新型コロナの発生をきっかけにテイクアウト・デリバリー市場が盛り上がり、自宅から注文できるモバイルオーダーシステムが飲食店に普及し始めました。
今ではテイクアウト・デリバリー業態に限らず、一般的な飲食店舗内でもモバイルオーダーで注文可能な店舗が増えています。
モバイルオーダーを使えば、顧客は自由なタイミングで店員に気を遣うことなく注文できます。顧客にとってはストレスフリーなオーダー方法として、飲食店側にとっても業務効率化や人件費の削減に効果的です。
今回はそんなモバイルオーダーシステムがどのようなものなのか、概要と種類、導入にあたってのポイントなどを解説します。最後におすすめのモバイルオーダーシステムも紹介しているので、ぜひご参考ください。
トレタO/X
モバイルオーダーとは?3分でわかる簡単解説!
かつて飲食店での注文といえば、ホールスタッフが顧客のテーブル席まで直接聞きにいき、オーダーを厨房まで伝えにいく、というのが一般的でした。
しかし、注文のヒアリングは手書きからPOSの導入によって「ハンディシステム」へと移り変わり、厨房へオーダーを直接口頭で伝達する必要がなくなりました。
そしてさらに進化したデジタルツールとして注目されているのがモバイルオーダーです。
モバイルオーダーの概要
モバイルオーダーとは、顧客のスマートフォンやWEB・アプリなどから注文を受け付けられるシステムを指します。
店内利用はもちろん、システムによっては店外での利用も可能です。
顧客は好きな料理やドリンクを自由なタイミングで注文できるのでストレスなく飲食を楽しむことができます。
そして飲食店にとっては、顧客満足度の向上に繋がるだけでなく、労力のかかる注文・会計業務を業務効率化することで人件費の削減や従業員満足が見込めます。
飲食店のポータルサイトぐるなびが発表したモバイルオーダーの実態調査を見ると、モバイルオーダーを利用したことがある人は40%を超え、さらに「また使いたい」と回答している人はその中の90%以上という高い数値です。
また、同社の別の統計では、モバイルオーダーを導入している飲食店の割合は約10%とそれほど多くないものの、「今後利用をしたい」という回答が約40%以上あり、興味関心を集めていることがわかります。
引用:「7割がDX化が必要と回答。効率化、省人化など多くのメリットも~飲食店のDX化の最新動向~」ぐるなびPROより
モバイルオーダーの種類
モバイルオーダーは大きく3つのタイプに分類できます。
▶︎イートイン型 ▶︎テイクアウト・デリバリー型 ▶︎併用型 |
それぞれ解説します。
イートイン型
飲食店で外食をする顧客が店舗内で使うモバイルオーダーです。顧客にとってはデジタル版のメニューブックといってよいでしょう。
使用する際は、顧客が自身のスマートフォンからQRコードを読み取り、遷移した画面から料理やドリンクを注文するというのが一般的な流れです。
メニューブックとはいえ、今まで多くの飲食店で使われてきた紙のメニューと異なる点は多々あります。
掲載できる情報量が多い(写真や動画など)飲み放題などの時間設定が可能注文と同時に会計を自動計算個別会計が可能 |
機能はサービスによって異なりますが、基本的には写真付きでのメニュー掲載が可能。飲み放題などの時間制の設定や注文内容の自動計算などもしてくれます。
テイクアウト・デリバリー型
顧客は店舗に行かず、家や会社など外部からスマートフォンなどで注文できるモバイルオーダーです。テイクアウト専門店やゴーストレストランなどで多く使われています。
顧客は都合のよい場所から好きなタイミングで自由に注文ができ、受け取り時間も設定できるため便利です。
店舗側も受け取り時間がわかるため前もって準備できるので、余裕をもった対応が可能です。
併用型
イートインとテイクアウト・デリバリーどちらでも対応可能なモバイルオーダーシステムもあります。
「新型コロナによって外食する人が減少した影響でテイクアウト・デリバリーを始めた」という飲食店は少なくないでしょう。今までの営業形態に加えてテイクアウト・デリバリーを始める人にとっては導入しやすいタイプといえます。
モバイルオーダーの重要性が高まっている背景
モバイルオーダーのようなデジタルツールを導入しながら、組織的に変革を起こしていく取り組みを「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」といいます。
DXの推進に関して他の業界よりも遅れていると言われている飲食業界ですが、アナログなシーンが多い分、デジタルツールがもたらす変革のインパクトは非常に大きいと考えられています。
例えば、自動で集計してくれる会計システムやWEBやアプリから予約できて顧客情報を集積できる管理システム、タイムカードの打刻と集計が簡単にできる管理システムなど幅広いシーンで活用することができます。
そして実際に成果を出している飲食店も増えてきています。「デジタルツールは大手が使うもの」と思われている店舗も多いかもしれません。
ただ、個人経営の飲食店でも積極的にデジタルツールを導入し、DXを成功させている事例も見られます。
DXは今後の飲食店にとって重要なひとつのキーワードになっていくでしょう。
飲食店におけるDXやその成功事例について知りたい方は、「飲食店DX成功事例8選|企業がデジタル化に取り組むメリットも紹介」を併せてご覧ください。
セルフオーダーとの違いとは?
モバイルオーダーと同じような意味合いで使われる言葉として「セルフオーダー」があります。
セルフオーダーとは、顧客が自ら注文できるシステム全般を指すため、モバイルオーダーはその中の一部として位置付けられています。
それぞれ同じような意味合いとして用いているケースもあり、混乱しやすいので注意しましょう。
セルフオーダーといえば最近ではスマートフォンや専用端末での注文が思い浮かぶかもしれませんが、ラーメン屋や定食チェーンでよく見かける券売機も意味合いでいえば同じです。
セルフオーダーは新しい手法ではなく、私たちにとって身近なものなのです。
より詳しくセルフオーダーについて知りたい方は「飲食店におけるセルフオーダー|5つの効果と導入に最適なお店とは」を併せてご覧ください。
モバイルオーダー導入で得られる5つのメリット
これまでの章で、モバイルオーダーがどのようなシステムなのかをお伝えしてきました。
この章では、実際に導入した場合にどのような効果が期待できるか、主なメリットを5つ紹介します。
▼モバイルオーダー導入で得られる5つのメリット
①業務効率化で人手不足をカバー
②利便性の向上で顧客満足度がアップ
③多様な決済方法による非接触の実現
④効果的な販促活動や訴求力向上で集客力アップ
⑤店外利用の際、事前注文で店舗の混雑を緩和
それぞれ詳しく解説していきます。
業務効率化で人手不足をカバー
今、深刻となってきている飲食業界の人手不足。帝国データバンクの発表をみると飲食業界の人手不足の割合は正社員・非正社員共に高い数値を示しています。
正社員だと、他の業界よりも割合が低いように見えますが、新型コロナが発生した2020年からの上昇率が高く、年々厳しくなっていることがわかります。
引用:「人手不足に対する企業の動向調査(2022 年 7 月)」帝国データバンク調査
この人手不足問題をカバーするための手段として、業務のデジタル化は有効です。
例えば、注文・会計業務はホール業務の中でも多くの時間と労力を割く部分です。この点でモバイルオーダーを導入すれば、顧客の元へ行く移動距離、注文を聞く時間、会計時の時間などが削減できます。
これらの業務工程を削減できることで、今までよりも少人数での営業が可能になります。モバイルオーダーは人手不足を解消できるだけでなく、人件費の削減にも繋がるのです。
そして、本来飲食店の接客に重要なおもてなしに注力できたり、聞き間違いなどによる注文ミスも防げるようになります。
モバイルオーダー+他のデジタルツールの併用でより効果アップ
本記事ではモバイルオーダーについて詳しく解説していますが、飲食店にとって適した他のデジタルツールを使うことによっても大きく業務効率化を進めることができます。
例えば、人力ではなく予約を機械が自動で取って管理する「予約管理システム」や、顧客の属性や嗜好・来店頻度などを一元管理できる「顧客管理システム(CRM)」、AIが問い合わせ対応を受け付ける「電話予約システム」、さらにはリピーター獲得と顧客満足度の向上に繋がる「スタンプカード」などがあります。
これらのツールは、デジタルにあまり慣れていない飲食店にとっては導入にコストがかかることがありますが、一度上手な活用を覚えてしまえば人手不足をカバーして売上アップを見込むことができるため、検討してみるのはいかがでしょうか。
詳しくは関連記事「飲食店が人手不足で閉店しないために!必要な5つの解決策を解説」で解説しているため、併せてご覧ください。
利便性の向上で顧客満足度がアップ
モバイルオーダーはさまざまな面で顧客満足度を向上できる可能性を秘めています。
先に取り上げたぐるなびのアンケート結果で、「モバイルオーダーをまた使いたい」という人の理由として「便利だから」という回答が最も多く、総合的な使いやすさに満足している人が多いことがわかります。
また、席から自由に注文できるのでどんなに忙しいときでも店員を呼ぶプレッシャーやストレスがないなど心理的にもいい影響があります。
1人ずつ料理の量を変更できたり、使用する食材も選ぶといった設定が可能なシステムもあります。顧客にとって「他の人に気を遣って好きなものを頼めない」ということが無くなります。
また、デリバリー・テイクアウト型であれば注文時に希望時間を入力すれば、列に並ぶことや、待つこともなく受け取ることができます。
以上のことから、モバイルオーダーは顧客の利便性を大きくアップし、満足度向上に繋げることができる貴重なツールのひとつといえます。
多様な決済方法による非接触の実現
新型コロナ以降、感染対策の一環として広まった非接触を求める社会のムード。
モバイルオーダーも最初はコロナ対策の一手段として注目されていましたが、今や一般的なニーズに応えるツールとして広まってきています。
リクルートが運営するホットペッパーグルメ総研の発表によれば、モバイルオーダーと同じ非接触を実現できるテーブルトップオーダーについて「利用したい」という割合は70.1%。「利用したくない」の8.9%を大幅に上回っています。
引用:「テーブルトップオーダー・セルフオーダーの利用実態・意向調査」ホットペッパーグルメ外食総研より
その理由は、「自分の都合の良いタイミングでオーダーできるから」「店員を都度呼ぶことに気が引けるときがあるから」「待ち時間によるストレスが減るから」などが上位を占めています。
これは席から顧客が好きなようにオーダーする仕組みを求めるニーズの表れであり、もはやコロナの感染対策とは無関係といってよいでしょう。
先のアンケートはテーブルトップオーダーについてのものですが、非接触という観点ではモバイルオーダーも同類です。モバイルオーダーの仕組みから見れば「都合の良いタイミングでオーダーできる」などのニーズに応えられる可能性は十分にあるシステムといえます。
効果的な販促活動や訴求力向上で集客力アップ
飲食店はモバイルオーダーに商品登録をする際、紙よりも記載スペースが広いため、その商品の産地や特徴、こだわりなど詳細に記載することができます。また、食欲をかきたてるようなシズル感のある写真や動画を用いることで訴求力を高めることも可能です。
顧客の属性や注文データが集積できるサービスもあるので、来店の多い顧客層へアピールできるようなキャンペーンやクーポンのお知らせ・提供などの工夫も考えられます。
店外利用の際、事前注文で店舗の混雑を緩和
モバイルオーダーをテイクアウト等の目的で店外利用する場合、下記のような理由で店舗の混雑が緩和します。
- 商品を受け取る時間を店側が指定できる
- 事前に支払いを済ませることができる
- 注文から受け渡しまで一定の時間があるため効率的に調理できる
店舗の混雑を避けることで、店舗内のお客様の満足度を下げることなく、テイクアウト等の対応が可能になります。
また、混雑の緩和はスタッフのストレスや業務負荷を軽減できるといったメリットもあります。
モバイルオーダー導入による3つのデメリット
モバイルオーダーの魅力についてまとめましたが、逆に懸念となる部分も確認しておきましょう。
ここではモバイルオーダーのデメリットを以下の3つに絞って解説します。
▼モバイルオーダー導入による3つのデメリット
①運用コストが発生する
②活用できるまでに時間が必要
③利用できる顧客が限定される
運用コストが発生する
モバイルオーダーを利用するにあたって、システム運用料などの費用が発生します。業務効率化によって人件費やメニュー印刷費用の削減が実現できたとしても、それ以上に運用費が高額になってしまえば本末転倒です。
モバイルオーダーはさまざまなプランが用意されているので、現在の売上規模と鑑みて自店に見合ったプランでの利用を検討しましょう。
活用できるまでに時間が必要
モバイルオーダー導入を決定するのは店舗責任者ですが、運用するのは現場のスタッフです。スタッフが端末の使い方やシステムについての理解していなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
まずは導入の際にスタッフ全員に基礎的な運用方法を習得するための研修が必要です。慣れるまでに一定の時間がかかることも想定しておきましょう。
利用できる顧客が限定される
顧客の中にはまだキャッシュレスのツールを持っておらず現金で支払いたいという人も少なくありません。高齢者などデジタルに苦手意識のある顧客層も実際にいます。
先のリクルートの統計で「テーブルトップオーダーを利用したいと思うか?」の回答を見ても50代以上の男性や60代以上の女性は「どちらともいえない」「やや利用したくない」「まったく利用したくない」の比率が他の年代よりも高い数値を記録しています。
この点をカバーするためには、モバイルオーダーの使い方を掲載したポップを卓上に用意したり、案内時にスタッフから説明させるなど工夫が大切です。
会計もキャッシュレスのみに頼るのではなく、現金管理もしておけばどちらでも対応可能になります。モバイルオーダーと自動会計機を連動させられるシステムもあるので、本格的にデジタル化をしていきたい飲食店はチェックしてみるとよいでしょう。
デジタルに抵抗のあるお客様が居るからこそ工夫が必要
上記のように、モバイルオーダーに抵抗を感じるお客様も存在します。トレタが行った調査では飲食店がデジタル化を進めるのには賛成と答えた人が約7割を占めていましたが、そうではない人も少数ですが居ることが判明しました。
また、お客様側だけではなく、飲食店の経営側にとってみても「デジタルは何となくあたたかみがない」「おもてなしを感じられない」「導入が難しそう」などといった思いを持っている方は少なくないはずです。
モバイルオーダーをはじめとしたデジタルツールを導入することで業務効率化ができたり売上アップを図れたりすることがあることは確かですが、デジタルが苦手な層も居ることをきちんと認識し、そうしたお客様には丁寧な対応をすることがこれからもっと必要になってきます。
その意味では、おもてなし力や接客力といったポイントは、デジタルの時代だからこそ必要とされてくるものでしょう。
デジタルを選ぶ理由やアナログを選ぶ理由について述べた関連記事「お客さまは飲食店のデジタル化に賛成? それとも反対? 調査結果を紹介」も併せてご覧ください。
飲食店におけるデジタル化は正しいのか?
以上のことを踏まえると、そもそもデジタル化していくことが飲食店にとってプラスなのかどうか、今やるべきことなのかどうか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに必ずしも必要ではないところもあるでしょう。デジタルツールの導入はあくまでも手段であり、目的ではないからです。
しかし、よりよい環境をめざしていくこと、より美味しい料理・より質の高いサービスを提供していくことは、飲食人であれば誰しもが追い求めているものではないでしょうか?
現代の飲食業界は、長時間労働、莫大な業務量、人手不足などさまざまな問題を抱えています。要因のひとつとして、アナログなシーンがまだ多く残っている点が考えられます。
アナログな場面でデジタルツールを導入すれば、業務効率は大幅に改善され、本当に大切な部分に注力できるようになっていくでしょう。
飲食店の業務効率化についてより詳しく知りたい方は「飲食店の業務効率化|成功の秘訣はアナログからデジタルへの移行」も併せてご覧ください。
モバイルオーダーの始め方 | 必要な費用やアイテムなどを紹介
実際にモバイルオーダーを導入するときに必要なアイテムや費用などをまとめて紹介いたします。
▼モバイルオーダーの導入に必要な物
- 利用料などの費用
- 関連機器・設備の購入や設置
- メニュー登録
- スタッフ・顧客への教育
- 顧客への告知
導入する際の参考になれば幸いです。
利用料などの費用
モバイルオーダーはシステム料や関連機器のリース料などが発生します。システム料に関しては相場として月額6,000円〜10,000円程度が目安です。
一般的には初期費用の他に月額でシステム料を支払うのが基本ですが、キャンペーンで初期費用無料を行っているところもあるので、コストを抑えたい方はしっかりチェックしましょう。
関連機器・設備の購入や設置
モバイルオーダーの導入に際して、一般的に必要な機器は下記の通りです。
▶︎iPadなど専用端末 ▶︎QRコード ▶︎キッチンプリンター ▶︎Wi-Fi環境 |
イートイン型は顧客のスマートフォンが必要です。顧客のスマートフォンでオーダーする場合はメニュー用のQRコードを印刷し、各卓に貼り付けたりポップで設置しなければなりません。また、システム管理用にiPadやPCなどが必要となるケースが多いです。
キッチンプリンターは、端末で受け付けた注文を印刷するために使用します。
これらはインターネットを介して行われるため、Wi-Fi環境も整えておかなければなりません。
メニュー登録
モバイルオーダー専用のメニューを管理画面から登録します。顧客が注文したくなるような写真を用意し、文章もその料理の特徴を伝えられるものを記載しましょう。
登録方法がわからなくても、多くのサービスでサポートが用意されているので確認しながら進めることができます。
スタッフ・顧客への教育
実際に運用するスタッフのために、端末やシステムの仕組みや使い方を店舗内でしっかり研修しましょう。
最も大切なことは、モバイルオーダー導入の目的もしっかりと共有し、業務効率化によって浮いた時間をどう活用していくかを共有しておくことです。
この点の認識がスタッフ間で統一できていれば、接客力の向上にも繋がるはずです。
また、使い方がわからない顧客にとってモバイルオーダーは不満に繋がりやすいツールです。前述した通り、モバイルオーダーの使い方を伝えるポップや、口頭での説明を欠かさないようにしましょう。
顧客への告知
モバイルオーダーを導入したら、SNSや自店のウェブサイトなどでも告知しましょう。
モバイルオーダーでストレスフリーに飲食店を活用したいという顧客が来店してくれるかもしれません。
SNSの活用には注意が必要!
昨今では飲食店がSNSを使って告知や集客を行うことは一般的になってきましたが、「日々の営業に追われて運用が大変」という方も少なくないのではないでしょうか。しかし、集客やお知らせのために役立つSNSの運用は、今や大切な業務ともいえます。。
SNSを運用する際には以下のポイントを意識しておくと良いでしょう。投稿を定期的に見てくれるフォロワーが増え、来店の可能性を高めることができます。
- 1日1個以上の投稿を行う
- 投稿内容を絞り、発信内容に一貫性をもたせてファンを獲得する
- 誰に対して発信するのかを明確にする
- フォロワーが興味のある情報を発信する
企業の有名アカウントの中には、個性的な「中の人」が存在しておりマーケティングに成功しているアカウントも多いですが、無理に「バズり」を狙う必要はありません。あくまで自身のお店の個性を出した投稿をすれば自ずとファンもついてきます。
具体的な投稿内容をどのようにすれば良いか分からない、という場合は、同じ系統で運営していて自身のお店よりもフォロワーが多いアカウントを参考にしてみましょう。
SNSを使った飲食店の集客については「飲食店の集客アイディア8つ!売上アップのコツや集客ツールを紹介」で解説しているため、合わせてご覧ください。
モバイルオーダーを店外注文に利用する際の注意点
モバイルオーダーを店外注文に利用することは、非常に便利でメリットがありますが、下記の点において注意する必要があります。
ポイント利用の制限
モバイルオーダーシステムによっては、店舗で提供しているポイント制度との連携が難しく、システム上でのポイント利用や加算が制限される場合があります。
導入前に、お客様に提供しているポイント制度やクーポン、割引などの特典がシステム上で適切に反映されるかを確認しましょう。
不具合や誤解が生じると、クレームの原因となるため、十分な注意が必要です。
キャンセル・変更に関するルール設定
モバイルオーダーシステムでは、注文後のキャンセルや変更が難しい、または不可といったケースが一般的です。
これは、商品の調理をすぐに開始する仕組みや、事前決済を前提としていることに起因します。
顧客がキャンセルや変更を希望する場面を想定し、その際の対応策を明確にしておくことが大切です。
また、利用時にキャンセル・変更に関するポリシーを明示することで、トラブルを避けることができるでしょう。
受け取り時間やカスタマイズ等に関する取り決め
テイクアウトの場合、事前に注文を受け付けるサービスのため、受け取り時間の制約が生じる場合があります。
とくに混雑時やピークタイムにおいて、指定時間通りに商品を提供できるか、事前に確認し、お客様へ明確に伝えることが重要です。
また、商品のカスタマイズやトッピングの変更など、細かい注文に関する対応がシステム上で難しい場合があります。
その際は、カスタマイズの選択肢を限定するか、明確に制限を設ける必要があるでしょう。
モバイルオーダーの成功事例2選
実際にモバイルオーダーを導入したらどのような成果が生まれるのでしょうか?
ここではモバイルオーダーを導入した飲食店の成功事例を2つ紹介いたします。
▼飲食店のモバイルオーダー成功事例
- YONA YONA BEER WORKS | モバイルオーダー導入で少人数営業実現
- 焼鳥IPPON | 新しい顧客体験を提供し、リピーター率を向上
事例1 YONA YONA BEER WORKS | モバイルオーダー導入で少人数営業実現
概要
YONA YONA BEER WORKSは、よなよなエールなど人気の国産クラフトビールを多数生み出している「ヤッホーブルーイング」直営のビアレストランです。
YONA YONA BEER WORKSは新型コロナをきっかけに非接触をどう実現していくかを検討した結果、モバイルオーダー「トレタO/X」の導入を決断。
その結果、顧客との非接触を実現しただけでなく、メニューは全て写真付きにしたことで「わかりやすい!」と顧客満足度が向上しました。また、注文や会計が効率化されたことで今までよりも少ないスタッフ数での営業が可能となりました。
モバイルオーダーは顧客との接点が減ることが懸念材料のひとつですが、YONA YONA BEER WORKSでは顧客との会話時間や他サービスの部分に注力できたことも良い点として挙げられています。
課題
- 新型コロナの影響による非接触の実現
- 非接触の中でどうやってビールの楽しさを伝えていくか
対策
- モバイルオーダー「トレタO/X」を導入
- スタッフやトレタ担当者とのミーティング
- メニューは写真+詳しい文章で解説
- 顧客におすすめの食べ方など声がけを増やす
- 注文時に表示されるイラストを毎回変えるよう設定
成果
- 週末営業に必要な人員が12~3人から10人程度に減少
- 接客業務の効率化で従業員の気持ちにゆとり
- メニューの充実や顧客への声がけで満足度アップ
>> 詳細はこちら
https://toreta.in/case/2023-03-16/507/
事例2 焼鳥IPPON | 新しい顧客体験を提供し、リピーター率を向上
概要
焼鳥IPPONは、外食企業×IT企業のコラボレーションで生まれたDX業態の新しい焼き鳥屋です
焼き鳥という日本でもお馴染みの業態で最先端のDXに取り組んでいます。メニューは全てデジタルかつダイナミックプライシングを導入。時間帯毎に価格が変動するため「もうすぐ定価に戻ってしまうので今の内にご注文いかがですか?」といったセールストークもさりげなく行うことができます。
また、サラダの具材を1人ずつ個別に選べたり焼き鳥は1本から注文可能でオリジナルの焼き鳥盛り合わせが注文できたりといった「カスタマイズ機能」も活用。
デジタル化による接客機会の減少対策としては、モバイルオーダー利用時にニックネームを登録してその氏名で読んだり、飲食業経験よりも笑顔で雰囲気のいい人を採用したりと工夫しています
課題
- これまであった飲食店の常識「おもてなしの呪い」を打破したい
対策
- モバイルオーダー「トレタO/X」を導入
- ダイナミックプライシングを導入
- 注文時にニックネーム登録
- 個別にメニューのカスタマイズ可能
- 個別会計可能
- レジはなくキャッシュレス会計
- 飲食経験よりも笑顔で接客できる人を採用
成果
- 価格変動により稼働率の低い時間帯でも集客が見込めるようになった
- 自由度の高い個別注文、個別会計で顧客満足度がアップ
- ニックネーム呼びで顧客との距離感が縮まった
- オペレーションの研修時間を削減できた分コンセプトの共有に注力
>> 詳細はこちら
https://toreta.in/case/2023-01-31/482/
費用の負担軽減には補助金の活用もおすすめ
モバイルオーダーなどデジタルツールの導入にかかる経費は、補助金を活用することで負担を軽減することができます。
補助金とは、国や地方公共団体などが事業にかかる経費を一部負担してくれる制度です。金額は補助金の種類にもよりますが、数十万から数億円と規模も大きく、返済の義務がないものがほとんどなので、ぜひ活用したいところです。
ただ、利用するためには申請が必要で、さまざまな書類を用意しなければなりません。審査もあるため、申請すれば確実に採択されるわけではない点も注意が必要です。
募集の期間も決まっていますので、興味のある方は経済産業省や商工会議所のHPなどで情報を確認しましょう。
より詳しく補助金について知りたい方は「飲食店経営に使える給付金・補助金・助成金をわかりやすく解説」を併せてご覧ください。
おすすめのモバイルオーダーシステム5選
今、モバイルオーダーはさまざまなサービスが誕生しています。
そこで最後に数あるモバイルオーダーの中でおすすめのサービスをピックアップいたしました。
モバイルオーダー選びの参考になれば幸いです。
▼おすすめのモバイルオーダーシステム
- トレタO/X
- dinii(ダイニー)
- Air REGI オーダー
- ユビレジ QRオーダー&決済
- POS+ self order
トレタO/X|お店の打ち出したい世界観を自由度高く表現
飲食店のDX推進に積極的な株式会社トレタが運営する「トレタO/X」は表現力豊かなデジタルメニューとして、店舗の魅力をたっぷり伝えられる自由度の高いモバイルオーダーシステムです。
メニュー登録では、色や写真の色彩やサイズをカスタマイズできたり、LINEでのログイン機能や顧客の好みに沿って注文できるようになる「カスタマイズ機能」も備わっています。
デジタルに置き換えることで不安要素になりがちな「おもてなしが損なわれてしまうのではないか」「無機質なメニューにはしたくない」といった点をカバーしつつ、人件費削減だけでなく売上げアップにも寄与した実績もあるため、本格的に成果を出したい飲食店にぴったりのモバイルオーダーといえるでしょう。
特徴まとめ
- デジタルメニューとして多彩で豊かな表現力
- 料理のこだわりや産地の特徴など濃密な情報を掲載できる
- ホール業務効率化によって人件費削減した実績あり
- オーダーの取りこぼしを削減して客単価アップ
- LINE連携で簡単にログイン可能
- 顧客の好みに沿ってオーダーできる「カスタマイズ機能」
料金
お問い合わせください
>> 資料ダウンロードはこちら
https://toreta.in/download/toreta-ox/
dinii(ダイニー)|LINEと連携で顧客に直接アプローチしやすいシステム
ダイニーはこれまでPOSで収集してきた販売データと顧客データの掛け合わせることで、顧客に合わせたアプローチが可能なモバイルオーダーシステムです。
顧客はオーダー時にLINE認証が必要なため、自動的に友だちとして追加されます。登録された顧客には定期的にキャンペーンなどのお得な情報をお知らせできるなどリピーターを生み出しやすい仕組みになっています。
飲み食べ放題用のメニューや魅力的な写真や動画で訴求できるなど一般的な機能はもちろん、接客のよかったスタッフに投げ銭できる「推しエール」というユニークな機能も魅力的です。
特徴まとめ
- 今までのPOSデータと顧客データを掛け合わせられる
- オーダー時にLINE認証により自動的に友だち追加
- オーダーのデータは顧客情報として収集
- LINEで定期的にアプローチ可能
- リピーターを作りやすいCRM機能多数
- 接客のいいスタッフに投げ銭できる「推しエール」
料金
お問い合わせください
>> 詳しくはこちら
https://www.dinii.jp/
Air REGI オーダー|充実サポートで安心して導入できる
Air レジオーダーはリクルートが運営しているさまざまなプランがあるオーダーシステムです。モバイルオーダー限定ではなく、ハンディタイプでも導入可能なので、今までのやり方を踏襲していきたい店舗にとって使いやすいサービスといえます。
キッチンモニターを設置すればオーダーシステムと連動し、提供の順番が管理できるため、提供遅れを防ぐことができます。また、ペーパーレスも実現でき、煩わしい用紙の管理も不要です。
リクルートならではの充実したサポートで、モバイルオーダーが初めての飲食店でも安心して使うことができます。
特徴まとめ
- モバイルオーダーに限定せず店舗の要望に沿ってプランが選べる
- モバイルオーダーはアプリDLなど不要のブラウザ版
- 直感でメニューが見分けられるハンディで新人でも簡単操作
- テイクアウトやデリバリー注文も対応可能
- キッチンモニターを導入すればペーパーレス実現可能
- リクルートの充実サポートで安心して導入できる
料金
¥6,600〜
>> 詳しくはこちら
https://airregi.jp/order/
ユビレジ QRオーダー&決済|データ集計可能でマーケティングに活かせる
継続率99%を誇るユビレジは飲食業だけでなく、小売業やサービス業にも対応しているモバイルオーダーシステムです。
ユビレジの一番の特徴は売上や人件費、顧客情報などデータの管理に優れている点です。各データを入力しておけば、顧客に寄り添ったサービスの提供や平日何人のスタッフで営業するのが最適なのかなど経費削減・売上アップに関する戦略を立てていくことができます。会計システムとの連携もできるので煩雑な会計処理も手間がかかりません。
ハンディタイプとQRコード型のどちらにも対応しており、注文・会計機能として利便性が高く、業務効率化に期待できます。
特徴まとめ
- 個人店から大型チェーンまで使いやすいモバイルオーダー
- 売上や顧客情報などさまざまなデータ管理が可能
- 飲食業などサービス業全般に対応する高い汎用性
- ハンディにもQRコード型にも対応
- 決済や会計システムとの連動も可能
- 無料のお試しプランあり
料金
¥0〜
>> 詳しくはこちら
https://ubiregi.jp/
POS+ self order|低コストでモバイルオーダー導入可能
ポスタスのセルフオーダーは顧客のスマートフォンを活用したQRコード型のモバイルオーダーシステムです。
導入コストが安く、メニュー登録もテンプレートに当て込むだけなので簡単です。英語や中国語への切り替えも対応しているため、外国人客が多い飲食店にぴったりといえます。
ポスタスは注文・会計以外にも幅広い業務をカバーするデジタル技術を提供しています。本格的にDX導入を検討している飲食店にとっては心強い存在です。
特徴まとめ
- スマートフォンからオーダーできるQRコード型のモバイルオーダー
- 導入コストが安い
- メニュー登録はテンプレートにあてはめるだけなので簡単
- 外国語切り替えで外国人客に対応
- 幅広い飲食店業務に対応しているデジタルサービス多数
料金
¥6,000〜
>> 詳しくはこちら
https://www.postas.co.jp/service/option/postas-selforder/
まとめ | 目的を明確にした上でモバイルオーダーを導入して次のステップをめざそう
今回はモバイルオーダーについて解説いたしました。最後に簡単に結論としてまとめます。
◉モバイルオーダーとは?
- 顧客がスマートフォンやWEB・アプリなどを通じて注文できるシステム
- イートイン型、テイクアウト・デリバリー型、併用型に分類できる
◉モバイルオーダー5つのメリット
- 注文や会計業務の効率化によって今までよりも少人数での営業を実現可能
- 顧客にとって使いやすくストレスフリーなシステムなので利便性や満足度がアップ
- コロナをきっかけとして広まった非接触のニーズにも対応できる
- 写真や動画付きのデジタルメニューとして紙メニュー以上に訴求力アップ
- 店外利用の際、事前注文で店舗の混雑を緩和
◉モバイルオーダー導入によるデメリット
- 初期費用や月額費用などコストが発生してしまう
- スタッフが運用に慣れていくまで一定の時間が必要
- デジタル機器に抵抗のある顧客に対してサポートが必要
◉モバイルオーダー導入に必要なこと
- 費用(初期費用 / 月額費用 / 端末リース代※機材をレンタルした場合)
- アイテム(iPadなど専用端末 / QRコード / キッチンプリンター / Wi-Fi環境)
- デジタルメニュー用の商品登録
- スタッフ研修や顧客への使い方サポート
- 導入にあたってSNSなどでの告知
◉費用の負担軽減に補助金を活用しよう
◉おすすめのモバイルオーダー5選
- トレタO/X
- dinii(ダイニー)
- Air REGI オーダー
- ユビレジ QRオーダー&決済
- POS+ self order
飲食業界に逆風が吹いている昨今で、モバイルオーダーシステムの導入によって業務効率化や人件費削減などの効果が見込めるのは魅力的でしょう。ただ、最も大切なことは、業務効率化をすることで節約できた作業時間をどう活用するかを決めておくことです。
モバイルオーダーは目的達成のためのひとつのプロセスであることを念頭に置いた上で、導入を検討するようにしましょう。