世界的なエネルギー価格の上昇や円安の影響を受け、原材料価格が高騰しています。
さらに新型コロナウイルスの蔓延やロシアのウクライナ侵攻により、原料不足や生産性の低下などを引き起こし、備品等の値上げも止まらない状況です。
そのような状況で利益を確保するため、値上げを検討している飲食店も多いのではないでしょうか。

本記事では飲食店が値上げをする際の方法やポイントをメインに、値上げと関連性のある「人件費率」や「DX」について解説します。

値上げによる「客離れ」は心配しなくて良い。リピートしてもらえる仕組みをしませんか?

2022年6月に株式会社ぐるなびが会員向けにおこなったアンケートによると7割以上の消費者が値上げに対し、一定の理解を示している※結果が出ました。

これらを考慮すると、一時的な客離れを失敗と捉えて値上げをしないという選択は避けた方が良いでしょう。 そこで考えていきたいのが、「値上げをしてもリピートしてもらえる仕組みづくり」です。

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※引用:株式会社ぐるなび「外食の値上げに関する調査」より

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飲食店は値上げによる客離れを失敗と捉える必要はない

原材料の高騰により値上げの必要を感じているものの、値上げをすると評判が落ちたり、客離れが進むのでは?と不安になり、値上げに踏み切れないお店も多いのではないでしょうか。
しかし飲食店側が考えているほど、消費者は値上げに反対していないというデータがあります。

2022年6月に株式会社ぐるなびが会員向けにおこなったアンケート「外食の値上げに関する調査」によると、飲食店の値上げに対して72.6%もの人が、一定の理解を示すという結果が出ました。
大手食品メーカーが一斉に値上げを敢行していることも、値上げに対し理解を示す要因のひとつでしょう。

この結果を見る限り、多くの人が値上げを許容する考えであるため、値上げに対し必要以上に恐れることはないと言えます。

画像引用:株式会社ぐるなび

とはいえ値上げをおこなうと、客数が減る可能性は否定できません。
しかし現在の価格設定で採算が取れない場合、早急に改善しないと徐々にお店の体力(資金)が削られていきます。

7割以上の消費者が値上げに対し、一定の理解を示しているアンケート結果を考慮すると、一時的な客離れを失敗と捉えて値上げをしないという選択は避けた方が良いでしょう。

前向きに考え、値上げをしてもリピートしてもらえる仕組みづくりに注力すべきです。
常連客の多くは価格だけでお店を評価していないため、多少の値上げで来店しなくなる可能性は低いと言えます。
コロナ禍において、3回以上来店したことがある常連客がお店の経営を支えていたというデータもあり、むしろ来店頻度が上がるケースもありえます。

つまりコロナ禍や値上げ時など、新規顧客の獲得が難しいときや、客離れが心配なときこそ、リピーター獲得に注力すべきタイミングと言えるでしょう。

リピーター獲得において最も重要なポイントは、サービスや料理の品質を高めるといった「あたり前のこと」です。
具体的な手法としては、SNSでの情報発信やスタンプカードなどいくつかありますが、本質はあくまで「お店の独自性や価値を高めること」だと捉えておきましょう。

リピーターの獲得方法について詳しくは「飲食店のリピーター獲得6選|プロが教える繁盛店を作るコツとは」を併せてご覧ください。

画像引用:株式会社ぐるなび

また、同調査の「値上げを検討している飲食店に期待すること(アンケート調査名:昨今の物価上昇の状況下で、飲食店に期待することはありますか。)」の問いに対して、上記画像のとおり「サービスの拡充」や「質や量を変えないで欲しい」、「質や量を向上してほしい」といった回答が寄せられました。

これらの要望から、値上げをポジティブに受け止めたいという消費者の気持ちが読み取れます。
値上げをおこなう際は、そういったお客様の気持ちを汲み取り、応えていくことが大切です。

料理の価格以上にお客様を満足させることが、客離れを防ぎ、繁盛するための重要なポイントと言えるでしょう。

客数を減らさないための値上げ方

一定の消費者が値上げに対して理解を示しているとはいえ、可能な限り客数を減らさないように値上げをおこなう必要があります。

たとえば「商品の価値を上げる」、「メニュー全体を大幅に作り替える」といった施策は、商品そのものを変化させるため、厳密には値上げに該当しませんが、お客様に納得してもらいやすい方法です。
どちらの方法をおこなったとしても、価格相当かそれ以上の価値を感じてもらえれば、値上げ前より喜んでもらえる可能性もあります。

ただし、お店で使う金額は増えるケースが多いため、「以前より値上がりした」と感じて来店しなくなるお客様はいるかもしれません。
しかし、それは客離れではなく客層の変化によるものです。
単価が上がれば、それに見合った新たなお客様の来店する可能性が高いと考えて良いでしょう。

値上げするメニューと金額の決め方

そもそも値上げの目的は、メニューを作成した時点より原価率が上がっているため、利益が減っているからというのが主な理由でしょう。
つまり原価率を適正に戻すと当初に設定した利益が確保できます。

そのためにおこなう原価率の調整方法は主に下記の2つです。

  • 個別に原価率を調整する
  • 全体で原価率を調整する

それぞれ個別に解説します。

食材の値上りに応じて個別に原価率を調整する

仕入れ値の値上がりに応じて、設定した原価率分の価格を調整します。
この値上げ方法のメリットは、お客様からの理解を得やすい点です。
たとえば卵の相場が高騰した場合、オムレツの価格を上げても、「最近、スーパーでも卵が高くなっているし仕方ない」と納得する方は多いでしょう。
一方デメリットは、値上げが強調される可能性が高いことです。

仕入れ値に応じた個別の値上げは、下記のステップで進めると効率的に取り組めます。

  1. すべてのメニューの原価率を計算する
  2. 設定当時から原価率が上がっているメニューをピックアップする
  3. ピックアップしたメニューを原価率に合わせて値上げする

一部のメニューを値上げし、原価率を全体で調整する

仕入れ値に関わらず、値上げするメニューを選定して値上げをおこなう方法もあります。
原価率を個別に調整するのではなく、メニュー全体で調整する方法です。

値上げ対象の決め方は主に、「人気メニューの値上げ」と「注文率の低いメニューの値上げ」の2通りあり、それぞれメリットやデメリットがあります。

両方の決め方をバランスよく取り入れることで、お客様の反発を避け、利益を確保しやすくなるでしょう。

人気メニューの値上げ

人気メニューや看板メニューの値上げは、利益に反映しやすい反面、お客様の不興を買う恐れがあります。

お皿や盛り付けを変えたり、提供時の演出を凝ったものにしたりするなど、付加価値を付けると反感を買いにくいでしょう。

注文率の低いメニューの値上げ

注文率の低い、人気のないメニューの値上げは、お客様からの反発が抑えられる一方で、注文数が少ないため利益に反映しにくいといった特徴があります。

売上や利益に影響が少ないたいため、それほど値上げの必要性を感じていないお店に向いている方法と言えるでしょう。

価格改定のお知らせは早めが基本【すぐ使える例文付き】

多くのお客様にとって、値上げは決して嬉しいものではありません。
あくまで「妥協してもらっている」と自覚する必要があります。

お客様の気持ちを大切にするためにも、値上げの告知には細心の注意を払いましょう。

値上げを告知するタイミングと方法

値上げを告知するタイミングが遅れると、お店のイメージが悪くなるケースがあります。
可能な限りすべての常連客に伝わるよう、早めに告知するようにしましょう。
お店のスタイルや業態にもよりますが、値上げの1か月前までには告知したほうが無難です。

告知方法はお店のホームページやSNSでの発信をメインに、張り紙やメニューへの差し込みなど、アナログ手法も併用すると多くのお客様に伝わりやすくなります。

また、値上げ前後のタイミングを狙ってお得なクーポンの発行するのも良い方法です。
お得なクーポンの存在が、値上げに対するネガティブなイメージを払拭する役割を担ってくれるケースもあります。
次回来店時に使えるクーポンを発行することで、再来店の可能性が高まるといったメリットも。

クーポンは従来通りの「アナログ形式」と、近ごろ普及してきた「デジタル形式」があり、それぞれ特徴が異なります。
自店のスタイルに合わせて、適したタイプを選択しましょう。

<アナログ形式とデジタル形式のクーポンを比較>

クーポンの種類クーポンの例メリットデメリット
アナログ形式・チケット(金券)
・チラシ・食事券
・訴求力が強い
・手渡しできる
・ポスティングできる
・受け取った人以外でも利用可能
・スマホやタブレットを持っていない人に支持されている
・印刷コストかがかかる
・大量に配布するのは難しい
・利用時にクーポンを持参してもらう必要がある
・顧客情報の収集や管理がしにくい
デジタル形式・グルメサイト(ぐるなび、ホットペッパーグルメ、PayPayグルメなど)
・LINE公式アカウント
・店舗の独自アプリ
・デジタルスタンプ

・印刷コストが掛からない
・大量に作成、配布できる
・クーポンを持参する必要がない
・顧客情報の収集や管理が可能
・クーポンの利用状況が把握しやすい
・訴求力がやや弱い・手渡しできない
・ポスティングできない
・利用するサービスによっては利用料が高額になる
・本人しか使えないケースもある
・スマホやタブレットを持っていない人は使えない

ステルス値上げはお客様の反感を買いやすい

ステルスとは敵のレーダーには映らない戦闘機のことで、ステルスのように見つかりにくい値上げのことをステルス値上げといいます。
つまり告知をしない、またはお客様に認知されにくい形で告知をする方法です。

値上げを隠そうとする意識が、常連客の機嫌を損ねてしまい、来店頻度が下がる可能性があります。
なによりお客様への誠意に欠ける行為なので、避けたほうが良いでしょう。

値上げに関する告知文の内容【テンプレートあり】

値上げの告知文には、お店からのメッセージや変更内容等を盛り込みます。
必ず記載したいのは下記の3点です。

値上げに至った理由
値上げを実施する日時
値上げ対象の商品

さらに経営者や店舗責任者の署名を付けると、誠意が伝わりやすくなるでしょう。

実際に使える告知文のテンプレート(型)の例を紹介しますので、必要な箇所を置き換えて活用してください。

告知文の例

いつも(店名)をご利用いただきありがとうございます。
この度、一部のメニューにつきまして、価格改定をおこなうことになりました。

長年にわたり変わらぬ価格で提供させていただいておりましたが、原材料費の高騰によりやむを得ず、このような判断に至った次第です。
今後はより一層のサービス向上に努め、お客様にご満足いただける店舗運営を続けてまいります。

何卒、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

(店名)代表 〇〇(姓) 〇〇(名)

<新価格開始日>
令和◯年◯月◯日

<値上げ対象>
・ランチセット  800円→1,000円
・前菜盛り合わせ 1,400円→1,600円
・バーニャカウダ 1,600円→1,800円
・子羊のロースト 2,200円→2,500円
・ソフトドリンク 500円→600円
・生ビール    600円→700円

値上げと並行して考えたい「人件費率」と「DXの推進」

値上げ以外にお店の利益を確保する方法として、人件費の見直しは有効です。
なぜなら食材費が上がった分、人件費を下げれば利益が確保できるからです。

食材費と人件費を一括りで捉える「FLコスト」を調整することで、極端な値上げを回避できるでしょう。

またDXの導入は経費の削減や、利益向上が期待できます。

POSレジやキャッシュレス決済への対応、モバイルオーダーシステムの導入などをおこない、人がやらなくてもいい業務をデジタル化することで、人件費等のコスト削減が可能になります。

人件費率と食材費であるFLコストのバランスを調整しよう

FLコストとは、飲食店が利益を確保する上で重要な割合を占める人件費と食材費を合わせたものです。

一般的にFLコストは60%未満に抑えることが望ましいとされています。そのため、例えば食材の原価が40%に上がった場合は人件費率を20%に抑えるようにコントロールすれば、全体の利益率は確保できるということを意味します。

もし値上げをすれば、食材費の原価率は値上げ前と同じ割合になるはずです。値上げをしない場合は、食材費の割合が高くなるため、人件費を抑えなければなりません。

人件費を抑えるには今までの業務内容を見直して、改善する必要があります。このようにFLコストを意識することで今後取り組むべき課題が明確になるでしょう。

FLコストについてのさらに詳しい解説は「飲食店の人件費率は食材費と合わせて考える|利益を確保する方法とは」を併せてご覧ください。

DXは、これからの飲食店に革命を起こす取り組み

DXとは「デジタル・トランスレーション」の略称で、デジタルツールを導入しながら組織に革命的な変化をもたらす取り組み全般をいいます。

2000年代序盤にスウェーデンの教授が提唱したことを皮切りに世界に広まり、日本でも2018年に経済産業省がDXに関するガイドラインを発表。国内でも各業界でDXの取り組みが年々活発化しています。

ただ、飲食店においてはまだ認知度は低いのが現状です。トレタが飲食店向けに行ったアンケートでは、「DXについてよく知らない」と回答した人は60%を超えました。(参考:飲食店にDXは必要? 関係者500名以上にアンケート調査」トレタHPより

飲食店の業務は、注文や会計、予約や顧客の情報管理、勤怠管理などさまざまなシーンで効率化できる余地がまだまだたくさんあります。DXは、業務効率を向上させ、顧客・従業員満足度を上げていく可能性を秘めています。

実際、既にDXによって成果を上げている飲食店も増えてきています。その成功事例や、DXの概要など詳しい内容については、「飲食店DX成功事例8選|企業がデジタル化に取り組むメリットも紹介」を併せてご覧ください。

値上げに負けない接客力を身につける方法

やむを得ない理由で値上げをした場合、来てくれたお客様には今まで以上の価値を提供していかなければなりません。

メニュー内容の改善や充実はもちろんですが、顧客と直接コミュニケーションするホールスタッフの接客力向上も重要です。

顧客が飲食店をリピートする理由の1位は「スタッフの気配り」という統計もあります。(参考:「コロナ禍でも“選ばれる飲食店”の条件とは?」MS & Consulting HPより)接客力は売上にも大きく関連してくるのです。

接客力を向上させるためには、まずは接客の基礎をマスターすること、そして環境面を整備していくことが大切です。

接客において何が大切なのかを店舗全体で共有しながらオペレーションの導線を整理したり定期的に勉強会を開催するなどさまざまな施策を行います。そうすることで、従業員の能力向上だけでなくポジティブな雰囲気が生まれ、顧客が楽しく過ごすことのできる店舗環境が整っていくでしょう。

より具体的な接客力向上の方法については「売上を呼ぶ飲食店の正しい接客方法!成功の秘訣を徹底解説」を併せてご覧ください。

値上げに左右されない「常連」づくりのポイント

常連客のなかには「コストパフォーマンスが良い」という理由で来店する方が一定数います。
しかし本当の意味での「常連」は、お店そのものに高い評価をつけることが多く、多少の値上り程度で来店頻度が落ちることはありません。

常連づくりのポイントは、お客様の来店回数と来店間隔です。
来店回数が増えるほど来店間隔が短くなるという傾向を基に考えると、初来店以降の来店回数をいかに増やすかが、常連づくりにおいて重要だということがわかります。

具体的には来店回数が2回〜3回のお客様を把握し、再来店を促すサービスを提供するなど、来店回数を増やすことに注力します。
10回以上来店しているお客様は、6週〜7週(1カ月〜2カ月弱)のペースで来店しているデータがあるため、まずは10回来店してもらうのを目標にすると良いでしょう。

常連を増やすコツなどは「繁盛する飲食店に学ぶ常連客を増やすコツ | DX事例など最新施策も」を併せてご覧ください。

今後ますます「お客様情報」の取得、管理が重要になる

飲食店にとってお客様情報は最も重要な資産のひとつです。
以前は興味のなかった方もコロナ禍を経て、お客様情報を取得、顧客リストとして管理する大切さに気付いたのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言中や、営業時間短縮期間中など店舗にお客様が来店しにくい時期でも、顧客リストがあれば、テイクアウトやデリバリーなどの案内が可能でした。
コロナ禍が落ち着いてからの巻き返しも、顧客リストがあるお店とないお店では大きな差が生まれたはずです。

これから先もコロナ禍のような不測の事態は起こり得ます。
また、これからも物価高騰による値上げの必要性が高まる可能性もあります。
そのような背景を考慮すると、これまで以上に顧客情報の価値が上がってくるはずです。

さらに多くの飲食店は、コロナ禍で学んだ教訓を胸に、現在、お客様情報の取得に取り組んでいます。
競合の多いなかで勝ち残るためにも、今後ますますお客様情報の取得、管理が重要になるでしょう。

お客様情報を取得する具体的な方法については「飲食店の資産「お客様情報」を取り逃がしていませんか?ウォークインのお客様の情報も効率よく貯める方法とは」を併せてご覧ください。

利益を増やせば値上げの必要性は減る

人件費削減は、利益を得るための手段として有効ですが、人手不足で削減するどころではない、といったお店もあるでしょう。
そこでここでは、人件費削減以外の「値上げをせずに利益を増やす方法」について解説します。

客単価を上げる

飲食店が利益を増やすには、客数か客単価を上げる方法が効果的です。
ここでは客単価の上げ方について掘り下げて解説します。

客単価を上げる方法は主に3つあります。

  • メニューを刷新する
  • 料理の量を減らす
  • セットやコース料理を用意する

メニューの刷新をおこない、全体のメニューを見直すことで原価率を調整します。
また以前のメニューがなければ、比較する対象がないため、値上げと感じにくくなります。
さらに料理の量(ポーション)を減らせば原価率が下がり、利益率は上がるでしょう。

ただし、これらの方法をおこなう際は注意が必要です。
お客様に「損をした」「以前のほうがよかった」という印象を与えてしまうと、次回の来店に繋がりにくくなります。
新しいメニューを考案する際は、原価率が上がらないよう注意しつつ、魅力のあるメニューを作る、量を減らす際はお皿や盛り付けに気を遣うなど工夫しましょう。

売上や客単価を上げる方法について詳しくは「飲食店が覚えておくべき売上を増やすポイント|客単価やリピーターの増やし方」を併せてご覧ください。

テイクアウトに取り組み収益の柱を増やす

客席数に限りがある以上、客単価を上げても店舗での売上には限度があります。
一方テイクアウトは客席数が問われないため、売上を大幅に拡大できる可能性を秘めています。
たとえテイクアウトの売上が大幅に伸びなくても、収益の柱が増えるため利益増加が見込めるでしょう。

とはいえ、いまさらテイクアウトに取り組んで成功するのかと懸念する方もいるのではないでしょうか。
しかし、コロナ禍の影響でテイクアウトやデリバリーなどの中食(なかしょく)は、多くの人々の日常に定着しています。
コロナが収束へ向かっている2023年においても、引き続き需要はあるため、まだまだチャンスはあるでしょう。

テイクアウトを始めるための主な準備は下記の5つです。

  1. 必要な届出や申請をおこなう
  2. メニューを決める
  3. 調理から提供までのオペレーションを決める
  4. 料理を入れる容器や袋などの備品を選定、購入する
  5. 注文方法や決済方法を決める

テイクアウトの基礎知識や、成功させるためのポイントについては「飲食店のテイクアウト入門 | 始め方や成功のコツなどを紹介」を併せてご覧ください。

まとめ|誠意ある態度で臨めば客離れは防げ

飲食店の値上げについて解説してきました。改めて本記事の結論をまとめてみます。

飲食店は値上げによる客離れに怯える必要はない

  • 飲食店の値上げに対して7割以上の人が一定の理解を示しているため
  • ただしサービスの拡充や質や量を向上してほしいといった要望に応じる必要がある

客数を減らさないための値上げ方法

  • 商品の価値を上げる
  • メニュー全体を大幅に作り替える

値上げするメニューと金額の決め方

  • 個別に原価率を調整
  • 全体で原価率を調整

値上げの告知について

  • 値上げの1カ月以上前に告知
  • ステルス値上げは避ける
  • 告知文にはテンプレートを活用

値上げに関するテクニックなどを解説してきましたが、結局のところ、重要なポイントはお客様への思いやりです。
現状を伝え誠実に対応すれば、お客様、とくに常連客に理解してもらえるはずです。

お客様に感謝の気持ちを込めて、値上げ後はサービスや料理の品質をより一層高めていきましょう。