくれるため、業務効率化や人件費削減が期待できますが、実際にその効果はどれほどのものなのでしょうか?
今回は、配膳ロボットについての概要や、メリット・デメリット、導入する際に考えておきたいことなどをまとめます。配膳ロボットを導入すべきかどうかの判断材料としてご活用ください。
配膳ロボットの導入と比較したい
飲食店のDX活用事例集
- ホール業務全体をとにかく改善したい
- 求人をかけても人が集まらず困っている
- 限られた人員でクオリティを上げていきたい
そんなお悩みがあるなら飲食店のDXを検討してみては?DXが何かわからない方でもイメージしやすいように飲食店の成功事例をまとめました。配膳ロボットの導入と比較するための材料として、ぜひご活用ください!
配膳ロボットとは
配膳ロボットは主に食事の配膳を行うために開発されたロボットで、近年飲食店や病院、インターネットカフェなどで導入されています。
その目的は、人手不足を補うことや業務効率化を図ることにありますが、今までになかった斬新な配膳方法としてエンターテインメントの要素も持ち合わせています。
注目が高まったきっかけは、新型コロナウイルスの発生で感染対策として人と人との非接触が求められたことが背景にあります。
以降、大手レストランチェーンが導入し、ニュースや各メディアにも取り上げられて配膳ロボットの認知度も高まりました。(参考:「ガストの「猫ロボット」成功のワケ わずか1年半で3000店導入」インプレスウォッチより)
海外でも導入が進む配膳ロボットは、今後の動向にも注目が集まっています。
配膳ロボットの主な役割・機能
配膳ロボットにはどのような役割や機能があるのか、見てみましょう。主に下記の3点が挙げられます。
- 料理やドリンクを自動かつ非接触で配膳
- 食事後の食器も大量に持ち運ぶことができる
- 事故を防ぎながらルートの最適化を図る自律走行
それぞれ解説します。
料理やドリンクを自動かつ非接触で配膳
配膳ロボットは、登録された場所まで自動で料理やドリンクを運びます。配膳をロボットに任せられるため、その間にスタッフは他の作業に注力することができ、回転率のアップにも繋がります。
配膳ロボットの耐荷重は主に30〜50kgぐらいです。メーカーによって容量は異なりますのでどの程度の容量が必要かを明確にして選ぶようにしましょう。
料理の配膳の中で特に活躍するシーンとしては、忘年会などの大きな宴会や食べ放題コースなど大量の料理を運ぶときです。複数の料理や、大皿料理を一度に運ぶとき、バランスを崩して落としてしまうリスクを伴います。そんなとき、配膳ロボットであれば大量の料理でも安心して運ぶことができます。
食事後の食器も大量に持ち運ぶことができる
配膳ロボットは、料理の運搬だけでなく食器類の持ち運びにも役立ちます。食事後の下膳を配膳ロボット任せられれば、テーブル付近の清掃やテーブルセットに専念できます。
通常、宴会などで下げなければならない食器が大量にあると、何度も客席と厨房を往復しなければなりません。しかし、配膳ロボットを活用すれば最低限の往復回数で片付けを済ませられるなど、業務効率の改善にも繋がります。
事故を防ぎながらルートの最適化を図る自律走行
初めて配膳ロボットを導入する場合、「人やテーブルにぶつかってしまうのでは?」という不安が生まれるかもしれません。
多くの配膳ロボットには内蔵カメラや、LiDAR(ライダー)というレーザー光によるセンサー機能が搭載されており、人、物を認知しながら歩行するのでどこにもぶつからずに動くことができます。
スピードもゆったりと歩行するため、顧客やスタッフもも安心して避けることができるでしょう。
配膳ロボットに自律走行をさせるためには、店内の配置を記憶させなければなりません。最近は、主にSLAM(スラム)というシステムが配膳ロボットに導入されています。
SLAMとは、Simultaneous Localization and Mappingの略で、今どの位置にいるかの認識や、店内全体の配置を記憶するためのシステムです。配膳ロボットは店内のルートを熟知することで、常に最短距離で目的地まで辿り着くことができます。
配膳ロボットのメリット3選
配膳ロボットを導入することで、飲食店にはどのような影響があるのでしょうか?配膳ロボットのメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 人員削減を実現
- ホール業務の生産性向上
- エンターテインメント性が高まる
それぞれ解説します。
人員削減を実現
料理の提供や食器下げなどの業務を配膳ロボットに任せられれば、営業時に必要なホールスタッフの数を削減することができます。
人員の削減ができれば、人件費の節約にも繋がり、利益率の向上も期待できます。
飲食業界の人手不足も明るい兆しが見えてきた
配膳ロボットが注目されるようになったきっかけのひとつとして挙げられるのが人手不足ですが、コロナ禍では飲食業界全体が大変厳しい状況に陥りました。
後半でも詳しく触れますが、飲食店は国や地方公共団体の政策によって外食に規制がかかり、営業時間の短縮や休業などを余儀なくされました。そのとき、削減した人員が未だに戻ってきていないのが現状です。
円安の問題もあり、労働市場は日本よりも海外の方が魅力的になってきている点も原因と考えられます。
しかし、2022年以降から、飲食店への求職者数が微増するなど少しずつ明るい兆しも見えてきています。まだまだ売り手市場である現状を踏まえると、効率的かつ効果的な採用活動が重要になってくるでしょう。
人手不足や効果的な採用活動について知りたい方は「飲食店の採用コスト削減方法2選|離職率を下げるポイントも解説」を併せてご覧ください。
ホール業務の生産性向上
配膳関連の業務をロボットが担う分、ホールスタッフは別の業務に専念することができます。例えば、顧客との会話やおもてなしなどの接客、電話対応、厨房への状況伝達などそのシーンはさまざまです。
別業務に注力できることで、店舗全体の生産性も上がるでしょう。結果的に顧客満足の向上にも繋がります。
エンターテインメント性が高まる
これまで国内では配膳ロボットを導入する飲食店はあまりありませんでした。そのため、配膳ロボットが店内を歩き回る風景は斬新で、顧客が撮影をしてSNSに投稿するなど話題性があります。
実際に、配膳ロボットを導入したレストランがニュースで報道されています。(参考:「配膳ロボット導入広がる 「ネコ型」客の9割支持、従業員負担軽減も」産経ニュース)
このように配膳ロボットはひとつのエンターテインメントとしての役割も担っています。
飲食店がSNSを重要視するべき理由
飲食店がSNSをこれからの時代において重要視するべき理由としては、費用をかけずにすぐに始められることや、「コメントや返信によりお客様との関係性を深められる」「より多くのお客様にお店の情報を届けられる」「画像や動画で料理の魅力や美しさ、店内の様子をリアルタイムに近い状態で伝えられる」ことがあります。
しかし、SNSを運用している飲食店は多くありますが、運用に成功している店舗は一握りと言っていいでしょう。関連記事「飲食店がSNS運用を成功させるためには目的の明確化と戦略が重要」では飲食店のSNSを成功させる秘訣まで詳しく解説しているため、合わせてご覧ください。
配膳ロボットのデメリット3選
では次に、配膳ロボットを扱う上で生じるデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?主に下記の4つが考えられます。
- コストがかかる
- 接客機会の減少
- オペレーションを変更しなければならない
それぞれ解説します。
コストがかかる
配膳ロボットを導入するにはコストがかかります。ただ、どのように購入するかでコストの発生の仕方が異なります。
導入の方法としては、主に2つ挙げられます。
買い取り方式 | 配膳ロボットを購入して店舗に導入する方法です。価格は1台で主に100万円〜300万円程度が相場です。一度購入すれば飲食店の所有物となるため、期間を気にすることなく使い続けることができます。 |
月額レンタル方式 | リースとしてレンタルするメーカーもあります。料金は主に月額8万円〜10万円程度が相場です。月額で見ると低額に見えますが、大体3年程度の契約期間が定められているため、総額で考えると買取方式よりは高額となります。 ただ、月額にすることで毎月の負担は軽減されるので、アルバイトスタッフを1人雇うような感覚で活用できます。 |
どちらの支払い方法にも、一長一短があります。配膳ロボットを人員の1人として業務効率化のために導入するのか、エンターテインメントとして話題作りのためなのか、目的によって適切な方法は変わるでしょう。
最近は、ロボットなど機材やシステムの導入に適用される補助金もありますのでチェックしてみることをおすすめします。
接客機会の減少
配膳ロボットの導入によって顧客との非接触シーンが増えるということは、接点も減少するということ。顧客と触れ合う機会が減れば、距離感も生まれやすくなります。
配膳ロボットを導入して浮いた労力を顧客へのおもてなしや、積極的なコミュニケーションに生かすなど他の面で活かしていくことが重要です。
オペレーションを変更しなければならない
配膳ロボットを店舗に導入するならば、ホールスタッフのオペレーションも変えていかなければなりません。
配膳ロボットの扱い方や、どのようなときに配膳ロボットを活用するか、活用したときスタッフはどのように動けばいいのかを予め明確にし、共有することが大切です。
新しい取り組みによって、逆に負担を感じるスタッフもいるはずです。その辺りのストレスも配慮しながら、オペレーションを組み立てていかなければなりません。
配膳ロボット導入時の注意点
配膳ロボットを導入するとき、準備しておくべき大切なポイントがあります。
ここでは、配膳ロボットを導入する前に明確にしておきたい3つのことをお伝えします。
配膳ロボットを導入する目的を明確にする
まずは何のために配膳ロボットを導入するのか、目的をハッキリさせましょう。
配膳ロボットを導入する目的はさまざま考えられます。
- 少人数営業を実現するため
- 業務負担を軽減して接客力の底上げを果たしたい
- 安定的な労働力を確保するため
etc
目的を明確にしたら、必ず店舗全体に共有することが大切です。いきなり配膳ロボットが登場して戸惑うのは現場のホールスタッフです。ホールスタッフの協力無くして、配膳ロボットの効果は見込めません。店舗に混乱を招かないよう、しっかりと共有することも大切です。
予算と効果を見定める
配膳ロボットにかかる費用は決して安くはありません。予算に見合った効果が得られるのかどうか、見定めることも重要です。
配膳ロボットはメーカーによって販売価格や販売方法、機能などが異なります。スタッフを1人雇った場合の人件費と比較するなどして、その価格に見合った効果が期待できるかどうかも判断材料となります。
配膳ロボットありきのオペレーションを決める
配膳ロボットのメリットを100%生かすためには、ロボットありきのオペレーションを構築することが重要です。
具体的には下記のようなことについて決めておくと良いでしょう。
- いつ・どこで・どのようなときに配膳ロボットを活用するのか
- 配膳ロボットにどこまで料理を運ばせるのか
- スタッフが料理提供をしなくてもいいとき、何をするのか
- 故障や事故があったときのトラブル対応
オペレーションを明確にしておけば、ホールスタッフがどのように動けばいいのかも見えてきます。滞りなく配膳ロボットを導入するために、全体の流れを丁寧に組み立てておくことが大切です。
配膳ロボットが最適な手段かを考える
配膳ロボットの目的は、業務効率の改善や、スタッフの負担軽減です。しかし、配膳ロボットは人よりも動くスピードが遅く、設定以上の働きはできません。
うまく活用できなければ逆にスタッフの負担が重くなったり、購入したまま使うことなく倉庫に眠ってしまう、そんな事態も招きかねません。
業務効率化という観点で見れば、他にもさまざまな手段が考えられます。総合的に鑑みて、配膳ロボットが業務効率化として最適な手段なのかどうかを見据えながら検討しなければなりません。
配膳ロボット導入の流れ
配膳ロボットを導入するまでの流れを簡単に紹介すると以下のようになります。
- 目的や予算の明確化
- 配膳ロボットの情報収集
- 検討
- 決定、準備
- 運用スタート!
いきなり情報収集に取り掛かりがちですが、前章でも解説した通り、まず最初になぜ配膳ロボットを導入するのか、目的と予算を明確化します。
情報収集では、複数企業から情報収集するようにしましょう。日本国内で流通する配膳ロボットは多くが海外製品を輸入して販売しているケースが多いです。同じ製品でも輸入している会社によって金額やサポート体制が異なることもあります。
導入する配膳ロボットが決定したら、導入までの準備に取り掛かります。配膳ロボットは機種にもよりますが、テーブルの配置を覚えさせたり音声の登録などさまざまな設定が必要です。また社内オペレーションの変更も同時に進めていきます。運用スタート前には何度か営業本番のシミュレーションを行なっておくと安心です。
運用スタートしたら、現場の意見をしっかりと取り入れ、改善を行います。最初はスタッフも戸惑ったりトラブルが発生するでしょう。ひとつひとつクリアしていくことで、全体の流れも徐々に滞りなく動けるようになるはずです。
日本にある代表的な配膳ロボット3選
では、日本で流通している代表的な配膳ロボットを3つ厳選して紹介します。
- BellaBot
- PuduBot2
- アイリスオーヤマ
BellaBot(ベラボット)
BellaBot(ベラボット)は、中国の深圳に本社を置くPudu Robotics社が作る配膳ロボットです。世界各国で流通しています。日本でもすかいらーく系列のレストランが導入したことでよく知られている配膳ロボットです。
最大積載量は40Kgでトレーも4段あり、多くの料理や食器の持ち運びが可能です。最先端の機能に加えて、猫型フェイスでキュートなデザインはGOOD DESIGN AWARD2022でグッドデザイン賞を獲得。可愛らしいAI音声も搭載しており、エンターテインメント性も兼ね備えています。
本体を購入した場合は300万〜350万円程度が相場で月額レンタルでの利用も可能です。その場合は5〜10万円程度の料金が発生します。無料トライアルを提供している販売会社もあります。
▼詳細はこちら
Pudu Robotics社「BellaBot」
PuduBot2(プードゥーボットツー)
PuduBot2(プードゥーボットツー)は、ベラボットと同じくPudu Robotics社が作る配膳ロボットです。シンプルなデザインで飲食店の他、病院やスーパーマーケット、在庫管理を行う倉庫などでも活躍しています。
積載量などはベラボット同程度の機能を持ちますが、他にも自動充電やほこり・防水対策などさまざまな設備が整っています。
PUDU社の公式代理店として「W/ROBO」(ウィズロボ)の他、USENなどでも取り扱っています。本体価格は215万円(税抜)で、レンタルの場合は月額5万円以下とリーズナブルな価格で提供している会社もあります。
▼詳細はこちら
Pudu Robotics「PuduBot2」
Keenbot T5(キーンボット ティーファイブ)
Keenbot T5(キーンボット ティーファイブ)は中国のKeenon Robotics社が製造しており、ソフトバンクロボティクスとアイリスオーヤマの3社が共同で日本国内に流通させている配膳ロボットです。
人手不足や人件費の高騰など飲食業界が抱えるさまざまな課題を解決するために開発されました。最大積載量40kg、4段トレーを完備しており、飲食店を中心にホテルやゴルフ場などでも活用されています。
月額89,800円から利用が可能で、利用期間によって価格が変動します。
▼詳細はこちら
アイリスオーヤマ「Keenbot T5」
配膳ロボット導入と併せて考えたい3つのポイント
先にもお伝えした通り、業務効率化を実現してもそこで止まってしまっては何も生みません。さらに前進していくためにも浮いた時間・労力を活用して新しい取り組みを始めることが大切です。
そこで、最後に配膳ロボットの導入と同時に考えておきたい3つのポイントをお伝えします。
接客力の向上
デジタルツールや配膳ロボットの導入によって業務効率が向上したとき、さらに重要になってくるのが接客力です。
業務負担が楽になったからといってそこで止まってしまうのは、DXとは言えません。今まで以上におもてなしに注力した接客を行っていけば、顧客満足度も向上していき、リピーターになってくれる可能性も高まります。
接客力を向上させていくためには、店舗にとって、顧客にとっていい接客とは何なのか?を共有した上で、基礎をしっかりと身につけることが重要です。その上で、食材やお酒の勉強会を開催したり、リピートしてもらうためにDMを送信するなど具体的な行動に移していきましょう。
接客力を向上させていく方法についてさらに詳しく知りたい方は「飲食店の接客|オペレーションの改善で売上を作れる秘訣とは」を併せてご覧ください。
集客
配膳ロボットを導入して、オペレーションにも慣れたあとに考えておきたいのが集客です。集客方法はSNSやチラシなどさまざまな手段が考えられますが、今までの顧客層とまた違ったアプローチを選んでみるのもよいかもしれません。
例えば、店舗に来れない商圏の方をターゲットにECで食材を販売するというのもひとつの方法です。ECは商圏が全国に広がるため、今までとは違った顧客層へアプローチができ、認知度を高めることもできます。
ECの運営は業務量が多く、新たに許可や資格なども必要になってきますが、何か新しい試みを始めたい!ということであれば、候補として検討してみてもいいかもしれません。
飲食店のECについてさらに詳しく知りたい方は「飲食店がECで成功するためには?コツやデメリット、成功事例を解説」を併せてご覧ください。
補助金の活用
多くの飲食店の尽きない悩みとして「資金が充分ではない」ことが挙げられるでしょう。配膳ロボットは特に高額なコストがかかるため、なかなか導入を渋ってしまう飲食店も多くあるはずです。
しかし、そのような悩みを持つ飲食店向けに、行政が複数の補助金・助成金を負担してくれる制度があります。特に配膳ロボットの導入においては事業再構築補助金が対象です。
事業再構築補助金はコロナやウクライナ情勢の影響によって変化する経済情勢に対応すべく、新業態への参入や業態転換しようとする中小企業を支援する補助金制度です。詳しくは関連記事「飲食店経営に使える給付金・補助金・助成金をわかりやすく解説」で解説しているため、合わせてご覧ください。
配膳ロボットと比較すべき業務効率化の方法3選
配膳ロボットは配膳業務の負担を軽減させ、全体の効率を良くする役割を持っているとお伝えしてきましたが、今飲食業界では業務効率化の重要性が叫ばれています。
その理由の一つとして、深刻な人手不足が挙げられます。新型コロナの影響で離れた多くの人材が、飲食店に戻ってきていません。
帝国データバンクの発表によれば、2023年1月時点で飲食店における正社員不足の割合は60%を超える高水準を保っており、非正社員ではコロナ禍以降で最高となる80.4%を記録しました。
現状のまま客足がコロナ前以上に戻ってきたとしても少ないスタッフ数では対応しきれず、売上に繋げることができないという事態に陥ってしまうかもしれません。
これらの状況を踏まえると、限られた人員で売上を上げていくためには、業務効率化は必須といえます。
飲食店が業務効率化を実現していくためには、配膳ロボット以外にもさまざまな方法が考えられます。近年ではデジタル技術を導入しながら組織に革命を起こしていく「DX」が飲食業界でも注目されています。
飲食店のDXについて知りたい方は、「飲食店のDX推進に必要なこと | デジタル化のコツや注意点などを解説 」を併せてご覧ください。
そこで、飲食店の業務効率化にはどのような方法があるのかをまとめます。配膳ロボットの導入と比較することで、自店舗にとって業務効率化のために何が最適なのかを考える材料になります。
モバイルオーダーシステムで注文や会計を効率化
テーブルからスマートフォンや専用の端末を使用してオーダーすることができる「モバイルオーダーシステム」を導入すれば、注文業務や会計時の時間を大幅に節約できます。
注文を取りにテーブルまでの移動をしなくてもよいため、配膳ロボットと同じような効果が期待できます。
より詳しくモバイルオーダーについて知りたい方は「モバイルオーダーとは|基礎知識や成功事例、5つのツールを比較」を併せてご覧ください。
予約受付システムで電話対応の手間を削減
予約の受付はさまざまありますが、WEBや専用フォームなどのシステムを導入することで電話対応の手間を削減することができます。
予約の電話対応も業務負担のかかる作業のひとつです。電話対応するホールスタッフは店舗営業から離れて動きがストップするため、全体の流れにも影響が出ます。
予約受付システムによって電話に出る回数が減れば、全体のオペレーションの流れがスムーズに回り、業務効率が大幅に改善されます。また、予約受付システムは顧客の情報を記録できる機能もついているため、顧客の好みや属性に合わせたサービスの提供も可能となります。
より詳しく予約の受付・管理について知りたい方は「飲食店の予約管理システム入門 | 基礎から応用まで事例を交えて解説」を併せてご覧ください。
勤怠管理システムで勤務時間や給与を自動集計
スタッフの勤怠管理をタイムカードやエクセルなどで行っている飲食店は未だに多いのではないでしょうか?
勤怠管理をタイムカードやエクセルで行う場合、作業が膨大で時間がかかるだけでなく、入力ミスのリスクもあります。
その点を改善できるのが勤怠管理システムです。勤怠管理システムは手軽にスタッフの勤務時間を集計することができ、手入力によるミスのリスクも減ります。設定をすれば給与も自動で集計が可能です。
スタッフも出退勤時の記録方法は簡単にできるため、業務効率化に加えて利便性も高まるでしょう。
まとめ
では配膳ロボットについて、重要なポイントをまとめます。
- 配膳ロボットは料理や食器などの提供・下膳をサポートするロボット
- 業務効率化や人件費の削減、エンターテインメントの役割を果たす
- 客席まで最短のルートで自立走行する
- 購入の支払い方法は「買い取り」「レンタル」の2つがある
- 導入の目的を明確化することが大切
- メリットを最大化するためには導入した際のオペレーションを決め、目的と共に店舗全体に共有すること
- 予算に見合った効果が得られるかを見極めること
- 飲食店の業務効率化はDXを始めさまざま考えられる
業務効率化や少人数営業の実現には、配膳ロボット以外にも数多くの手段が考えられます。自店舗にとってどの手法が適切なのか、配膳ロボットも含めてさまざまな方法と比較しながら決断するようにしましょう。